概要
異世界グラン・ロロを支配する王。
本名は「ラミロ・アルフォンゾ・カルリートス・デ・フェルザドゥリーア」。
ただし、元は異界人ではなく普通の人間。
先を見通せる策謀と知略にもたけた人物で、グラン・ロロにいる多くの異界人から支持されている。
当初は老人の姿だったが、ダンとのバトル時にて急速に若返る。
来歴
過去
元々はスペイン人であり、地球の600年以上前の大航海時代、富と名声を求め、海に出ていった船乗りたちの中の一人であった。
そして、危険な航海の果てに偶然ながらも彼は魔術などが存在する異世界グラン・ロロへの入り口を発見する。
祖国に帰った彼は、グラン・ロロを植民地とすべきだと進言するも、異世界のことを信じてもらえず、周囲の人間から嘲笑される。異世界のことについて信じてもらいたい一心で彼は異世界グラン・ロロについて著した『異界見聞録』を出版するが、それすらも人々を惑わすものとして禁書にされて焚書の憂き目にあった。
異界王として
自分の見たもの、感じたものをだれにも信じてもらえない『無理解』『孤独』にさらされた彼は、人々に失望し、一人グラン・ロロへと旅立った。
そして、彼は原始的な生活をしていた異界に文明をもたらし、『異界王』と名乗って、異界に君臨、異界魔女マギサから魔力を奪い、絶対的な統治者として君臨する。
更に、異界グラン・ロロの太陽であるマザーコアの守護・制御にも力を注いできた。
当初は自分たちが憎んだ為政者と同じように武力で異界を制圧しており、白の王と緑の姫の婚姻の日に二人を殺害。そこへ未来から来たガレット・レヴォの「バトスピによる問題解決を」言葉を受け、彼の発言を未熟と一蹴し、赤のシンボルを破壊している。とはいえ、思うところはあったようであり、どうやらこのガレットとの掛け合いが彼がバトスピを普及させた理由のようである(『ミラージュ』第1話にて)。
異界王の統治で苦しむ人々を見た馬神弾が、異界王を否定してきた際には、自分は大局を見ていると告げ、バトルで弾を相手に文字通り『大局を見据えて』圧勝。
更に、異界王によるマザーコアの制御・支配を辞めさせようとする弾達の行動を先読みし、それを利用して、自身の目的であった「地球とグラン・ロロの融合」を果たす。
世界の融合後、地球側の国々に対して、異世界の技術コアテクノロジーを交渉材料に同盟関係を続々と成立。更にそれすらも前座であり、世界経済の支配者たる影の政府フィクサーと同盟を結び、事実上の世界征服すら達成、それでも満足できない異界王は、マザーコアを完全に支配下におさめる。
しかし、突然過去の憎しみを再燃させた異界王は、疫病と医療・飢餓と飽食・混乱と平和といった世界に満ちた矛盾を破壊するため、未熟な人類と野蛮なる異界人の『進化』を促すべく、天変地異を起こそうとする。
最後は異界王を止めようとする弾とのバトルに敗北。「お前達が生きる時代は俺が創った時代だ。忘れるな…」と言い残し息絶えるのだった。
バトルスピリッツブレイヴ
異界王亡き後、馬神弾達は、異界王達との戦いで気づいた世界の矛盾を無くすべく戦おうとする。しかし、世界をコントロールするフィクサー達はそんな弾たちを邪魔に思い、情報操作で弾達を弾圧、弾は友人や家族からも迫害され、大事な友人も失い、図らずもようやく異界王が抱えていた『憎しみ』を理解することとなった。
そして未来世界は、本来環境破壊で荒廃した世界だったものから、異界王の介入により、コアテクノロジーのおかげで環境破壊はなく、異界から流入した魔族と人間が争う世界となる。
そんな未来を救うため未来にやってきていた弾達元コアの光主。終盤、魔族と人間が一つとなり、最後の地球を救うための作戦に向かう直前。
弾が異界王に思いを馳せ、『異界見聞録』を手に取ると、精神世界にて異界王と邂逅。
かつては分かり合えなかったが、様々なものの見方を知り成長したダン、穏やかな顔つきを取り戻した異界王、世界と戦い続けてきた二人の男は語り合った。
異界王はダンの新たな時代を切り開く覚悟を確かめ、ダンは異界王のことを「見方を変えれば、あんたが一番世界を案じていた英雄だった」と返す。
成長したダンを異界王は「漢の顔になったな」と、まるで父親のような眼差しと包容力で彼の両肩に手を乗せて、喜んだ。最後の戦いに向かうダンを激励し、その姿を消した。
バトルスピリッツ サーガブレイヴ
「苦い夢を見るのは人間の性か…」
ダン「夢は必要悪だ。そう言いたいんだろ?」
第3話のラストに登場。ギデオンとの戦いを終え、知恵の間にいたダンの前に姿を現す。(2人の会話から見るに久々の再会というわけではない模様)
ギデオンと共に消えた12宮Xレア(蟹座、射手座、獅子座を除く)を探すために再び別の時代(ギデオンが消えたことにより生まれた時空)に旅立とうとするダンに忠告とも取れる言葉を投げかけた。
「忘れるな。人間に知恵がある以上、強き者弱き者の“歪み”は生まれ続ける。」
「人間は変わっていける。知恵はそのための武器だ。あんたが当たり前のように言ってる“歪み”ってやつも無くせるはずだ。俺は人間を…信じてるよ。」
それを聞いた彼は不敵に微笑むと旅立つダンをそのまま見送った。
バトルスピリッツ 赫盟のガレット
31世紀、異界見聞録が再評価され研究されている。
「異界見聞録の語り手」を名乗るヴィザルガがコアの光主達の前に姿を現すが…。
ネタバレ注意!!
最終話にて、ヴィザルガの正体が姿を変えた異界王本人であったことが判明した。
神々の砲台でガレットとバトルを行い、『ある男』の話として自らの過去を語る。(さらに、異界見聞録が禁書となったのは破滅する未来を記していたからだということも判明する。)
最終的には、ガレットに正体を見破られた上で新たな力「竜騎士皇帝グラン・ドラゴニック・アーサー」を手に入れた彼に敗北。バトル後、その果てしない知恵を必要としたガレットに「知恵」に対する忠告をした上で彼を異界グラン・ロロに導く。
「理想を実現したくば、自分が何者なのかを知れ。」
ガレット「知恵あるからこそ、人は過ちを正す。お前の知る“知恵なき時代”には戻らない。」
「お前のような理想を掲げて命を落とした者は無数にいる。忘れるな、ガレット・レヴォ。」
劇中での行動や声優の一致から、その正体はある程度予想されていたが、ついにはっきりと明言されることとなった。(バトルフォームもガイ・アスラを模したものなのに加え、バトル中の表情が彼を思わせる凶悪な形相となっていた)
使用デッキ
あらゆる色のデッキを使いこなす。
初対面との馬神弾とのバトルでは、あえて弾と同じデッキを使用。ミラーマッチではプレイングで彼に差をつけ勝利するという圧倒的な実力を見せる。
本気で戦う際には、異界王自身の憎悪によって生み出された『幻羅星龍ガイ・アスラ』を切り札とする赤主体の混色デッキを使用する。主な小型スピリットは赤の「蛇竜キングゴルゴー」、紫の「獄獣ガシャベルス」、白の「飛鋼獣ゲイル・フォッカー」。
ヴィザルガとしては、かつて使用していたカードのリメイク版が多くを占めるデッキを使用。
切り札は『幻羅星龍ガイ・アスラX(テン)』。
余談
切り札『幻羅星龍ガイ・アスラ』は、バトルスピリッツでは恒例である『次期新シリーズのエースカードの先行公開』にあたるカード。このカード自体、バトルスピリッツでは初となるLv4、そして他のスピリットとはまるで比較にならない30000という強烈なパワーを有しており、異界王が『既存の概念にとらわれない存在』であることを決定づけている。なお、未来世界に住むルチャ・リンブレイ(CV:子安武人)は彼を意識したデッキを使っているのにもかかわらず、このカードが激突王の切り札であるかのように誤解している。
ちなみに彼の著した異界見聞録の表紙のタイトル部分の文字をよく見ると、ひらがなで「いかい」と書かれている。
もう一つの姿である「ヴィザルガ」はサンスクリット語の「ヴィサルガ」(解放の意)に由来。バトスピのゲーム開始宣言である「ゲートオープン!界放!!」に引っ掛けているのだろう。
関連タグ
馬神弾:ある意味で彼のIFとも呼べる。 幻羅星龍ガイ・アスラ
オーマジオウ:中の人は全く同じなニチアサキャラクター。人々からは最低最悪の王と呼ばれながらも、人々を救い未来世界に影響を及ぼした英雄としての側面を持っているという共通点を持つ。当初は単なる中の人つながりでネタにされる事が多かったものの、後に本当にオーマジオウがバトスピに実装される事態になった。
放浪者ロロ:ヴィザルガの容姿のモデルと思われる。
マルコ・ポーロ/クリストファー・コロンブス:公式に明言されていないが、元ネタになったと思われる人物たち。