解説(ABARA)
春の季語である「寄居虫(ごうな:ヤドカリの意)」の古名「がうな」がモチーフではないかと推察される。
人間には理解できないスピードで活動する。機関銃やレーザー、ミサイル等の兵器でも全く対処出来ない。踏み台にしただけのビルが真っ二つになる等、筋力も通常の生物に比べて並外れている。
固体によっては羽や翼のようなものを背中から伸ばし、浮遊・飛行する。
性質
「胞」(えな)と呼ばれる外骨格様の装甲に身を包み、その大きさや、形状は様々である。何らかの要因によって人間が変態することによっても出現する。また、人間が変化したものは「示現体」とも呼ばれることがある。
解説(シドニアの騎士)
共通紀元2109年に太陽系外宙域で人類が遭遇した外宇宙生命体。
人類が宇宙空間に無尽蔵に存在するエネルギー粒子・ヘイグス粒子を新資源として利用し始めるのとほぼ同時期に現れ、2371年には太陽系に侵入した無数のガウナの集合体である衆合船によって地球を破壊して人類に壊滅的打撃を与えた。人類が太陽系から脱出した後も執拗に追跡・攻撃を続けている。
性質
個体によって様々な形状・性質を持つが、基本的には『カビ』と呼ばれる物質でしか貫通することのできない非常に強硬な殻に覆われている丸い本体を外皮である胞衣(エナ)が包んだ構造をしており、ヘイグス粒子をエネルギーとしている。
完全に撃破するには、胞衣を排除した上で露出した本体をカビ製武器で破壊しなければならない。本体を破壊すると胞衣は制御を失って泡状に分解する。
しかし胞衣はヘイグス粒子を利用して急速に再生・変化し、動きは素早く力も非常に強いため、接近戦は大変危険。組み付かれたり触手で掴まれた場合、僚機に救出してもらうか、砲撃で吹き飛ばすしか衛人での脱出方法は無い。
当初は28本しかシドニアに現存しない「カビザシ」と呼ばれる槍状の武器でなければ致命傷を与えられず危険な格闘戦を強いられていたが、『人工カビ』の登場以降はカビを使い捨てることができるようになったため、GCPDS(ガウナ本体貫通弾)による遠距離射撃戦が基本となった。
ガウナ本体を覆う胞衣は細胞質状の物質でありながら「なんでも作れる物質」であり、ガウナはこれを利用して多様な形態をとる。重力子放射線射出装置のような机上の空論に過ぎないような機構すらも再現できる他、ガウナが捕食した物体や生物を模倣することもあり、見た目と内部構造だけでなく遺伝子情報や人格すらコピーした複製体を作る事もできる。
本体を破壊する前に切断した胞衣は崩壊すること無くそのままの形を保つ場合もあり、回収に成功したものがシドニアに多数保存されている。これはシドニアの物質科学を支える重要戦略物資であり、人工カビや『超構造体』、『新型ヘイグス機関』といった様々な成果へとつながっている。
特に人間の女性を模した人型胞衣は『融合個体』を生み出すのに必要かつ希少な存在である。
衆合船(シュガフせん)
ガウナの巣および母船として機能する無数のガウナの集合体。
主本体と呼ばれる本体の密集している場所があり、そこを全て破壊されるとガウナが残っていても崩壊する。
大きさは様々で、小規模な小衆合船でも数km程度からシドニア(全長約28km)に匹敵する大きさのものも存在し、惑星セブンの衛星軌道上にいる大衆合船に至っては惑星並という巨大さを誇る。