概要
『聖プレジデント学園』の名物生徒6人によって結成された生徒会は「有閑倶楽部」とも呼ばれ、それぞれが生まれ持った才覚やコネをフル活用し、巨悪を打ち砕く痛快学園コメディアクション。
1981年、『りぼんオリジナル』(集英社)春の号で連載開始。
1982年、『りぼん』(集英社)でも掲載される。
1995年、『コーラス』(集英社)に移籍。
2007年、有閑倶楽部×プライドのコラボ編『無閑倶楽部』が『コーラス』に掲載される。
2010年、作者が休筆状態となる。
2022年、一条ゆかりの金言集『不倫、それは峠の茶屋に似ている』にて、最後の描き下ろしショート漫画「その後の有閑倶楽部」が掲載された。
映像作品
単発ドラマ
1986年11月にフジテレビ系列の『月曜ドラマランド』にて放送された。出演は国生さゆりほか。
連続ドラマ
2007年10月~12月にかけて日本テレビ系列28局で同時ネットで放送、遅れてテレビ大分(フジテレビ系列とクロスネット)と琉球放送(TBS系列)でも放送された。
赤西仁の都合で魅録が主人公となっている。キャストは以下を参照されたし。
主題歌はKAT-TUNの「Keep the faith」。
OVA
1991年と1992年にアニメ化されている。メンバーの声優は以下に付記。
また、悠理の父親を演じた吉村ようは第2作が遺作となった。
主要人物
剣菱 悠理(けんびし ゆうり)
CV:勝生真沙子/演:美波
聖プレジデント学園運動部部長。
世界的な規模を誇る剣菱財閥の令嬢だが、かなりガサツで学力も絶望的に低い。愛猫家。
だが腕っ節は生徒会メンバーでも上位で、荒事ではかなりの貢献度を誇る。
トラブルを作ったり巻き込んだりする頻度も高く、メンバー全員が一年留年しているのも元をただせば悠理のせい。
またかなりの霊感体質で、近年はこの体質のせい(おかげ?)で事件解決の糸口を掴むこともしばしば(ただし、このせいでトラウマアイテムが続々増えている)。
美人の母親に似て顔立ちは整っていて、本人は全く色恋沙汰に興味がないのだが、レズのおばさんに迫られたり、そっくりなホモの美少年に間違われたりと明後日な方面で関わることがある。
ちなみに校内では美童に張る女生徒人気の高さを誇っていたりする。
菊正宗 清四郎(きくまさむね せいしろう)
CV:辻谷耕史/演:横山裕
聖プレジデント学園生徒会長
生徒会メンバーの中のブレイン担当。父は大病院の院長。姉に頭が上がらない。
文武に長けた完璧超人。無駄に多趣味でオカルトにも精通している。頭脳・荒事両面で大いに活躍するなどするが、あまりの完璧超人っぷり仲間内から「人間味が足りない」と揶揄される事も。
ちなみに荒事に精通するきっかけになったのは幼い頃に悪ガキの悠理に惨敗し、野梨子にかばわれたショックから。
何故かアッチの筋からやたらとモテる。あとファッションセンスがジジ臭い。
大型クイズ番組に出場した際に、流行ジャンルで可憐と美童に後れを取る珍しい場面があった。
白鹿 野梨子(はくしか のりこ)
CV:日高のり子/演:香椎由宇
聖プレジデント学園文化部部長。
才色兼備でプライドも高い大和撫子。父は日本画の大家で、母親も茶道の家元という超お嬢様。家では着物姿でいることが多い。清四郎とは家が近所の幼馴染。
基本的に丁寧な口調で話し道理を優先したがるが、ひとたび自身や近しい人物のプライドが著しく傷つけられると、強烈な皮肉・毒舌を口走るなど生徒会メンバーで「キレると最も怖い」人物。
幼馴染の清四郎と悠理の結婚話が持ち上がった時はヤキモチらしき感情も見せたが、残りメンバーからは「ブラコンに近いだろう」と評される。
初恋は在学時であり、お嬢様と不良少年という少女漫画の王道を踏襲。清四郎からは「保護者気分」と思われた。原作・アニメでは荒事はからっきし(事件に関わる際は専ら頭脳労働専門、そもそも運動音痴なので)だが、ドラマだと「汚らわしい!!」という言葉とともに悪漢に平手打ちを飛ばす、というキャラになっていた。
松竹梅 魅録(しょうちくばい みろく)
CV:関俊彦/演:赤西仁
聖プレジデント学園生徒会副会長。
パンキッシュな見た目が特徴的な、警視総監の息子。母親は元・華族の出。愛犬家。
その出自からヤクザ・暴走族・警察には特に顔が利き、警視総監の息子の立場を(悪い意味で)フル活用し、事件のウラを非常にダーティーな方法で探り出すこともしばしば。
手先が器用でメカに精通し、イヤーマフ型通信機やリモコンの飛行機器など独自製造までこなす。
またケンカ慣れもしており、荒事では悠里・清四郎と共に生徒会の実動メンバー。
2007年のドラマ版は彼が主人公。
黄桜 可憐(きざくら かれん)
CV:冨永みーな/演:鈴木えみ
聖プレジデント学園生徒会経理。
スタイル・容姿に優れた生徒会メンバーの中のお色気担当。宝石商の娘。母子家庭。
その容姿を最大に活用し、事件の重要人物が男性(特に中年)だったりすると色仕掛けでボロを出させたり、事件の核心に迫る証拠を探りだす。
玉の輿を狙い、何かと惚れっぽい性格だが相手が怨霊だったりメタボ中年だったりハーレム男だったりゲイだったりと何かと報われない恋に終始している。
生徒会メンバーの中では意外に一番の常識派で、自分以外のメンバーがブチギレを引き起こして大暴れしそうになると、何とかブレーキをかけようとするが努力空しく巻き込まれるのがほとんど。
未亡人ながら不自由なく育ててくれた母に楽をさせてあげたいという孝行娘な面があり、玉の輿を目指す理由の一つである。
彼女にも未成年で喫煙・飲酒といった問題シーンが序盤にあった。
玉の輿の必須スキルとして家事全般は得意。一方で学業はイマイチで、本人いわく「赤点がないから美童よりマシ」(美童には「古典さえなければ全体的に可憐より上」と反論されている)
(恐らく玉の輿に乗る為の恋愛研究の一環としてだと思われるが)同性愛についても多少の知識があり、いわゆるBL系と野郎系の嗜好の違いを区別のついていない野梨子に説明したりしたこともある。
美童 グランマニエ(びどう グランマニエ)
CV:子安武人/演:田口淳之介
聖プレジデント学園生徒会書記。
スウェーデン駐日大使の父と、スウェーデン貴族と日本人のハーフである母を持つスウェーデンクォーター。ただ、第1話ではハーフと言う設定だったが、作者本人がソレを忘れていた。
事件の重要人物が女性の場合だと、可憐に代わり彼の出番となる。
「世界の恋人」を自称するだけあって海外旅行先では各地に恋人がいる(可憐とも元はペンパルとして知り合った)。
ナルシストな一面もあり、初恋は自分に瓜二つの王女である。やはり報われなかったが。
他にも何かと色恋沙汰のストーリーに恵まれているが、こちらもこちらで相手が数年~数十年前の絶世の美女だったり、好みから非常にかけ離れていたり、霊的な存在(成仏できない地縛霊や生霊)という女性がほとんど。
運にも見放されており、骨折回数はメンバー中最多で霊媒関連での負傷は悠里に続く。
運動神経がないわけではなく、テニスやスキー、ダンスにフェンシングといった「女にもてる競技」は得意中の得意で、テニスの八百長事件に巻き込まれた際はプレイボーイなりの意地で勝利したこともある。
しかしサバイバビリティが限りなくゼロに近い。
その中性的な容貌から、軽くメイクするだけで完璧に女装できる(もともと長髪なのでカツラも必要ない)為、とあるエピソードでは「男子禁制」の美容施設に(緊急避難的にではあるが)女性のふりをして入り込んだりしたことも。(当人はノリノリでバッチリ寝化粧までしていた)
生徒会メンバーの苗字
いずれも日本酒の銘柄で、これは作者の欲望が前面に押し出された結果である(一条ゆかりは少女漫画作家の中でも最強の酒豪として有名)
例外は美童だが、クォーターである彼の姓「グランマニエ」はフランスのオレンジ・リキュールの銘柄である。