20世紀少年
にじゅうせいきしょうねん
正式名は『本格科学冒険漫画 20世紀少年』で、ビッグコミックスピリッツで1999年から2007年まで連載され、単行本は全22巻。完結編の上下2巻は『21世紀少年』と題名が少し異なっている。
複雑で重層的、レトロな郷愁感とかつて夢見た未来と現実、意表を突いた展開、様々な登場人物を織り交ぜた壮大な長編物語。
数々の各分野賞を受賞し、海外でも高い評価を得た。
映画化の際に一般的によくある内容展開の原作との相違は今作でもあるが、第3部のラストが原作と違っており、多くの出演者の登場とともに話題を呼んだ。
主人公・ケンヂは高度経済成長期の昭和40年代、仲間達とともに未来に夢を馳せ、空想を膨らませた少年時代を過ごす。
・・・時は流れ1997年、大人となったケンヂは、失踪した姉の娘・カンナを育てながら、しがないコンビニの店長をしていた。
ところが身の回りで不可解な事件が多発し、次第に古い記憶を思い出していく中でかつて自分が書いた“よげんの書”と同じ内容が現実に起きていることに気付く。そしてそれらの背後には“ともだち”と呼ばれる謎の存在がいた。
ケンヂは幼なじみ達と共に“ともだち”の野望を止めるために戦いに身を投じていく。
【仲間達】
⇒秘密基地のメンバー
本名・落合 長治(おちあい ちょうじ)
本名・瀬戸口 雪路(せとぐち ゆきじ)
本名・丸尾 道浩(まるお みちひろ)
本名・皆本 剛(みなもと つよし)
本名・福田 啓太郎(ふくだ けいたろう)
本名・子門 真明(しもん まさあき)
本名・今野 裕一(こんの ゆういち)
本名・木戸 三郎(きど さぶろう)
第1章『終わりの始まり』が2008年8月30日、第2章『最後の希望』が2009年1月31日、最終章『ぼくらの旗』が2009年8月29日に公開された。
製作は日本テレビを中心に行われ、監督には堤幸彦、脚本には原作者の浦沢自身も参加した。
原作と異なる展開となる映画について、脚本を手がけた作者の浦沢は「もうひとつの『20世紀少年』として観ていただければと。ただ、映画を見終わったときの“風合い”が原作と同じであれば、観た人は納得してくれると思うんですよ」と語っている。
ちなみに、企画・脚本を担当した長崎尚志は、自身と浦沢の原作チームと映画サイドでは意見がバラバラで毎回激論となり大変だったと証言しており、脚本に関しては、第1章と第2章は脚本段階で約3時間あったものを2時間ほどに収めたものの、最終章は脚本段階で約4時間半あったため、「4部作にして『21世紀少年』やるか」という話も出たという。しかし、結局2時間半に圧縮する羽目になった。(ただ、最終章に関しては「もうひとつのエンディングバージョン」があり、そちらは2時間40分ほどに伸びている。)
- ともだち暦
作中にともだち暦という架空の暦が登場し、ともだち暦3年を2017年と勘違いしている者が多いが、正しくは2018年である(2017年なのは実写版のみ)。
- ダブルミーニング
作品タイトル『20世紀少年』はT.Rexの楽曲『20th_Century_BOY』が由来だが、同時にとある登場人物の事を指している。