※ネタバレが含まれている可能性があります。
概要
本名は服部 哲也(はっとり てつや)
(原作では名字のみが明かされている)
主人公遠藤ケンヂの小学校時代の同級生の一人
“しんよげんの書”の作成者。
人物
聡明だか虚栄心が強く、非常に恨み深い性格。
ケンヂに対しては嫉妬と憧憬が入り混じった感情を抱いており、内心では仲間に入りたがっていたが、自身の虚栄心や自尊心があってか素直に「仲間に入りたい」と言い出せずにいた(ひみつ基地のことを尋ねた際には無視されてしまう)。
ヤマネと共に、ケンヂ達の作った“よげんの書”を真似て“しんよげんの書”を作っていた。
来歴
1969年(小学4年)
ケンヂ達を自宅に招き、漫画を読ませる代わりに仲間に入れてもらおうとするも立ち去られてしまう。
その後、ケンヂ達がいない間に秘密基地に侵入し“よげんの書”を盗み見る。
1970年(小学5年)
「夏休み中は万博にいる」という嘘をつき続ける為、外出時はサダキヨのお面を被るようになる。
何も楽しみがない夏休みに思い出を作るため、首吊り坂の屋敷に巨大なてるてる坊主を仕掛け、肝試しにきたケンヂ達と同行する事でその反応を見ようとするも失敗に終わる。
1971年(小学6年)
夏休み最終日、ヤマネ・サダキヨ(?)の3人で「理科室で首を吊って生き返る」といった奇跡(実際にはトリック)をおこそうとするも仕掛けが外れ失敗する。
1997年〜
小学校のクラス会(同窓会)でケンヂの前に現れ、“血のおおみそか”にも参戦するも、実は……
真実(ネタバレ注意!)
当初は“ともだち”の正体だと思われていたが、原作完全版にて、フクベエ本人は小学校卒業後の春休みに死亡していたことが明らかになった。
そして『漫道コバヤシ』第51回にて、2015年の元日にヤマネに撃たれた人物は影武者である事、“ともだち”が忍者ハットリくんのお面を着用していたのはフクベエと思わせるミスリード(ハットリ=服部)である事が原作者・浦沢直樹氏によって明かされた。
1997年のクラス会と2000年の“血のおおみそか”でケンヂ達の前に現れたフクベエだと思われた人物は、実写版同様にカツマタであったと思われる。
実写版
演:上原陸
映画版では尺の都合や複雑な展開のテコ入れなどもあったからなのか、設定と展開が大きく異なる。
まずフクベエはいつも池上正人と一緒にいる評判の悪いいじめっ子であり、実は小学5年生に急死していた(死因は不明)。
元々ケンヂ達とは親交がなく、時が経つにつれて同時期にフクベエ達からのいじめなどで不登校になっていたカツマタと混同され、いつの間にか人知れずに亡くなったのはカツマタという認識になっていた。
これが判明したのは最終章のラストシーン直前で、しかも記憶喪失となっていたケンヂが流浪の末に記憶を取り戻した際にようやく思い出した事によって判明する。
実写版におけるフクベエの行動や役割(“しんよげんの書”や理科室での首吊り等)はすべてカツマタに置き換わっており、原作と違ってなんの思想も持たない普通の少年となっている。
完全版で明らかになった事実
- 完全版による後付け?
完全版にて明らかになったフクベエの死。これを後付けの設定(映画の逆輸入)とする意見があるが、『漫道コバヤシ』第51回にて、原作者・浦沢直樹氏が最初から“ともだち”はカツマタのみであり、当初からフクベエは小学生の頃に死んでいたと語っている。
- フクベエの死に関する伏線
フクベエがヤマネを理科の実験に誘うシーンがいくつかある反面、カツマタが理科の実験をしているシーンや“好きである”という描写は存在しない。
そのため、本当に理科の実験が好きだったのはフクベエだったと考えられる。
また、11巻にてヤマネの元部下が
「そう……彼(ヤマネ)、こんなこと言ってた……」「小学校の時、仲のよかったコが死んだんだって」「そのコは理科が大好きな子でね」「解剖実験を楽しみにしてたのに、その前日に死んじゃったんだって」「でも彼は寂しくなかったんだ……」「夜ごと学校に忍び込んでは……」「その仲のよかったコの幽霊と、実験を繰り返していたんだって。理科室で……」
とオッチョに語るシーンがある。
つまり、この時点でフクベエが既に死んでいたことが示唆されている。
- 死因
2015年の元日、“ひみつ集会”にてヤマネがオッチョに対し
「“ともだち”は……この理科室で生まれた。いや……死んだと……言うべきか……」
と語っている。
このセリフからは「生まれた=カツマタ」「死んだ=フクベエ」と解釈できる。
そのためフクベエの死因とは、1971年に理科室で首を吊った際に仕掛けが外れたものによるものと考えられる。
また、14巻でヴァーチャルアトラクション内に現れた“ともだち”が「お前はここで死ぬんだ」とフクベエを殺そうとし、止めようとした万丈目には「これが真実だ」と言った。
ちなみにケンヂは「卒業してすぐの春休みに(フクベエは)死んだ」と言っているため矛盾が生じるが、ケンヂは理科室で起きたことの真相を知らない。
その他
- あだ名であるフクベエは彼の本名である服部(はっとり)の読み方を変えた服部(ふくべ)からである。
- 16巻で鏡の中の自分に語りかけるシーンがあるが、これは原作者が少年時代、実際にしていたことである。