概要
なお、創価学会に関しては、創価学会サイドによる大本営発表、日蓮正宗・顕正会・正信会サイドによる攻撃、週刊誌等の飛ばし記事など、どこを向いてもあまり中立な情報が無いため、良い点も悪い点も実態以上に誇張されている傾向にある。
本記事においては、基本的には中立的な立場に則った記述を行うが、一部偏った見解に基づく情報が記述されている可能性があることに留意していただきたい。
学会員数
創価学会は、日本における会員世帯数は約827万世帯と自称している。日本国外では280万人、教学部員数が260万人となっている。
識者が推定した会員数は、資料によって差がある。
・約250万人(1980年・村上重良)
・約500万人前後(1988年・沼田健哉)
・約1,200万人(1995年・米本和広)
・約542万人(1995年・文化庁統計より推定)
・約576万人(2000年・文化庁統計より推定)
・約2,000万人(2006年・島田裕巳)
・約250万世帯(2007年・島田裕巳)
・約280万人(2017年・島田裕巳が大阪商業大学調査より推定)
・約177万人(2018年・島田裕巳が大阪商業大学調査より推定)
・約380万人、日本国民の約3%(2019年・島園進 )
歴史
前史~初代会長時代
元々開祖日蓮は国内の宗教情勢を批判し鎌倉幕府から佐渡に流罪されるなどして闘った人である。その弟子たちが後の日蓮宗を作ることになるのだが、弟子のひとりである日興は主流派と袂を分かち独立、富士大石寺(後の日蓮正宗)を開山。日蓮系教団の中では急進派の存在として知られていく。この経緯からもわかるように、よく混同されるが日蓮宗と日蓮正宗は別物で、仲もあまり良くない。
日蓮宗と混同されることからも分かるように、今の日蓮宗系のほうが圧倒的に多く、戦前までローカルな存在であった。また、現在の日蓮正宗ほど他宗NGではなかったらしい(現在の日蓮正宗は後の破門騒動で創価学会を離脱した日蓮原理主義派を取り込んだことで先鋭化しているところがある)。
「創価教育学会」、後の創価学会はかつてはその「日蓮正宗」の内部信徒団体だった(ただし宗教法人は日蓮正宗とは別に登録していた)。初代会長牧口常三郎は教員であり、創価教育学会は思想運動というところが強く、そのためこのような宗教らしくない名称を用いた。
創価学会は日蓮正宗の中でもさらに急進的で、初代会長牧口常三郎と2代目会長戸田城聖は神札を拒否したことで宗教統制を目指す軍部に逮捕され解散。牧口常三郎は獄死した。
2代目会長時代
戦後になると状況は変わる。比較的新しい鎌倉仏教の系譜ゆえ霊魂や先祖崇拝・自然崇拝といったオカルト要素が薄いこと、他の教団を批判することに躊躇が無いこと、日蓮系教団が軒並み国家主義的な日蓮主義に傾倒していたのに対して創価は戦争に非協力的だったと宣伝できたこと(ただ牧口や戸田の発言にも超国家主義的なところはあった)、日蓮正宗の傘下であるため新興宗教では無いとも言えること、いかにも高度成長期らしい集団主義といった点から、他の新興宗教教団に対して優位に立った。
2代目戸田城聖の時代に「折伏大行進」と称して創価学会は都会の出稼ぎ層などを取り込み、急速に勢力を拡大。巨大組織を作り上げた。この辺のエネルギーは高度成長期ならではであり、多くの新興宗教教祖がこの模倣を目指したが誰一人成功していない(逆に言うと創価学会も高度成長期を過ぎて以降は拡大することは無かった)。
一方、多くの事件も起きた。また、他の宗教を全否定するという教義は神仏習合をやってきた日本では珍しく、恐れられた。
さらに下部組織公明党はかなりの議席数を確保しこちらも恐れられた。宗教への関心が薄れた時代でも創価学会が議論になるのはやはり公明党の存在が大きい。創価学会自体が政治団体のようにすら思われている。
3代目会長時代
3代目池田大作の時代には日蓮正宗との関係も徐々に悪化。日蓮正宗内でも反学会派が出てくるなど一時的に池田は失脚する(第一次創宗戦争)。
ここで日蓮正宗内の反創価学会派が集まり「正信会」というグループが発足するが、日蓮正宗法主・日顕は当初学会に擁護的であり、怒った正信会は分派することになる。
しかしその後日顕と池田の関係はどこかで悪化し、1991年、日蓮正宗法主・日顕から破門され、現在は独立した宗教団体となった。この後10年間にわたり日蓮正宗と泥沼の争いを繰り広げた(第二次創宗戦争)。信者の取り合い合戦では勝利したが、日蓮正宗とそれに連携した週刊誌等からのスキャンダル暴露に晒され大きく評判を損なった。また、創価学会が大石寺に寄贈した施設「正本堂」が破壊された。
1995年にオウム真理教による地下鉄サリン事件が発生するととばっちりを受け、「次は創価学会が糾弾される」というようなことが自民党の一部から言われ出し両者は激突するかに見えたが、なんと連立与党になってしまうという電撃和解をした。
破門後は宗教的な面でアバウトになっており、池田大作と他宗教関係者、有名人・学者との対談企画など他宗教に宥和路線を取るようになった。2015年には、イタリアとインテーサ(宗教協約)を結んだ。「創価学会員は神社の鳥居をくぐらない」「修学旅行の寺の外で待っている」とか言われていたのも過去の話になっている。というのも、学会で禁止されているのは神社や寺に行うさい銭やおみくじといった供養の行為であり、他宗のお祭りの屋台に行くことは容認されているからである。ただ、かつてを知る年配の会員には抵抗感があるかもしれない。
かつて犬猿の仲であった日蓮宗とはある程度交流ができている。しかし日蓮正宗、そして日蓮正宗からの喧嘩別れによる分裂団体である顕正会、正信会とはお互い仲が悪く、元は同一団体だったため教義も近い事もあり信者の引き抜き合いも盛んに行われている。
また、勧誘も強引な手段が多かった昔よりは鳴りを潜めているが、支部にはそれでも勧誘ノルマがあるようである。もっとも、これには2世以降の信者を中心として会員活動にほとんど参加しない幽霊会員が増えているという事情もある。
かつて創価学会の信者であることが公になることはタレントなどにおいても殆どスキャンダルに近い事態であったが、とあるYouTuberの例を境にZ世代の間では創価学会自体がそれほどタブー視されなくなった。
2023年11月15日池田大作が死去に日本のみならず世界中に報道され、創価学会と繋がりある芸能人は元より各地でお悔やみのお言葉を述べられ、葬儀は関係者のみ執り行われた。ちなみに2023年に入ってから幸福の科学の大川隆法や顕正会の浅井昭衛を始め宗教家の訃報が相次ぎ、遂には池田氏の訃報に衝撃的だったのかこれを機に創価を後にしたり、公明党から離党して他の党へ移る者が増え、この先公明党と創価の影響力低下は避けて通れないだろう。
教義
- 仏教が最も勝る。
- 仏教の中でも上座部仏教、大乗仏教があるが大乗仏教が最も勝る。
- 大乗の中でもいろいろ経典があるが法華経が最も勝る。
- 法華経の中でも鳩摩羅什による漢訳版が最も勝る。
- そして、その法華経信仰を守った日蓮が最高の宗教家である。
- その弟子の中でも日興が最も勝る。
- 日興が立てた富士大石寺の教義が最も勝る。
- しかし今の富士大石寺は乗っ取られてしまっているので正統な後継は創価学会である。
という思想構造になっている。
法華信仰のひとつではあるが基本的には法華経よりも日蓮御書を重んじる(これは日蓮系共通の特徴)。さらにこれに加えて小説『人間革命』『新・人間革命』が事実上の経典となっていると言われる。
シンボルなど
シンボルマークは、八葉蓮華(8枚の花弁の蓮華)を図案化したものである。公式では「八葉の花模様が幾重にも広がる様子は一人一人が自身の生命に内在する無限の可能性を開き顕し、また日蓮仏法が世界に流布していく様相を表しています。
更に全体として豊かなふくらみをもっている姿は、功徳に満ちあふれる学会員一人一人の姿を表現したものです。」と意匠について説明されている。
ポールに近い順から青・黄・赤で構成される三色旗が学会の象徴として用いられており、各会館や会員の葬儀などで見ることができる。それぞれ青は「平和」、黄は「栄光」、赤は「勝利」を意味したもので、創価学会の「一人一人の幸福と平和の実現を目指す」という理念を示しているとのこと。中央部分に上述のシンボルマークが用いられることもある。
婦人部においては、青は「福運」、黄は「求道」、赤は「和楽」を、聖教新聞社においては、青は「広宣流布」、黄は「知性」、赤は「太陽」を示す。系列校である創価学園においては、学園のモットーに当てはめて青は「英知」、黄は「栄光」、赤は「情熱」となっている。
チャドやルーマニアの国旗、また韓国の伝統的な配色方式である「五方色」などと似ていることが度々ネタにされるが、特に関連は無いとのこと。
活動
法華経に帰依するため毎日お祈り(勤行)をして「南無妙法蓮華経」と唱えれば、仏の加護によって良いことが起きる。
実際に良いことがあれば修行が足りているということだし、これでも悪いことがあれば修行が足りないということになる。
高度成長時代は基本的に良いことのほうが多かったためこのシンプルな教義は人気があった。しかし21世紀日本ではこの教義は厳しいところがあるだろう。
創価学会は日蓮正宗と分離したため葬式は僧を呼ばず「友人葬」で行う。墓も伝統的スタイルとは異なる独特のスタイルになっている。
会員の奉仕活動
信者の中には大企業の経営者などとして力を持つようになった者も多く、また系列の学校創価学園は幼稚園から大学まである。アメリカにも創価大学はある。聖教新聞や公明新聞と言う新聞を発行している。テレビ業界へもスポンサーとして出資している。
信者の芸能人・芸術家で組織する「芸術部」があり、所属する芸能人で熱心な者達が広告塔として機関紙やシナノ企画の広報DVDによく出演している。ちなみに信者である芸能人は学会内では特別扱いかと思われがちだが、実際は他の信者達と対して扱いは変わらない・他の信者からしても一般信者と対等視されているとの事。
ただし、広報ビデオや機関紙に登場したからといって必ずしも学会員というわけではないと見られる。
関連タグ
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