概要
狭義では身延山久遠寺を本拠とする宗教法人日蓮宗(いわゆる「身延系」)を指すが、日蓮系宗派(法華宗、法華系仏教)全般を指すこともある。いずれも「南無妙法蓮華経」という題目をとなえること(唱題)を重視する。全体的な傾向として、開祖である日蓮の言動を反映して、「社会を良くする」「国家の独立を守る」ことを主張する社会派・行動派が多く、政治的主張が強めである。
余談ではあるが、大石寺を含め、身延線沿線には身延山久遠寺や富士大石寺顕正会を含めて日蓮系の団体が多い。
分派
日蓮系の宗教団体の中には日蓮正宗や本門仏立宗のように、入信にあたっては他宗派のお守りを捨てさせるなど過激なところもあったり、同じ日蓮宗系でも物凄く仲が悪くお互いを機関誌等で罵り合う宗派同士もあったりする。
特に仲の悪さが激しいのは日蓮正宗とその分派である創価学会、冨士大石寺顕正会、正信会の4団体であり、信者の引き抜き合戦・機関誌での批判合戦は、現在も続いている。この4団体は「富士門流」とも呼ばれる。
このような日蓮宗系宗派の頑なさ、過激性は現代に始まった話ではなく、開祖の日蓮自身も「人々が法華経を信じずに浄土宗などの邪法を信じていると、災害が打ち続き、外国からの侵略に遭う」(その後実際に元寇が起った)と主張し、他宗派からの反発を招いて流罪になったりしている。
また、日蓮は法華経を広める者は法難に遭うとも説いており、他宗派からの反発や迫害を受ける事が却って法華経の正当性を示していると確信し一層頑なで過激な布教を行うようになっていた。
ただしこうした攻撃性も宗派によっては軟化しており、「身延系」は比較的そのあたりは穏やかである。
また、戦前においては天皇を日蓮宗に帰依させようとする運動が盛んであり、いくつかの団体は「国立戒壇」=日蓮宗国教化を悲願としている。現在も霊友会、立正佼成会、創価学会などが政治に大きな影響力を持つ票田となっている。日蓮系の右翼団体もいくつかある。
著名な法華系信者(創価学会系を除く)
宮沢賢治 石原莞爾 石橋湛山 川内康範 美輪明宏 津川雅彦 緒形拳
三代目三遊亭圓歌:出家して僧侶(中澤圓法)に。