略歴
東放学園専門学校放送芸術科卒業。
1985年、ディレクターとしてテレビ業界に入り、PVなどを手がける。1988年、『バカヤロー!私、怒ってます』第4話「英語がなんだ」で劇場映画監督に。
90年代後半から『金田一少年の事件簿』(1995-1997年)、『ケイゾク』(1999年)といったヒットドラマにおける堤特有の演出が、当時の若者層を中心に支持を得て一躍売れっ子演出家となる。映像作品のほか、舞台演出も行う。
オフィスクレッシェンド取締役。
作風
いわゆる"堤色"が強い作品としては、『ケイゾク』『TRICꞰ』『SPEC』あたりが挙げられる。いずれも映画化したヒット作で最後に「ク」がつく。
- 自然主義的なドラマ作りからは真っ向に反して、アンリアルなものを露骨に配置し、画面内だけで成立する独自の世界観を作り出す。
- PVの演出方法を持ち込んだかのような、カットの多用。どんなに世界観が破天荒でもスタイリッシュに決める。
- 登場人物たちの、あまりに漫画的な設定、言動。女優を萌えキャラにするのが異様にウマい。
- カメラワークや効果音を使った、漫画的な演出。重要な部分や心境の変化をクドいくらい強調する。
- 画面の端々に小ネタを差し込む。裏番組をいじるネタ(なんどめだナウシカ)や、漫画・アニメのパロディ、シャフト制作アニメに通じる文字ネタ、中の人ネタなど。
- コメディの要素があっても完全には振り切れず、悲劇的、あるいはホラー的、オカルト的な要素が挿入される。
- 再三に渡る予告詐欺。「続編やりたい」→やる。「映画化しない」→する。「さらに続く」→続かない。
人物
- 基本的に請けた仕事を断らず、納期を必ず守るというスタンスから、ジャンルを問わずさまざまな作品を残す。それゆえ人脈が広く、有名人が特別出演することも多い。
- 見た目が漫画家のやくみつるに似ており、よく間違えられる。
- 学生時代はロックンロールに明け暮れたギター小僧だった。そのため、『BECK』映画化のオファーが来たときは少年のように喜びまくったらしい。
- 漫画の実写化を行う際は「原作原理主義」を心がけており、いかに原作の構図を忠実に再現するかに心血を注いでいる。
作品
ドラマ
※太字は映画化したもの。
『ポケベルが鳴らなくて』1993年
『金田一少年の事件簿』第1シリーズ(1995年)/第2シリーズ(1996年)
『ぼくらの勇気 未満都市』1997年
『サイコメトラーEIJI』第1シリーズ(1997年)
『ケイゾク』1999年
『プリズンホテル』1999年
『池袋ウエストゲートパーク』2000年
『TRICꞰ』2000年/2002年/2003年
『ハンドク!!!』2001年
『愛なんていらねえよ、夏』2002年
『Stand Up!!』2003年
『世界の中心で、愛をさけぶ』2004年
『H2~君といた日々』2005年
『下北サンデーズ』2006年
『スシ王子!』2007年
『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』2010年
『家族八景 Nanase,Telepathy Girl's Ballad』2012年
『永沢君』2013年
『スターマン・この星の恋』2013年
『ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~』2015年
『神の舌を持つ男』2016年
『視覚探偵日暮旅人』2017年
『Get Ready!』2022年
映画
※ドラマの劇場版は省略。上記の太字を参照。
『新生トイレの花子さん』1998年
『CHINESE DINNER』2001年
『溺れる魚』2001年
『ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』2002年/2004年
『恋愛寫眞』2003年
『サイレン ~FORBIDDEN SIREN~』2006年
『明日の記憶』2006年
『大帝の剣』2007年
『包帯クラブ』2007年
『自虐の詩』2007年
『20世紀少年』2008-2009年
『まぼろしの邪馬台国』2008年
『BECK』2010年
『はやぶさ/HAYABUSA』2011年
『平安結祈 heianyuki』2012年
『MY HOUSE』2012年
『エイトレンジャー』2012年
『エイトレンジャー2』2014年
『くちづけ』2013年
『悼む人』2015年
『イニシエーション・ラブ』2015年
『天空の蜂』2015年
『真田十勇士』2016年
『人魚の眠る家』2018年
『十二人の死にたい子供たち』2020年
『ファーストラヴ』2021年
『夏目アラタの結婚』2024年
関連タグ
堂本剛:『金田一少年の事件簿』、『僕らの勇気 未満都市』で主演を務めた。
中谷美紀、渡部篤郎:『ケイゾク』のコンビとしてW主演を務めた。
宮藤官九郎、仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久:『TRICꞰ』の出演者。