概要
『Get Ready!』は、2023年1月~3月にTBS系列の日曜劇場枠で放送されたテレビドラマ。主演は、妻夫木聡。メイン演出は、同局のドラマ『SPEC』や『神の舌を持つ男』を担当した堤幸彦。
登場人物
闇医者チーム
多額の報酬と引き換えに手段を選ばず患者の命を救う謎の医療チーム。報酬については患者の全財産について予め調査した上でそれぞれ違った額を請求している。千代田医科大学附属病院や政府内の省庁、警察からは"仮面ドクターズ"とも呼ばれる。
警察の捜査で正体が知られてしまったため、一時的に解散。一年後、規模を縮小する形で再結成した。
波佐間永介
演:妻夫木聡
天才的なオペ技術を持つ執刀医。通称:エース。
昼間は洋菓子店「カーサブランシェ」を営んでおり、そこでパティシエを務めている。
患者に対しては「生きる価値があるかどうか」を問い、自身が納得する答えを出した患者しか治療しない屁理屈な性格をしている。
第6話で本名が「天野真一」であることが発覚し、彼を白瀬がドイツで死亡扱いした上で現在は譲が用意したマサチューセッツ大学卒の日系アメリカ人二世の偽の身分を騙っていることが判明した。
第8話にて、13年前、大和医科大学附属病院副院長・真田博の下で働いていたが、「オペは完治の入り口でしかない」という教えに共感できず、千代田医科大学附属病院へと籍を移し、千代田医大心臓外科のエースとして活躍していたこと、大手不動産会社社長・堂前隆文の手術に関する臓器横流しの件で無実の罪を着せられて逮捕されていたこと、担当患者であった坂本青葉を救えなかったことが明らかとなり、恩師である真田が亡くなってしまったことで彼に恩を返せないままとなってしまったことを後悔し、彼の遺志を受け継いで闇医者となった経緯と剣持との因縁が語られた。
第9話では、因縁の相手であった剣持に対して罪を告白させて復讐を完遂したが、剣持の娘・玲於奈の手術に関する交渉を巡って譲と対立し、彼と喧嘩別れすることになった。
上述の経緯からか、最終話で患者として依頼を引き受けた同じ症例を持つ少女への手術を躊躇し、トラウマとなっていたが、青葉の母親と再会したことで「生命と向き合うこと」の大切さをもう一度噛み締め、克服することができた。
その後、闇医者チームの一時解散を宣言し、譲の手引きでアメリカ合衆国に医師として渡米することとなり、一年後に日本に帰国。闇医者チーム再結成を宣言した。
下山田譲
演:藤原竜也
オペ患者との交渉役。通称:ジョーカー。
普段は国際弁護士として活動している。過去に急性壊死性膵炎を患い余命1ヶ月と宣告されたが、永介に救われたことで彼と親交を深め、現在では彼の性格に毎回振り回されながらも交渉に励んでいる。
離婚歴もあり、元妻からは息子の小学校受験における裏口入学を理由に大金をせがまれていたが、その裏口入学自体がおじゃんとなったため、何とか危機を脱した。一応、息子との関係は良好らしい。
白瀬の才能を見出したのも彼であり、永介から勝手に「教育係」扱いされているが、ちゃんと責任を持って白瀬を指導している。
第9話では、高城にアメリカでの闇医者チームの活動がバレてしまったことでチームの中で最初に自身の正体を勘づかれてしまい、聴取を受けた。そのため、剣持の娘・玲於奈の手術に関する交渉を巡って強引なやり方による危険性を主張したことで永介と対立し、彼と喧嘩別れすることになった。
その後、任意同行され、他の3人との関係を指摘されたものの、「仲間たちと依頼人の生命を保証し、仲間の罪を免責する」という取引を持ちかけ、偽のアジトの場所を警察に教えたことで仲間たちの最後の依頼の完遂に貢献したが、最終的に逮捕されてしまい、刑期1年で出所。その後、闇医者チームの再結成を了承した。
依田沙姫
演:松下奈緒
オペナース。通称:クイーン。天才的なオペ技術を持つ永介について来れる程の腕前を持っており、譲も「異次元」「天才」と称している。また、非常事態の際には彼女も執刀及び医療行為が可能。この理由に関しては譲曰く「エース(永介)の元で鍛え上げられた」らしい。ただ、忖度を気にせず言いたいことをズバズバ言う性格であり、特に永介や譲に対してはかなり毒舌を吐くこともしばしば。
かつては大手企業のジュエリーデザイナーとして人工ダイヤの研究をしていたが、人工ダイヤ製作の成功をきっかけにダイヤモンド市場の均衡崩壊を恐れた裏社会の人間たちから命を狙われるようになり、そこから逃れるために永介に顔を整形してもらい、名前も変えて「依田沙姫」として第二の人生を歩き始めた。
白瀬剛人
演:日向亘
天才ハッカー。通称:スペード。海外で軍用機として使用されているドローンを魔改造した改良品を扱ったり、世界中の防犯カメラをハッキングしたり、世界中の至る所の会話を傍受したりすることができる程の天才的な腕前を持つ。ただし、未成年であるため他の3人と異なり、当然お酒は飲めない。高校時代まで祖母と暮らしていたが、祖母の死をきっかけに高校生活での意義が見い出せずに退学。その後、譲にハッカーとしての才能を見い出されて闇医者チームに加入した。未成年であるが故に他の3人とは違い精神的に未熟な面が多く、物事を割り切れないところもあるが、それでも自身の大切な人や患者を救おうとする強い姿勢は3人と変わらない。
「あがい」という方言が自然に出ていたことから、沖縄県宮古島出身と思われる。
闇医者チームの関係者
運転手
演:???
譲から金で雇われている医療用大型車の運転手。常にサングラスを掛けており、現時点で名前、素性は一切不明。寡黙ながらもクールな性格であり、気遣いも完璧。公式サイトでは「謎の配達員」「謎の運び屋」と表記されており、仮称すら定まっていない。
千代田医科大学附属病院
作中で最も権威のある大病院。しかし、手の施しようのない患者を見捨てることが多く、その患者を闇医者チームに取られて治療されてしまうこともしばしば。そのため、院長の剣持は彼らを敵視している。
剣持理三
演:鹿賀丈史
千代田医科大学附属病院院長兼理事長。闇医者チームを「医療業界の聖域を犯す者たち」として敵視している。
自分の出世の障壁となる者はどんな手を使っても蹴落とすというかなり狡猾な性格であり、過去に臓器の横流しを自作自演し、天野こと永介だけでなく彼の恩師である真田をも陥れた末に理事長に就任したことが第8話で明らかになった。
第9話にて、娘・玲於奈を救うため自身の過去の罪を全て告白し、警察の事情聴取を受け、逮捕されることとなった。
剣持玲於奈
演:結城モエ
剣持の娘であり、剣持の秘書。外科医の慈恩と婚約している。第9話で末期のスキルス性胃癌・腹膜播腫を発症し、命の危機に瀕していたが、父である理三が自身の過去の罪を全て告白したことで永介が了承、手術を受け完治した。
染谷慈恩
演:一ノ瀬颯
千代田医科大学附属病院の外科医。院長令嬢である玲於奈の婚約者。捜査一課と協力して独自に闇医者チームの真相を探ろうとするが、内部情報を横流しした件で剣持の逆鱗に触れ「次は無い」と釘を刺された。その後、婚約者・玲於奈を救うために剣持に「闇医者チーム」への依頼を進言するが、一度は断られてしまう。その後、剣持が改めて「闇医者チーム」に依頼することを宣言したため、彼に協力し、引き渡しを行った。
橋元芙美
演:橋本マナミ
千代田医科大学附属病院の外科医。闇医者チームに興味を持ち、剣持の目を盗んで噂話を広めている。
警視庁特務捜査課
副総理である羽場の命令で闇医者チームの逮捕に乗り出す。
佐倉亮一
演:矢島健一
特務捜査課課長。羽場の命令を受け、闇医者チーム逮捕に乗り出すために捜査を開始、第8話にてついに天野が永介であることを掴んだ。
その他
羽場一郎
演:伊武雅刀
副総理。脳神経を断裂し、千代田医科大学附属病院に搬送され一命を取りとめるが、二度と歩行できないと剣持院長に宣告される。
闇医者チームに目をつけられるも、命の危機に瀕してもなお態度・生き方を改めようとしなかったため、永介が「救う価値無し」と判断し、治療を受けることはなかった。
その後、自身を侮辱したことを理由に闇医者チームの逮捕を佐倉に要請した。
POC
演:三石琴乃
中華街の一角に店を構える占い師。占いに関してはすべて時価であり、彼女の気分次第で高額の料金を支払う羽目になることが多い。毎回うさ耳を付けている。
嶋崎水面
演:當真あみ
「カーサブランシェ」に足しげく通う女子高生。パティシエ・永介と彼が作るケーキの大ファンで、時に永介を困惑させることもある。
元パティシエの父親から虐待を受けているが、水面は事故による後遺症で右腕が思い通りに動かせないことに父親が苦悩していたことを知っていたため、複雑な心情を抱いており、「あの頃の父は戻って来ない」と半ば諦めのような状態であった。しかし、父親の自身に対する想いを知ったことで闇医者チームに父親の治療を懇願した。
高城秀和
演:沢村一樹
警視庁副総監。高い洞察力の持ち主であり、闇医者チームのアメリカにおける活動から早い段階で譲が「ジョーカー」であると推測し、彼に任意で聴取を行い、闇医者チームを追い詰めたが、譲との取引に応じて他の3人の罪を免責し、依頼人の生命を保障した。
余談
- POCが占いの際に発する呪文「ヨキオシオテツワカニキツ」だが、これは演者である三石氏がCVを担当した『美少女戦士セーラームーン』の主人公・月野うさぎの決め台詞である「月に代わっておしおきよ」を逆さ読みしたものである。
- 上述のうさ耳もおそらく月野うさぎから「うさぎ」を連想させた結果の演出と思われる。
関連タグ
ブラック・ジャック:永介の髪の色や法外な医療費を請求する闇医者という職業、永介の名字が(漢字が違うものの)「ブラック・ジャック」の本名である間黒男と同じく「はざま」である点など共通する点が多い。