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プロフィール編集

生年月日1971年3月9日
出身地長崎県長崎市
身長170→172㎝(※)
体重61㎏

※長らく身長は170㎝と公言していたが、2022年7月に人間ドックで測ったら172㎝であることをスペアバイク公式ファンブック(の折り返し及びあとがき)で明かしている。本人曰く記憶違いであって、伸びたわけではないとのこと。


概要編集

渡辺航は長崎県長崎市出身の漫画家。

代表作として「弱虫ペダル」と「まじもじるるも」があり、弱虫ペダルは秋田書店週刊少年チャンピオンで2008年より連載中の本編(以下特記なき場合、週刊連載版を無印と称す)と、2012年より複数媒体での不定期連載ののちに別冊少年チャンピオンにて2014年より定期連載となった「SPARE BIKE」がある。

一方、まじもじるるもは2007~2019年の間講談社月刊少年シリウスにて連載された。

これら2作は共にテレビアニメ化を果たしたヒット作品である。


漫画家になりたいと思ったきっかけの源流は、小学2年生の時に読んだ鳥山明Dr.スランプの単行本を読んで感動したことからである(長崎大生とのインタビューより))。このため、鳥山を尊敬する人物として挙げている。余談だが、持ち込み時代に打ち合わせで集英社(少年ジャンプ編集部)に来ていた鳥山からサインをもらっていたとのこと。


3人きょうだいの次男(兄と妹がいる)。



経歴編集

デビュー~不遇の時期

現在でこそ売れっ子漫画家の一人であるものの、デビューしたのは1986年、つまり「まじもじるるも」の連載開始(2007年)から20年以上も前である。

当時は15歳という若さでプロデビューを果たし、集英社の赤塚賞も何度か受賞した。長崎大学卒業後地元企業に就職するも漫画家の道を目指すため上京、週刊少年ジャンプ誌で数本の読み切りを掲載したが連載を取ることは出来なかった。このときに「青年誌を紹介します」と言われて「自分は本当は何をやりたい?」と考え続け、半年もの間描けなくなったことをのちに明かしている。


それからしばらく経過した2001年にマガジンSPECIAL(講談社)において「サプリメン」(ナツメハルオ名義)でようやく連載デビューとなったが打ち切り。単行本すら発売されなかった。

この頃に漫画家になる夢を諦め、長崎放送に美術部スタッフとして入社したが、それでも漫画家の夢を諦められず、入社1年足らずで退社した。


2002年にチャンピオンRED(秋田書店)にて「制服ぬいだら♪」を連載開始する(全5巻)。

2005年に同誌での「電車男~でも、俺旅立つよ。~」の連載開始に伴い、「制服ぬいだら♪」は連載中断。第一部完とされていたが、単行本が売れていないことを理由に打ち切りとされてしまった。(この影響で単行本に掲載されなかった話があった)

その「電車男」も第3巻で打ち切りとなり、しかも終盤では編集部のミスにより掲載話数が逆になるという前代未聞のミスが発生してしまう。


2006年に週刊コミックバンチ(新潮社)にて「ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。」を連載。全4巻。作者曰くもっと描きたかったとのことだが、単行本の1・2巻が売り上げ不振だったことが影響している。


このように漫画家の中でも史上稀に見るほどの悲運をくぐり抜けてきた作家の一人である。


転機

2007年に「まじもじるるも」が読み切りとして月刊少年シリウス7月号付録小冊子に収録、当初渡辺は本誌収録でないことに落胆していたものの、その後10月号に本誌への再掲載となり、翌月号から連載開始。のちにシリウスの看板作品となるまでになり、2019年8月号の連載終了まで12年にわたる長期連載となった。


2008年に「弱虫ペダル」が連載開始、自身にとっては念願の少年漫画誌での週刊連載作となる。

同年「制服ぬいだら♪」の単行本が講談社シリウスKCから再発売、単行本未収録となった話や月刊ヤングマガジンに掲載された読み切り作が収録され、無事に全6巻を刊行。なお「制服ぬいだら♪」の再販版が秋田書店ではなく講談社からの発売になった理由は、前述の単行本が売れていないことによる打ち切り宣告されたときに読み切りや再開があっても秋田書店からの6巻発売はないと言う上層部の判断によるもので、これはチャンピオンRED編集部でもどうすることもできないことだった。


2009年には自身のブログをアメブロに開設。2011年には東日本大震災のチャリティーの一環として、イベント会場等で直筆サインを入れた弱虫ペダルのサコッシュの販売を開始、収益は全額日本赤十字社を通じて寄付をしており、2021年に長崎市長より、2022年には日本赤十字社より表彰もされている。


2012年には「弱虫ペダル SPARE BIKE」がスタート(定期連載は2014年より)。更に前述の「華咲探偵事務所」が「月刊コミック@バンチ」に掲載された描きおろし特別編をプラス収録した新装版の「はなたん-華咲探偵事務所-」として全3巻発売される。


2013年には「電車男」の新装版が少年チャンピオンコミックスより上下巻で発刊。表紙レイアウトを弱虫ペダル単行本と合わせている。さらに同年に「弱虫ペダル」、翌年に「まじもじるるも」がアニメ化される。


2015年には「弱虫ペダル」が講談社漫画賞の少年部門を受賞、秋田書店作品で同賞を受賞したのは第1回に手塚治虫が「ブラック・ジャック」で受賞して以来という快挙でもある(2010年にもノミネートされたものの受賞には至らなかったが、そのノミネートも秋田書店作品全体として実に30年ぶりであった)。さらには、自転車活用推進研究会が2年に1度、自転車活用の模範となるような著名人を選ぶ自転車名人の6代目に選ばれている。


2023年には「弱虫ペダル」82巻発売と合わせて、前述の「はなたん-華咲探偵事務所-」が新たに「はなたん-ココは華咲探偵事務所♪-」のタイトルで少年チャンピオン・コミックスより電子書籍版として再発された。内容は新潮社刊の新装版と同じ全3巻ではあるが、このほかに1話毎の分冊版も発売されている(分冊版の表紙は全て単行本1巻のもの)。


現在

2024年現在『弱虫ペダル』シリーズは週刊及び別冊少年チャンピオンの看板作品の一つで、週刊連載の無印は1969年の週刊少年チャンピオン誌創刊時からの単一タイトル作(※1)での最長連載作(2023年末発売号時点で756話+番外編5話(※2))でもあり、単行本も2024年1月にシリーズ通算100巻に到達し、2024年11月時点で無印92巻、スペアバイク13巻が刊行されている。

そして、それまで週刊少年誌の中でマイナーなイメージが拭えなかった週刊少年チャンピオンを週刊少年ジャンプのようなメジャーとまではいかなくても、それに近い存在にまで引き上げたといっても過言ではない。


かなりの遅咲きだったが、デビューから30年以上も諦めず、漫画家として頑張ってきた彼の更なる活躍にこれからも期待したい。


※1:途中でタイトル変更をしていない作品のこと

※2:番外編は単行本78巻以降の巻末に不定期収録の「○○.5話」作品を指す


作品一覧編集

渡辺航名義

24日は送別式(第31回赤塚賞佳作、1989年)

制服脱いだら♪(チャンピオンRED連載、2002年)

アフロスピード(別冊ヤングマガジン、2004年)

電車男 でも、俺旅立つよ。(原作・中野独人、チャンピオンRED連載、2005年)

ゴーゴー♪こちら私立華咲探偵事務所。(週刊コミックバンチ連載、2006年) ※単行本再販での改題あり

まじもじるるも(月刊シリウス連載、2007年)

弱虫ペダル(週刊少年チャンピオン連載、2008年)

弱虫ペダル SPARE BIKE(別冊少年チャンピオン連載、2012年) ※定期連載は2014年


五原朋明名義

遅刻教師(第35回赤塚賞佳作、1991年)


夏目春夫名義

地球が征服されるとき(第36回赤塚賞順入選、1992年)

ウルトラガール(週刊少年ジャンプ増刊Spring Special、1993年)


ナツメハルオ名義

MY SWEET HOME(週刊少年ジャンプ増刊Summer Special、1996年)

サプリメン(マガジンSPECIAL連載、2001年 初連載作)


その他

原作、扉絵、単行本カバー等の挿画

弱虫ペダル公式アンソロジー 放課後ペダル(月刊プリンセス連載、2014年)

弱虫ペダル公式アンソロジー 放課後ペダル ハイケイデンス(月刊プリンセス、2023年)


トリビュート

ドラえもん「のび太のさがしもの」(藤子・F・不二雄トリビュート&原作アンソロジー F THE TRIBUTE、2024年)


挿画

業界一の自転車バカに訊けシリーズ(著:菊地武洋、小学館)




出演編集

浦沢直樹の漫勉neo(NHKEテレ、2022年3月2日)

漫画家・渡辺航が語る 〜ラジオ・ツール・ド・弱虫ペダル〜(文化放送、2015年12月31日)

BiCYCLE CLUB 2015年11月号 表紙&インタビュー(枻出版社)…他



作画スタイル、こだわり編集

作画についてはフルアナログで基本一人で行っており、背景までも自身で作画し、その後の仕上げ(ジャージのロゴ入れやベタ・トーンなど)をアシスタントに任せている。近年は作画に使うペン先の需要減少と品質低下から、2005年以前のペン先を探していることをスペアバイク9巻カバー折り返しにて語っていた(この呼びかけで多数のファンからの差し入れ等で集まった模様)。


カラーページ等では緊張感が大事という考えから、塗りの失敗の許されない透明水彩絵の具を使用している。


本人のこだわりとしては「マンガにルビがついていてほしい」と常々思っているとインタビューで明かしている。実際に「華咲探偵事務所」が青年誌連載で、セリフにルビがなかったことに寂しさを感じたというほど。


所有車輛編集

自転車はロードレーサー・MTB等複数台の車両を所有しており、一番新しく購入した車両はTREKのEMONDA SLRの白車体/赤ロゴの車種で、機械式のディスクブレーキとワイヤー式のシフトを選択している(単行本84巻折り返し&巻末より)。


このほかに、自動車はスバルWRXケーターハム・スーパーセブン(スーパーライトR200)を所有。

スーパーセブンは弱虫ペダルの連載が始まって6年ごろに購入。快適装備を排したモデルで走りは楽しかったが、連載が多忙になったことをメインに様々な事情が重なったことで、現在は車検切れを期に動かしていない。そのため普段の移動にはWRXを使用しているとのこと(単行本85巻巻末より)。


その他編集

漫画を描く傍ら自らも自転車での長距離旅やレースに出場したり、「弱虫ペダルサイクリングチーム」の監督を務めるなど、その活躍は多岐にわたる。インタビューやTV出演などで顔出しする際はほぼ必ず上に総北ジャージを着ている。このほかにも「ペダルナイトONLINE」というトークライブも不定期に開催している。


渡辺自身は個人のTwitterアカウントを持っておらず、本人の情報発信は前述の通りアメブロがメインとなっている。弱虫ペダルのTwitterアカウントもアニメ版もしくは秋田書店公式からの発信が多かったが、2021年12月にアニメ5期発表に合わせ週刊少年チャンピオン編集部の管理による公式アカウントを開設。作品関連の情報のほか、渡辺のブログの更新情報などがツイートされている。


関連タグ編集

漫画家

※同名のエロ漫画家わたなべわたるもいる。


参考リンク編集

渡辺航と長崎大学生とのインタビュー

少年スポーツ漫画の傑作「弱虫ペダル」が生まれるまで ~不屈の漫画家:渡辺航~

あの名勝負の誕生秘話からケイデンスの出し方まで!「弱虫ペダル」渡辺航が1万字超えで語る連載14年間の裏側(コミックナタリー)


外部リンク編集

「弱虫ペダル」今日も全力で走ります!!

渡辺航 (漫画家) - Wikipedia

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