概要
小~中学生という多感な時期に漫画や小説などの創作活動を行っていると、作者が主人公に過剰に自己投影・感情移入してキャラ作りを行なってしまうケースが多くなりがちである。
その主人公を通し擬似的な万能感を求めるあまりに、主人公に無理のある設定をいくつも持たせて作品世界で無双させるのは誰もが通る道だったりする。
厨設定の例
- このキャラは最強・チートである。「俺TUEEE」。理由は作者がそう決めたから。
- この世に存在するありとあらゆる兵器をもってしてもこのキャラを殺すことは不可能。
- ありとあらゆる種類の魔法や超能力を操る。
- ありとあらゆる種類の格闘技・拳法を極めている。あるいは自己流の格闘術を使う。
- 世界中の誰よりも頭がいい。
- 美術、音楽、建築、料理、文学、数学、科学、化学、軍事など、あらゆる分野に精通している。
- このキャラの戦闘力を数値で表すなら無量大数。
- 生まれながらに完成した完璧な美貌を持つ。出会った異性は全員メロメロ。
- 個人で暗殺業を請け負っていて、学生の身分で莫大な資産を持っている。
- FBIやCIAに知り合いがいる。というか偉そうな奴はだいたい友達。
- 実は世界を裏から動かしている。またはそういう組織を束ねている。
- 異世界や過去や未来にも飛ばされ、様々な功績を打ち立てた。
- 神とか悪魔とかもダース単位でぶっ飛ばしている。
- 創造主的な存在の末裔で、最終的にはそれをぶち倒して新創造主的な存在になる。
……このように厨設定を持たされてしまったキャラは非常に扱いが難しくなる。厨設定を持ったキャラを好き勝手暴れさせれば「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」と皮肉られ、逆に設定を盛るだけ盛って活用しなければ「なんのためにそんな設定をつけたんだ」と批判を浴びるからである。ストーリー作りに慣れるまでは設定をほどほどに見積もるのが無難だろう。
とはいえ、厨設定はそれ自体が必ずしも悪いものとは限らない。主人公が最終的に液化回避・絶対防御・太陽光吸収による再生回復を会得し、一つの国家をほぼ単独で滅亡に追いやった『仮面ライダーBLACK RX』のように、冷静に考えれば無茶な設定を大量に盛り込みながらも、ヒットを飛ばし人気を得た作品も数多く存在している。
また最強設定=厨設定とも限らない。主人公が最強だからこそ話が成り立つ作品もあるため。
要は、安易なだけで終わらせないキャラクター作りのセンスと、それをうまく活かせるだけのストーリー構成力(説得力)があるかどうかによって、作品の質も変わってくるというわけである。
厨二病との関連について
厨とつく厨設定だが、厨二病(=中二病)は「他人とは違う俺カッコイイ病」であるため、患者からはこうしたありがちな最強キャラを皮肉るような属性も人気がある(例えばキリコ・キュービィーは毎回死ぬ寸前まで痛めつけられる、高性能専用機ではなくオンボロ量産機を好むなど「反・厨設定キャラ」としての属性も持つ)。
物語自体の反・厨設定展開としては、「超能力者なぞ認識外からの狙撃で余裕」「単体でしかない超人なんて組織の前には無力」といった力関係にされる場合もある。「地球なめんなファンタジー」の項目も参照。
また、もっと直接的に「自分は厨二病などではないし厨キャラなどにも興味はない」と言わんばかりに作中で厨設定キャラをモデルにしたキャラを出してボコボコに〆る、というパターンも二次創作などでは人気がある(いわゆるキャラヘイトに近い)。
これらは高二病や高二キャラという分類もできるかもしれないが、いずれにせよ厨二病=厨設定=最強キャラと考えると語弊があるので注意が必要である。
関連タグ
メアリー・スー(二次創作用語) チートキャラ ぼくのかんがえたさいきょうの