概要
『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』に登場した乙女ゲーム(いわゆる劇中劇)で本作の主人公(二つ名「野猿」)が、攻略に勤しんでいたが完全攻略前に死んでしまった。
そして野猿の死後、魔法学園の卒業後を描いた続編『FORTUNE・LOVER Ⅱ』が制作されていたことが文庫6巻で明らかにされた。
ストーリー
舞台は中世ヨーロッパ風の世界で、魔力を持つ者は15歳になると力を扱えるようになるために、学園に集められ学んでいく。本来魔力は貴族にあるのだが、ごく稀に平民の中にも魔力を持つ者が生まれる。そして、その学園に10年ぶりに入学する平民出身の明るく元気なヒロインが、貴族の子女ばかりの魔法学園で4人の攻略対象の貴族男子たちと恋模様を繰り広げる1年間を描く。
登場人物
ヒロイン
物語のヒロインでゲーム操作者のプレイングキャラクター。光の魔力を使える希少な人物であり、平民出身ということもあって学園では目立つ存在。前向きな努力家で、成績も優秀。攻略対象ごとに登場するライバルと対峙することになるが、特に悪役令嬢からは犯罪まがいの仕打ちまで受ける受難の人。
続編『Ⅱ』でも引き続きヒロイン(プレイングキャラクター)として続投。魔法学校卒業後、成績の優秀さから国の機関である魔法省に入庁する。前作の攻略対象の再攻略に加え、新たに知り合うキャラも攻略することに。再びライバルたちと対峙する上に、自らに絡む「謎の女」の存在にも悩まされている。
カタリナ・クラエスにとっては転落の1年間のトリガーであり、最大の破滅フラグ。
Ⅰの攻略対象
国の第三王子である金髪碧眼の美男子。アランの双子の兄。幼い頃から何でもできてしまう要領のよさゆえに、面倒な貴族社会で退屈な日々を送っていた腹黒ドS王子。学園で迷子になったヒロインが現在位置を確かめようと木に登っていたところへ通りかかり、興味を引かれて親密になっていく。婚約者であるカタリナのことは、他の令嬢を追い払う防波堤くらいにしか思っていない。
攻略難度が高く、むきになった野猿がやっとルートをクリアしたのは事故の日の明け方だった。
クラエス公爵家の末端の分家の当主と娼婦との間に生まれた少年。父方に引き取られるが、その生まれから爪弾きにされ、ふとしたことで魔力を暴走させてしまう。優れた魔力ゆえクラエス公爵が養子にするものの、愛人の子ではと疑うクラエス夫人や義理の姉・カタリナに冷遇され、孤独を紛らわすように持ち前の色気で女性を誑かす遊び人へと成長する。学園ではもの珍しさから平民出身のヒロインにちょっかいを出すが、彼女の優しさに触れるうちに愛情を抱くようになる。
国の第四王子である銀髪碧眼の美男子。ジオルドの双子の弟。幼少期は病弱であり、成長してからも優秀な双子の兄に対する劣等感を抱え続けてきた。学園ではジオルドと同じく自分よりも好成績を示すヒロインをライバル視するが、あるがままの自分を受け入れるヒロインに惹かれていく。
最終的にはヒロインと一緒になるか、婚約者メアリと結ばれるかの幸せな二択が待っており、バッドエンドまっしぐらのカタリナにとっては理不尽さを覚える存在。
アスカルト伯爵家の長男で、他の面々よりも一つ年上。黒髪に黒い瞳をもつ口数の少ない鉄面皮の持ち主だが、美形の両親から受け継いだ溢れ出す魔性のオーラで人々を魅了する。魔法学園では生徒副会長を務める。
野猿が唯一ルートに入れず攻略していないキャラクターだが、親友であるあっちゃんからルートの概略は聞かされている。死亡前の野猿自身はあっちゃんのネタバレに激怒してしまったが、カタリナに生まれ変わってからはその知識が役だったため、友人であるあっちゃんに心から感謝した。
ライバルキャラ
アラン攻略ルートにおけるヒロインのライバル。ハント侯爵家の四女であり、アランを心から慕う婚約者。赤褐色の髪と瞳をもつ美少女。どこかの悪役令嬢とは違い、王子の婚約者として不足のないマナーと教養を備えた、正統派の貴族令嬢としてヒロインと真っ向から対峙する。カタリナのことは嫌い。
ニコル攻略ルートにおけるヒロインのライバル。アスカルト伯爵家の娘でニコルの妹。絹のような白髪と紅玉のような瞳の美少女。優しい兄が大好き。カタリナは嫌い。
わがまま放題の公爵家令嬢。亜麻色の髪に水色の瞳。勝手に転んで作った額の傷を理由にジオルド王子の婚約者という立場を手放さず、学園でジオルドとの距離を縮めていくヒロインに執拗な嫌がらせを繰り返す。ただでさえ攻略難度の高いジオルドルートの大きな障害として、野猿も苦しめられた。キースルートでも貴族意識の高さゆえ、義弟と接近するヒロインをいじめまくる。その悪役ぶりを指して、野猿いわく「働き者」。どちらのルートでも最後は国外追放か死が待っている。
なんと魔法省を舞台とした続編『Ⅱ』にて「I'll be Back!」とばかりに復活。同作でマリアを悩ます「謎の女」の正体(ちなみにシリーズのファンにはバレバレだった)。『Ⅱ』はカタリナ追放破滅エンドからの続編らしく、追放された外国で闇の魔法に囚われてこれを駆使し密かに故国に潜入し復讐のためにマリアを狙う。どのルートでも投獄封印かマリアとの相討ちで死ぬかの運命が待っている。
シリーズのファンいわく「スタッフに愛され系のオイシイネタキャラ」と化していたらしくライバル枠からネタ枠に振られていた感がある。「III」が出てたら、投獄エンドルートから脱獄モードに入って、また復活が確定するのかもしれない。
その他
いわゆるモブ役なお助けキャラで攻略対象ではない。魔法学園の生徒会長を務めるニコルの幼馴染。赤い髪に灰色の瞳を持つ。生徒会長らしく人当たりの良い柔らかな好青年。いわば生徒会におけるニコルとメアリの上司だがカタリナとは接点が無い。
Ⅱの攻略対象
マリアの上司。真面目で堅物な魔法省の幹部。魔力が高く仕事のできる男。
学校を飛び級で卒業し、本人資質採用ではなく試験で有無を言わさぬ結果を叩き出して魔法省に入庁した天才少年。魔力は無いが知識に関しては他の職員の誰も追随しえない、知識系の努力型天才。
とある事件でマリアと知り合った、闇の魔力を持つ者。マリアと対にして国にとっては禁忌である闇の魔力の保持者である事から魔法省の預かりとなった、おちゃらけ青年。孤児であり姓は無い。
関連タグ
ヘラクレスオオカブト/コーカサスオオカブト:舞台こそ中世ヨーロッパ風だが、熱帯に住むはずの外国産カブトムシが森林に当たり前のようにいる世界のようだ。