武術を用いる人やキャラクターを指すこともあるが、大抵はファンタジー職業のひとつとして使われる。
概要
RPGなどでは、剣や鎧などの重装備を用いず、肉体自体を武器として戦う職業として扱われる。
装備に身を固めた一般の戦士とは、同じ近接戦闘職ながら好対照をなす。
pixivでは主にドラゴンクエストシリーズの職業のキャラクターのイラストにつけられるタグとして存在している。
ドラゴンクエストシリーズの武闘家
職種的な特徴
力と素早さに優れた前衛系の職業。
作品によっては「かいしんのいちげき」の発生確率が高い(あるいは成長に比例して高くなっていく)という特性を持つ。
初登場である『ドラゴンクエストⅢ』では、男性は弁髪、女性はツインテールの少女としてデザインされている。
同じ前衛系の職業である戦士と比べると、上記の点では優れるものの装備出来る武器や防具は非常に限られている。
素早さの一部が守備力として計算される為に、敵の物理攻撃に対してはそれほど弱くはないのだが、耐性付きの防具を装備できないので敵の呪文や息系などの全体攻撃に対する脆さに繋がっており、ボス戦では無対策だとHPをガリガリ削られやすくなっている。
よく「戦士と武闘家はどちらが強いのか」と比較にかけられるが、こうした点を鑑みると頭数を先手で減らしやすい雑魚戦であれば武闘家、呪文や息の頻度が高いボス戦であれば戦士に軍配が上がるだろう。
低レベル時の安定感という意味でも最初からそれなりに力を発揮しやすい戦士の方が高かったりする(武闘家は中レベル帯からの成長率が高いため)。
武器についてもグローブ系や爪系などしか装備できなかったり、無理やり装備すると攻撃力が上がるどころか下がる場合があるなど、制限が強い。
ほとんど装備が出来ないということは裏を返すと装備を調達しなくても良いということでもあり、高額な店売り装備が有用な為に全身揃えようとするとかなりお金がかかる戦士とはこの点も真逆になっている。
何しろ『ドラゴンクエストⅢ』では武闘家用と言える装備は基本2つしかなく、80Gで買える「けいこぎ」の次は最終装備の「ぶとうぎ」の800Gで終わりとなる。最終武器の「てつのつめ」が770Gなので、累計1650Gで最終装備まで到達してしまうのだ。
戦士の同格装備の「てつのよろい(1100G)」+「はがねのつるぎ(1500G)」の時点で倍近くかかり、この後も様々な高額装備への買い替えが必要になってくることを考えるとすごいコスパと言えよう(厳密に言えば「みかわしのふく」の方が被ダメ期待値的には強かったりするのだが)。
こうした点から、武闘家=てつのつめ+ぶとうぎというイメージが強く、公式のイラストや攻略本等でも武闘家は「龍」の字が染め抜かれたぶとうぎ一枚で描かれることが多い。
なお余談として、女性の場合は女性専用装備がこの厳しい装備条件をすり抜けるため、まだ装備できる防具がある。具体的にはファミリーコンピュータ版でマーマンキングが落とす「まほうのビキニ」やスーパーファミコン版で追加されたバランスブレイカー装備「ひかりのドレス」などがそれにあたる。
前者は守備力がぶとうぎの倍近くあるものの、呪文耐性は無いのでレアドロの割にそこまで壊れた性能ではないのだが、後者の方はほとんどの職で最強防具になり得るぶっ壊れ性能で、高守備力+呪文耐性を持っている上に女武闘家が装備するとそこに更に素早さによる守備力加算が入り、かなり固くなれてしまうので本項で述べているような弱点もほぼなくなってしまう。
基本的に呪文は一切覚えない為に通常攻撃一辺倒だったが
後発の作品における武闘家(またはその後継職)、似た特性を持つキャラクターは「ばくれつけん」「せいけんづき」などの高火力な打撃特技だけでなく、「まわしげり」「かまいたち」のような複数攻撃特技、気功系の補助技・回復技を使えるようになる場合もある。
歴代の武闘家
『ドラゴンクエストⅢ』の武闘家に続き、『ドラゴンクエストⅣ』のアリーナ、『ドラゴンクエストⅥ』のハッサンなど以降のシリーズでもパーティメンバーの一員となることが多い。
ただし、ハッサンは武闘家という触れ込みだが素早さはそれほど高くなく、武闘家の特技を覚える戦士といったところ。
リメイク版『ドラゴンクエストⅧ』ではモリーが仲間になるが、ツメスキルの存在もあって武闘家に近い能力となっている。
『ドラゴンクエストⅨ』や『ドラゴンクエストⅩ』でも職業の一つとして存在し、職業クエストではNPCの武闘家であるウェディのヤーンなどが登場。
最新作『ドラゴンクエストⅪ』ではアリーナ以来の女武闘家のマルティナが登場。NPCにはハンフリーなどが存在する。
小説版
『小説 ドラゴンクエストⅢ』ではカーンと言う名前で登場。
俗物を嫌って物欲に心を奪われぬ朴念仁だが、弱虫な相棒である僧侶モハレを庇ったり、一緒にメシや酒を楽しむなど人間味があり優しい。終盤はカンダタと盗賊&武闘家コンビを組んで魔軍を滅ぼした。
ちなみに、『CDシアター ドラゴンクエストⅢ』ではカンダタ自体が武闘家とされている。
『小説 ドラゴンクエストⅣ』では怪力男・ミスターハンとして登場し、アリーナ姫と互角の勝負を繰り広げる好漢。
漫画版
『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』ではヤオ、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』ではマァムと、漫画作品では女性武闘家の割合が多い(『ロトの紋章』では初代拳王も女性だった)。
またそれまで強力な「とくぎ」を持たなかった職業だったが、これら漫画作品から逆輸入するかたちで必殺技や奥義が増やされてもいる。
関連タグ
ジャッキー・チェン:『星のドラゴンクエスト』のCMにて男性の武闘家として出演。