概要
日本球界に伝わる、阪神タイガースの低迷期にまつわる都市伝説。
時は1985年10月16日。阪神タイガースがセ・リーグ優勝を決めると、道頓堀一帯は熱狂と興奮に包まれた。
やがてボルテージが最高潮に達し暴徒と化した彼らは、近所にあったケンタッキーフライドチキン道頓堀店(閉店済み)のカーネル・サンダース人形を強奪。
主砲のランディ・バース選手に見立てて胴上げすると、挙げ句の果てに道頓堀川に投げ込んだ。
その後、同年の日本シリーズこそ西武ライオンズを下し球団初の日本一に輝くも、翌年以降優勝からは遠ざかり、特に1990年代から2000年代に初頭にかけては暗黒時代と呼ばれるほどの長期低迷に陥った。
やがて、この低迷は道頓堀に沈められたカーネル・サンダースの祟りではないかと囁かれるようになり都市伝説として定着。
これが俗にいう「カーネル・サンダースの呪い」となり今に至る。
その後
1988年の探偵!ナイトスクープを初め、幾度となくテレビ番組などでも人形の捜索が行われたが、一度も発見されることはなかった。
その後、阪神は2003年と2005年にセ・リーグ優勝を達成するも日本一は逃している。
特に2005年は圧倒的強さで優勝したものの、日本シリーズであの33-4を体験することに。
更に2008年は13.5ゲーム差をひっくり返され優勝を逃す事態となる。
時を経て2009年3月10日、道頓堀の整備事業のために不発弾調査が行われていた際に、川底から件のカーネル人形が発見された。
ちなみに、引き上げられたカーネル人形は可能な限り修復され、住吉大社でお祓いを受けた上でイベントで展示された。
その後は東京のKFC本社にて展示されていたが、本社の横浜への移転に合わせて、カーネル人形は大阪市のKFC関西オフィスへと移動。その後2024年まで展示されていた(一般には非公開)。
これで呪いも解かれた...かと思われたが、特にその後阪神が絶好調になったというわけでもなく、低迷こそしていないものの、長きに渡って日本一どころかリーグ優勝すら果たすことができなかった。
2021年は前半戦から首位を独走し、今年こそ優勝かと思われたが後半戦で失速。例年であれば優勝もあり得る77勝を挙げたにもかかわらず、東京ヤクルトスワローズの猛追もあり優勝を逃してしまった。
そして2023年。
岡田彰布が阪神の監督に再就任すると、2005年以来18年振りのリーグ優勝を達成すると、ペナントレースの勢いそのままにクライマックスシリーズでは広島相手に3連勝で日本シリーズへ出場。オリックス・バファローズとの関西ダービーではオリックスを4勝3敗で下し1985年以来38年ぶり2度目の日本一に。
これをもって呪いは完全に解かれることになった。
38年ぶりの阪神の日本一を見届けたカーネルサンダース人形は、2024年3月8日に住吉大社で人形納めの神事を行った後、廃棄された。修復されたとはいえ24年もの間水没していたため老朽化が激しかったとのこと。
余談
- 同じく道頓堀にあるくいだおれ太郎も、カーネル人形と共に阪神ファンに強奪されかけている。こちらは店員が体を張って阻止したため、道頓堀川への投下は免れた。
関連タグ
シカゴ・カブス…カーネルの呪いを凌ぐとも言われる「ビリー・ゴートの呪い(ヤギの呪い)」と称され、71年もの長きに渡ってリーグ優勝出来なかった。2016年にリーグ優勝(加えて108年ぶりにワールドシリーズ優勝)を遂げたことで呪いは解除されたと言われる。