何がVやねんは2008年の阪神タイガースの独走を受けて発行されたVやねん!タイガース優勝目前号に対する皮肉である。
概要
2008年のタイガースは独走状態で、7月には優勝マジックが点灯し、優勝は確実と思われていた。
しかしシーズン終盤に中継ぎ投手の疲労などからチームは勢いをなくし、最終的には読売ジャイアンツの大逆転優勝(メークレジェンド)を許してしまった(その後、CSでも3位中日ドラゴンズに敗れている)。なお日本シリーズでは巨人がCSを勝ち上がったが埼玉西武ライオンズに敗れている。
Vやねん!タイガースは勢いが陰りを見せ始めた9月上旬に発行され、いわゆるフラグ的な扱いを受けていたが、そのフラグが現実のものとなってしまったため、その後も話の種になることになってしまった。
Vやで!タイガース
週刊ベースボールが2015年9月上旬に組んだ特集記事のタイトル。明らかにVやねんを意識したであろうその記事と表紙になんJ民を中心とした野球ファンがフラグを感じ取り、結局タイガースは優勝を逃してしまった。
あかん阪神優勝してまう
朝日放送テレビが2021年6月に放送した特番のタイトル。見切り発車的な内容・放送時点で首位だが失速気味のタイガースと、Vやねんを想起させる展開に多くの野球ファンがフラグを感じ取っていたが、案の定タイガースは優勝を逃してしまった。
アレ
こうしてフラグを立てては優勝を逃すことを繰り返した結果、とうとう2022年シーズンともなれば早い内から優勝を予想して見切り発車的に騒ぐこと自体を自粛するムードが広がった。
背景には同年初頭の矢野燿大監督のシーズン前退任発表やキャンプ中胴上げ(予祝とも言われた)などの一連の行動や、それをフラグと感じ取ったのか開幕早々9連敗や借金16などの暗澹たる結果なども影響しているとされる(皮肉にもこのシーズンは、後半怒涛の追い上げで一時期2位につけ、終盤失速するもCSに滑り込んでいる)。
その結果、ネット上のファンのやり取りや、阪神への造詣の深いスポーツ紙、果ては当の選手や監督(そもそも発端は再任した岡田彰布監督本人とも言われる)に至るまで優勝の2文字を使用すること自体を憚るようになり、遠回しに「アレする」と表現する始末となっている。ちなみに2023年のスローガンは「A.R.E.」。まるでどこかの名前を呼んではいけないあの人のようだ。
大手全国紙などは空気を読まずにもとい分かりやすい表現に努めるため優勝の文字を普通に使用しているが、特に2023年夏に阪神が首位を独走するに当たりスポーツ欄などで岡田監督のインタビューなどが取り上げられると「アレ(優勝)」という注釈が入る事態となっている。
2023年シーズンは8月時点で首位を快走するも、絶対にフラグを立てるなとの強い意志がファンの間で共有されているのか、上述した大手紙の記事内表現くらいしか優勝の文字を見つけることは無いほど徹底した状況となっている。
しかし、同年8月末にあろうことか身内の甲子園歴史館が「2023年シーズン振り返りA.R.E.特集」と銘打って2023年の振り返りを行うと発表すると状況が一変。阪神は連敗し、2位広島に自力優勝の可能性が戻ったことで優勝マジックが一時期消滅してしまい、「あれほど言ったのにまたやったのか!」とファンの総スカンを食らうこととなった。
誤解の無いように言えば、甲子園歴史館のシーズン振り返りは例年この時期から開始されるし、一応優勝の2文字は使っていない。また、広島の自力優勝復活はこの時点で広島と阪神の直接試合が7試合も残っていたことによる数字上のカラクリであり、阪神は首位を明け渡してはいない(9月1日に4日ぶりにマジックは再点灯した)。
追記すれば、この数字上のカラクリがプラスに機能した例として、9月9日の直接対決で勝利した際は、広島が阪神と同勝率・勝ち数で並んだ場合でも優勝の可能性が無くなった(阪神の直接対決勝ち越しによる、加えて交流戦を除いた勝率でも(交流戦勝率が低い)阪神が上回るため、セリーグの優勝決定規定上広島は阪神を勝率か勝ち数で必ず上回る必要が出てきた)ため、一気にマジックが3減る結果となった。
広島の終盤追い上げに戦々恐々としていた状況であったが、9月に入ると状況は一変、上記の対決を含んだ直接対決で3連敗に追い込んだ広島がその後も連敗を繰り返す中、阪神は3連戦を含み終盤怒涛の10連勝を重ねるなどし、9月14日本拠地・甲子園にて念願の「アレ」を達成。
悲願の成就でついに禁句と化していたものが解禁され、各局各人とも「優勝」を堂々と言うようになっている。
その後の日本シリーズでは、パ・リーグを制したオリックスとの関西対決を4勝3敗の死闘を経て制し、38年ぶりの日本一を決めて呪縛は解かれた。
関連タグ
関連項目
東京ヤクルトスワローズ…上記の2ケースで実際に優勝したのはここだった。ちなみにどちらのケースも前年最下位からの優勝、強力なリリーフ陣の活躍が目立ったという共通点がある。なおヤクルトも2011年にやらかしている(優勝はここ)。