※本来の用法はアレを参照。
概要
プロ野球・阪神タイガースの2023年の目標を言葉にしたスローガンである。
正しくはアルファベット表記の「A.R.E.(読みはえーあーるいー)」である。意味は“個人・チームとして明確な目標(Aim!)に向かって、野球というスポーツや諸先輩方に対して敬いの気持ち(Respect!)を持って取り組み、個々がさらにパワーアップ(Empower!)することで最高の結果を残していく”というもの。
……なのだが、この語は専ら「優勝」の隠語として使われている。
2022年オフに阪神の監督に就任した岡田彰布が2010年のオリックス監督時代に優勝争い未経験の選手が緊張することがないよう、「優勝」の語を使わずに「アレ」と表現していたのがその由来(その年オリックスは交流戦で優勝した)。
そして阪神の監督就任後に「優勝を目指すが、『優勝』と言うのは今日まで。明日からは『アレ』と表現する(要約)」と宣言し、継続して使用していた結果、阪神の選手だけでなくファンにも浸透。そして「守り重視の野球」「当たり前のことをやる」「チームにとっても優勝を目指すことは当たり前のこと」という球団の総意により、「アレ」と読める上記のスローガンが誕生した、という経緯がある。
さらに、在阪マスコミもこぞって「アレ」と表現し、「もし明日阪神がアレした場合、大阪市を流れる道頓堀川付近では……」などという、まるで言語統制でも敷かれているかのような珍妙な報道が大真面目に行われるようになった。
というのも、阪神球団は2006年以降事あるごとに優勝を期待させながら実現しなかった事案が一度や二度ではなかった(代表的なものとしてVやねん!がある)。このため、「優勝決定の9回3アウトまで絶対に『優勝』と口にしてはいけない」という気質がファンのみならず阪神推しのマスコミにまで浸透していた。
「アレ」が浸透したのは、正にこの言葉が阪神ファンの今までの悔し涙と危機感を表すのにこの上ない隠語だったからである。
その結果、阪神は2023年に18年ぶりのセ・リーグ優勝を果たしただけでなく、日本シリーズでパ・リーグを制したオリックスとの関西対決を4勝3敗の死闘を経て制し、38年ぶりの日本一までも決めている。
なお、岡田監督は「アレは優勝まで。日本一は言葉を決めていないので、いい言葉があったら教えてほしい」とのコメントをしていたが、どうやら「アレのアレ」という言葉で表すようになったようだ。
同年11月には『新語・流行語大賞』にアレがノミネートされ、こちらの賞レースの行方も注目される。発表は12月1日。
同じく11月21日には「SNS流行語大賞2023」にもノミネートされた。上述の新語・流行語大賞とはガラリと総入れ替えに近いが、まさかのひき肉ですとここでも対決することになった。こちらも取って、2冠となるかが注目される。
翌日の11月22日には「ネット流行語100」のノミネートワードも発表されたが、残念ながら3部門ノミネート制覇はならなかった。逆にひき肉ですはノミネートされているのだが…。
しかし、本年12月に発表されたユーキャン新語・流行語大賞では、見事大賞に選ばれたのだった。
余談
この前年である2022年の日本シリーズでは、岡田がかつて監督を務めていたオリックスで杉本裕太郎が第6戦、第7戦前の円陣の際に「アレ」を使っているが、こちらは「日本一」の意味であった。もちろん由来は岡田の用法である。
阪神がリーグ優勝を決めた後、某読売巨人軍電視台国民的大喜利番組である笑点では2023年10月15日の2問目に「アレ」がお題として出題された。問題の最後に三遊亭小遊三が「男のアレ」といういかにもな下ネタを2回連続で匂わせたが、いずれも回避して問題を締めた。
史上初
阪神傘下の女子野球チーム・阪神タイガースWomenは同じ年の全日本女子硬式野球選手権で埼玉西武ライオンズ・レディースとのNPB傘下同士の対戦を制して一足早く「アレ」を達成した。その結果、阪神はNPB史上初の男女ダブル日本一を達成したことになる。
また、阪神が日本一となった20日後にはヴィッセル神戸がJ1リーグで創設以来初めての「アレ」を果たし、野球とサッカーの両方で兵庫県を本拠とするチームの年間制覇が達成された。これはNPBチームとJリーグクラブの両方がある11都道府県の中でも史上初の快挙である。
関連タグ
武豊…阪神ファンの騎手。2023年9月14日に園田競馬場で開かれたゴールデンジョッキーカップにて見事優勝。勝利後のインタビューで「一足早くアレできてよかったです」とコメントしたことで一部界隈で話題となった。ちなみにこの約6時間後に阪神が念願のアレを達成した。
何がVやねん…阪神ファンのトラウマ。