解説
また、近畿圏以外でもアンチ巨人から阪神ファンになる者も多い。
応援スタイル
- 六甲おろし:『阪神タイガースの歌』の通称。阪神ファンは試合前、選手がタイムリーやホームランを放った時、阪神タイガースの勝利が決まった時に歌う。ホームゲームでの場合はヒーローインタビューの後にレコード・CDを使った演奏に合わせて歌う。
- ヒッティングマーチ:レギュラークラスの選手に1人1曲ずつヒッティングマーチが作られ、打席に立つとその選手のヒッティングマーチが合唱される。控え選手、また新しい選手には「ヒッティングマーチ2番」、投手には「ヒッティングマーチ1番」を使用する。
- 蛍の光:阪神優勢かつ相手投手をKOした時に歌われる。まず「さよならさよなら〇〇(〇〇はKOされた投手の名前)」コールを4回行った後に蛍の光に繋ぎその後「六甲おろし」へと続く。かつては状況問わず使われていたが現在は批判を受けたのか減少傾向にあるものの今も使われている。昔は関東圏に限り蛍の光に代わって「にんげんっていいな」の替え歌も使われた時期があったが現在は使われていない。
- ジェット風船:7回の攻撃前、阪神タイガースの勝利が決まった時に打ち上げられる。ホームファンファーレ、ビジターでは「六甲おろし」の後に打ち上げ。例外として、オリックス・バファローズ主催の京セラドーム大阪での試合では、ビジターにもかかわらず阪神ラッキー7時にホームゲームでのファンファーレが演奏される。
- あと1人、あと1球コール:9回(表・裏)、もしくはビジター(裏のみ)においての延長回のそれぞれで、阪神がリードしていて決着がつく可能性がある場合に行われる。2アウトの時に「あと1人」コールが行われ、2アウトで2ストライクになると「あと1球」コールに変わる。
応援団・ファンクラブ
「阪神タイガース応援団」が阪神タイガースの中で鳴り物応援を行う唯一の応援団である。2003年に球団公式ファンクラブが開設。
2003年までは「阪神タイガース応援団」の前身である「阪神タイガース私設応援団」のほかに、「中虎連合会」という団体と、阪神甲子園球場のレフトスタンド応援団の「守虎連合会」で応援を統率していたが、2005年に中虎連合会の会長がヒッティングマーチに関する著作権法違反容疑で逮捕、さらに守虎連合会の会長も暴力事件で逮捕されたため、「阪神タイガース応援団」のみとなった。
ファンの問題行動
新聞報道にあるように、阪神ファンの熱狂的な応援が高じて問題を起こして逮捕されるファンが多い。
どの球団にも少なからずいるし、もちろん礼儀正しい阪神ファンも多い。
ただ、阪神ファンはその中でも特に悪質とされ、セ・リーグ公式試合の行われる各都道府県では阪神戦の開催日は重点的に警備しているとさえ言われる。
2002年、デビッド・ベッカム来日の際、ゲストとして『めちゃめちゃイケてるッ!』に出演、大阪でのロケの際、ベッカムに道端で酒盛りする阪神ファンの醜態を目撃されてしまう。その際、MCであるナインティナインの岡村隆史はベッカムの「あれは何?」という問いかけに対して「ジャパニーズ・フーリガン」と答えている。道端で酒盛りを行うと往来妨害罪と都道府県の迷惑防止条例違反となる。
ちなみに岡村は隠れ巨人ファンである。他にも、阪神ファンの悪行に嫌気が差して同じ地元であるオリックス・バファローズや、巨人には馴染めないという理由から東京ヤクルトスワローズに鞍替えする関西人も多い。
1980年代以前
- 1954年7月25日、大阪の難波にあった大阪スタヂアムで行われた対中日ドラゴンズ戦で、捕球判定、藤村富美男の退場処分をめぐって阪神と審判団がもめ、阪神ファンがグラウンドに乱入した。2度の乱入で没収試合となり、阪神と審判団が処分を受けた。
- 1973年10月22日、阪神甲子園球場での対読売ジャイアンツ最終戦。勝った方が優勝。阪神は0対9で大敗し、巨人のV9を許した。これに腹を立てた阪神ファン1500人ほどが暴徒と化し、一塁スタンドやアルプススタンドからグラウンドへなだれ込んだ。巨人の一塁手王貞治が殴られてベンチ前で倒れ、捕手森雅彦もキャッチャーマスクを盗られた。また暴徒は、朝日放送と読売テレビの放送席を襲い、読売テレビのカメラやVTR機材を破壊した。甲子園警察署によると、読売テレビは約1000万円の損害を被ったという。この影響で巨人の胴上げが行われなくなり、兵庫県警の機動隊員や甲子園署員約180人が駆けつける事態になった。
- 1985年10月16日に阪神がセ・リーグ優勝を決めた際、多くの阪神ファンが戎橋から道頓堀川に飛び込んだ。また一部のファンがケンタッキーフライドチキン道頓堀店からカーネル・サンダースの人形をランディ・バースに見立てて胴上げし、道頓堀川へ投げ込んだ。カーネル・サンダースの人形が2009年3月10日に上半身が、翌11日に下半身と右手が発見され、救出された。この事件以後、阪神は「万年最下位」と言われるほど長く低迷したため、阪神ファンはこれを「カーネル・サンダースの呪い」と呼び、恐れおののく結果となった。
1990年代
- 1992年9月11日の対ヤクルトスワローズ戦(甲子園)で、八木裕が放った打球が一度ホームランと判定されたが、エンタイトルツーベースに覆された。これに腹を立てた阪神ファン数人がグラウンドに乱入し逮捕された。
- 1995年6月20日、横浜スタジアムで行われた横浜ベイスターズ対阪神戦。4対3でリードされた9回ノーアウトから新庄剛志が左中間へ球を放ったが、一部の観客の旗に包まれてグラウンドに落下した。審判団は協議の末、公認野球規則3.16(妨害と同時にボールデッド。審判員は妨害がなければどのような状態になったか判判定する旨)に従いエンタイトルツーベースと判定するが、ホームランと判定されなかったことに激怒したファン数人がグラウンドに入り、スタンドからメガホン、ゴミ、太鼓などが投げ捨てられた。ヒートアップしたスタンドでは両チームのファンがつかみ合いの喧嘩をした。試合は8分間中断。
2000年代
- 2001年3月30日、開幕戦の読売ジャイアンツ対阪神戦が東京ドームで行われ、阪神が3対17と記録的な大敗を喫した。最後の打者・上坂太一郎がレフトにフライを打ち上げると同時に捕球態勢に入った清水隆行に、レフトスタンドの阪神ファンがメガホンを投げ入れた。
- 2003年6月11日、岐阜県長良川球場で行われた中日ドラゴンズ対阪神戦で、阪神が7対2で勝利。試合終了後、グラウンドに入った阪神ファンと中日ファンが乱闘、その際に催涙スプレーが噴射され、53人の観客が目や喉の痛みで治療を受け、そのうち31人が救急搬送、7人が入院することになった(一時は90年代のあの事件を連想させた)。岐阜北警察署が捜査したものの事件は解決されていない。この一件に対し山田久志(当時の中日監督)、星野仙一(当時の阪神監督)、片岡篤史、赤星憲広、桧山進次郎などが非難するコメントを発表した。中日は2013年まで阪神との地方球場での試合を行わず、阪神甲子園球場には乱入防止ネットが設置された。
- 2003年7月29日、それまで16連勝と好調だった横浜ベイスターズ戦が阪神甲子園球場で行われたが、阪神は3対6で敗れた。9回裏、藤本敦士が放った3アウト目となるレフトへのファウルフライに対し、スライディングキャッチした多村仁志めがけて一部の阪神ファンがメガホンを投げつけた。多村は「本当に危ない」とコメントし、星野仙一監督は「こんなことをやったら甲子園で胴上げはやらん!」と激怒した。
- 阪神が勝ち星なしの4連敗を喫した2005年の日本シリーズでは、「千葉ロッテマリーンズのファンと口をきいた」との理由でそのファンに暴行を加え逮捕される事件が発生。他にも10人以上が暴行もしくは器物損壊の疑いで逮捕されている。
- 2014年10月30日、福岡ヤフオクドームで福岡ソフトバンクホークスと対戦した日本シリーズ第5戦で、最後の打者である西岡剛がファウルラインの内側を走ってしまい、守備妨害でアウト、これによりソフトバンクの日本一が決まった。外野スタンドにいた阪神ファンがこれに腹を立て、大量のメガホンとゴミをグラウンドに投げ入れた。
- 2018年10月9日、阪神甲子園球場で行われた読売ジャイアンツとの最終戦。最下位が確定している阪神は逆転を許した後に4対4の同点に追いついたが、7回、8回に岡本和真の2本のホームランなどで突き放され4対9、甲子園39敗と球団史上ワースト記録を更新すると同時に巨人のクライマックス・シリーズ進出を許してしまった。ユニフォームと金本知憲監督通算2000本安打記念メガホンがグラウンドに投げ入れられたほか、ライトスタンドではファン同士の大喧嘩も発生した。
問題行動に対し
このような問題行動に対し、甲子園球場への缶・びん類持ち込み禁止チェック、立ち見応援の規制、ジェット風船の打ち上げを認めない球場での使用禁止を徹底する、といったマナー向上に球団・応援団ともに努めている。
また、NPBや他の11球団とともに定めた試合観戦契約約款第8条により、以下の行為を禁止している。
- グラウンド、スタンド、通路などへの物の投げ入れ、グラウンドへの乱入、フェンスなどによじ登る行為
- 球場の施設や物を壊す行為
- 他の観客、監督、コーチ、選手、チームなどに対する威嚇、強要、暴力、誹謗中傷、その他迷惑を及ぼす行為
- グラウンドやバックスクリーンなど立ち入り禁止場所に立ち入る行為
主な阪神ファンの有名人
芸能人
歌手
声優
漫画家・イラストレーター
- 高橋留美子…自他ともに認める熱烈な虎党。阪神のスポンサーであるJoushin電機に『うる星やつら』のヒロイン「ラム」をキャンペーンガールとしてたびたび貸し出している。
- 土居孝幸
- 森田まさのり…自身の漫画『ROOKIES』の登場人物名に阪神の選手を元にしたネーミングをしている(逆に、ライバル校の選手・関係者には巨人軍関連のネーミングをしている)。さらに、『ROOKIES』が日本テレビでドラマ化の企画が挙がった際に日テレ側から「選手名を巨人軍関連の名前にして頂きたい」と言われた時には、「それであればお断りします」ときっぱり断っている(その後、TBSにて名前変更なしでドラマ化され、大ヒットに至っている)。
- 山藤章二
スポーツ選手
- 松井秀喜…元プロ野球選手、元メジャーリーガー。NPB選手時代は読売ジャイアンツに所属していた。
- 大勢…読売ジャイアンツ投手。
- 岡本和真…同じく読売ジャイアンツ野手。
- 糸井嘉男…北海道日本ハムファイターズ、オリックス・バファローズに所属していたが、晩年タイガースに移籍。
- 大野雄大…中日ドラゴンズ投手。
- 遠藤保仁…同じく元サッカー日本代表。
- 岡崎慎司…元サッカー日本代表。
- スタン・ハンセン…元プロレスラー。ランディ・バースとも親交がある。
- 武豊…競馬騎手。
- クリストフ・ルメール……同じく競馬騎手。
他多数。
阪神ファン、または阪神ファンとして扱われる架空のキャラクター
- 阿畑やすし(『実況パワフルプロ野球シリーズ』)…幼少期からの根っからの阪神ファン。パワプロ7のサクセスのプロ野球編では中日ドラゴンズ所属だったが、パワプロ2010のサクセスのプロ野球編では念願の阪神タイガース所属となった。
- 猪名川由宇(『こみっくパーティー』)…関西人で、「大阪リーフ」というチームのファン。
- ナナコ(アニメ版『ポケットモンスター』)…コガネエレブーズというチームのファン。
- 綺羅々・バーンシュタイン(『GJ部』)…タイガースの応援姿で登場したことがある。
- 新田美奈子(『八月のシンデレラナイン』)…中の人が阪神ファン。ゲームとプロ野球のコラボではタイガースを担当した。
- メジロマックイーン(ウマ娘)(『ウマ娘プリティーダービー』)…公式での明言はないが、漫画やゲーム内での描写から、主に二次創作でそう扱われている。
- 鳴尾大河(『それいけ!鯉依奈ちゃん』)…作中でタイガースファン担当。
- パオフゥ(『ペルソナ2罰』)…「半神ジャガーズ」のファン。一定条件を満たした後にコンタクトコマンド「野球狂の唄」を発生させると「嫁売ジャイアンズ」のファンである南条圭との言い争いが始まる。
関連タグ
虎党:スポーツ新聞でよく見出しに出される
アンチ巨人…特に阪神ファンに多いとされている
フーリガン:競技は異なるが近いものがある