概要
正式には「コガネエレブーズ」という。
チームカラーは黄色と黒、ユニフォームは縦縞。言うまでもなく阪神タイガースをパロディ化した球団である。
金銀編の「ルーキーのチコリータ」にて初めて存在が明らかになった。ゲストキャラであるナナコはこの球団の大ファンである。
応援歌歌詞
こちらも『六甲おろし』がモデル。
スリバチやまの かぜにのり〜
でんこうせっか やってくる〜
にらみつけるぞ エレブーズ〜
フレー フレー フレフレフレ〜
エレブーズ〜
考察
モデルは阪神タイガースであるが、応援歌歌詞中に登場するスリバチやまは現実世界では滋賀県の比叡山に当たる。つまり歌詞中に地方としての「阪神」要素はあまりない。そもそも阪神ゆかりの六甲山を使おうにも、六甲山牧場がモデルと思われるモーモー牧場辺りが該当する程度なので、語呂の良さでスリバチやまが使われたのだろう。
本拠地についても諸方面から突っ込まれる通りコガネシティのモデルである大阪ではなく、どちらかと言えばアサギシティ(神戸がモデル)の方が近い。「阪神は大阪の球団」というイメージは全国共通なのでここは致し方ないか。当時の大阪にはこの球団がありいかにもイメージに合いそうなこいつがいるのに全く触れられていない。
また、ライバルチームには「コイキングス」、「スターミース」が存在しているようで、元ネタはそれぞれ広島東洋カープ(カープは鯉の意)、横浜ベイスターズ(現:横浜DeNAベイスターズ。球団名にスターとある)と思われる。ちなみにポケモン世界において横浜市はクチバシティが該当するが、2022年現在も広島県に相当する地方はアニメゲーム共に設定されていない…増田ァ!
コイキングとスターミーは現実でもカープ及びベイスターズと実際に手を組んでコラボ商品が登場しており、コイキングスとスターミースはある意味公認されている。広島については赤いギャラドスがポケモンセンターヒロシマのキーキャラクターにまでなった。
が、エレブーとタイガースのコラボはまだ実現していない。ナナコ絡みで何回も登場したのに。
現在も設定が残っていれば、セ・リーグの残り3球団である読売ジャイアンツ、東京ヤクルトスワローズ、中日ドラゴンズに相当する球団が作られていた事だろう。実際にあとの3球団にも金銀以降にイメージに相応しいポケモンが登場している。
候補としては以下。
- ジャイアンツ⇒レジギガス 巨人を連想させることから。球団マスコットはうさぎなのでミミロップやヒバニーも考えられるが、ヒバニーの場合は別の球技になってしまう。
- スワローズ⇒オオスバメ 燕繋がり。球団マスコットはどちらかといえば進化前のスバメに近い。
- ドラゴンズ⇒キングドラ ドラゴンがモチーフのポケモンは候補が多くレックウザやボーマンダもいるが、その中で球団名にドラとあり青い竜という繋がりがある。エレブーズと同じジョウト地方のヨシノシティが所在地の愛知県に相当する上に放映された1999年はリーグ優勝しているが一切触れられていない……
ただあまりに露骨だったのか、AG以降の作品ではこの手の話題が登場していない。ホウエンにはこの球団、シンオウにはこの球団、ゲームの原作も含めればキタカミの里にこの球団があってもおかしくはないが、作中にそれらしきものは出ていない。
因みにどの球団にもイメージにピッタリのポケモンが存在しているというオチも(このうちシンオウのポケモンは公式で実際にコラボしたことがある)。
そもそも野球自体が現実世界ではどちらかといえばマイナーな競技に分類されるため、野球の盛んな極東・北中米等を除くとネタが通じにくいという事情もあると考えられる。
また、エレブーは後に追加進化を獲得しているため、現在だと「エレキブルズ」とした方がしっくりくると思われる。これもエレブーズについて触れられなくなった理由と何か関係があるのかもしれない。
メタ的な話をするなら、サトシ一行が新たに旅をすることになったジョウト地方のモデルは中部~関西地区なので、その地区の名物といえば……という乗りで登場させたものと思われる。
なお、放映当初(1999年)は阪神暗黒期であり、劇中でもエレブーズが弱いことがこれでもかとネタにされていた。その際に「強いチーム」としてサトシがコイキングスやスターミースを挙げていたのだが、スターミースことベイスターズは当時「マシンガン打線」を有し前年1998年にセ・リーグ優勝と日本一を達成しており強かったといえるが、コイキングスことカープは当時「5位が定位置」と呼ばれるほどの低迷期だった。本当にサトシは野球を知っていたのだろうか?
そして、金銀編末期(2002年)にサトシ達がナナコと再会した際には「熱血監督77が就任したから今年は優勝間違いなしや!」と言っていた。タイガースの優勝は翌年になるが、恐らくエレブーズも優勝したものと思われる。
余談
ポケモントレーナーとして野球選手が登場し始めたのは第5世代からである。
穴久保ポケモンにおいてもエレブーを虎になぞらえた阪神パロネタは行われている。1997年当時タイカースが暗黒時代の渦中にいたことから虎に似たエレブーは野球が苦手と判断したピッピは野球対決に持ち込むが、自身が扮したのがよりによって当時さらに不調で前半はほぼ最下位固定だったシャイアンツであったため敗北。首位を独走しその年に日本一に輝いたヤグルトに扮したピカチュウに交代したことで撃破した。なお、エレブー本人は虎であることは否定している。
完全な余談だが、阪神暗黒期の原因と言われていたサンダースの呪いについてはアニポケ、穴久保版共にネタにされていない(一応穴久保版の当該エピソードにサンダースは登場しているもののこの件については触れられなかった)。
何の因果か、エレブーのレベル100時における最大HPは334である。
2023年には、阪神が38年ぶりに日本一に輝く等絶好調であったこと、ポケモンでも直近の『ポケモンSV』でコガネ弁を喋るキャラが人気を博していた事などもあって、一部でエレブーズやそのファンであるナナコが再注目されることになり、ネットニュースでも取り上げられた(ちなみに、件の人物がエレブーズファンなのかは不明である)。
さらにと、同年配信された『SV』のDLCでは、ブルーベリー学園の野球部員のナゲハシ(BPを支援すると主人公に新しい投球フォームを教えてくれる)がコガネ弁で喋るキャラクターとなっている。やはり野球にコガネ弁(というか関西弁)は欠かせないということなのだろうか…。
ポケモンとプロ野球の公式コラボ
ポケモンセンターのある都市にプロ野球チームも近い関係か、球団とポケモンのコラボ企画も度々行われている。
横浜DeNAベイスターズ:2023年にピカチュウを模したヘルメットとスペシャルユニフォームで試合を行った。選手入場では各選手の好きなポケモンも紹介された
等
イニング間のイベントではスターマンとゼラオラのリレー対決企画も開催された。
東京ヤクルトスワローズ:劇場版『ディアルガVSパルキアVSダークライ』上映期間中、スタンプカードを配布するキャンペーンが行われた。
実際に販売されたことのあるコラボグッズ
広島東洋カープ:コイキングおよび赤いギャラドス
北海道日本ハムファイターズ:カイリキー
読売ジャイアンツ:ピカチュウ