「四天王の露払いはこのチリちゃん!」
「うんとかわいがったるからせいぜい……きばりやぁ!」
概要
初登場は『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のシナリオルートの一つ「チャンピオンロード」攻略時で、基本的には4つ目のジムを訪問したところでハッサクに「自分と同じ四天王」と紹介されて出会うことになる(ジムバッジが3つ以下なのにポケモンリーグ訪問を済ませた一部の物好きなトレーナーはその際に「面接官として」出会うことになるが)。
ポケモンリーグの面接官も務めており、彼女とバトルをする前には第一次試験である面接テストが行われる。
いい加減な答えを選ぶと容赦なく不合格にされるが、再挑戦は可能。
一発で合格すると「ネモ以来やないか?」と褒めてくれる。
ただし、不合格の時限定のセリフもあるので、気になると言う方はそちらも見逃さないように。面接を受ける前にセーブをしておき、一度わざと不合格になった後でゲームを再起動し、面接を受け直せば両方のイベントを観ることができる。
ちなみに前述の通り、ジムバッジを全て集めていなくてもなぜか面接のみ受けられ、その場合は質問内容が変わる(途中から「今学校ではどんなことが流行っているのか?」等、どう考えてもポケモンバトルとは関係がなさそうな雑談めいた質問が続くようになる)。当然どう答えても不合格となるが、ここで不合格をもらったことがあっても、バッジ8個回収後の面接で前述の「一発合格」のセリフを聞くことは可能だったりする。このことや、受付の男性の「バッジを8個集めていないと本気で面接をしようとしない」という台詞から判断するに、バッジ8個を集めていない場合はそもそも1次試験として換算していない模様。
ポピーの登場シーン全てに共に登場し、幼い彼女の面倒を見ていることや仲がいい様子がうかがえる。また、「ポピーのためにも頑張ったってな」という言葉を残すことから、ポピーのことを大切にしていることがわかる。
『藍の円盤」の特別講師の特殊会話では、オモダカのことを“総大将”もしくは“トップ”と呼んでおり、彼女の世話をしていることが言及されている。このことから、オモダカの側近のような立場であると思われ、パルデアにおけるポケモンリーグ関係者の中ではかなり高い地位に就いているのではないかと考えられる。そのためか、上司であるはずのオモダカにはタメ口混じりの敬語で会話しており、こちらもどちらかといえばタメ口の割合が多い。
ただし、本編でのオモダカはアカデミーにおいてもリーグにおいても常に単独行動をしており、チリと一緒にいるシーンは四天王とトップが一同に会するシーン一つしか存在しない。そのため、世話をしているという発言がどこまで真実なのかには少し疑問が残る。
ハッサク曰く「ふざけた女性」とのことなので、発言全てを鵜呑みにするべきではないのかもしれない。
容姿
長身かつ細身で、ツリ眉タレ目の端正な顔立ちをしており、右側の髪の一部が大きく曲がった特殊なツーブロックの緑髪が特徴的。後髪はうなじの辺りで結んでアンダーポニーテールにしている。
スーツを着用し、両耳にピアスを付けている。なお、グレーのシャツに至っては右ボタンであることから、男性物を着用しているようだ。普段はポケットに手を突っ込んでおり歩く時も外に出さない。
全体として男性的な格好・容姿をしているが、れっきとした女性。
初見だとまず大半の人が男性と見間違え、ゲーム中でハッサクが「彼女」と代名詞に用いたことで性別を知り、驚いたプレイヤーも少なくない(そもそも本作は、一目では性別が分からないキャラクターが歴代でも群を抜いて多い)。
容姿だけであればクールなため(特に公式イラストはそっけない印象を与える)、外見と中身のギャップに驚いたプレイヤーも多い。
また、面接官モードの時は黒縁眼鏡をかける。
リップがDLCで彼女の容姿の良さに気付いた時は(普段はオモダカの側にいるため気付いていなかった)、専属モデルとしてヘッドハンティングしようとしたほど。
性格
基本的には気さくでフレンドリー。使う言葉はコガネ弁(関西弁)。初対面時の「まいど!チリちゃんやで~」のギャップ感が光る。一人称は「チリちゃん」、二人称は「自分」。
距離の近さや飄々とした態度からポピーとは仲がいいが、ハッサクからは「いつもふざけてばかり」と呆れられている。なおDLCのハッサクとの特殊会話では「いや いつも ふざけてへんけど……?」「チリちゃん!四天王で!一番ふざけてへんけどー!?」と怒っている。
実際、面接中の彼女の態度は真面目を通り越して非常に厳粛な雰囲気である。また、四天王戦では自分が倒された場合次の四天王を呼び出すことになっているが、アオキは声が小さいためチリがいつも代わりに呼び出す羽目になっているようだ。(初めは「アオキさん…もうちょい声出さんと……」などと促していたがアオキは全然声量を上げないので仕方なくチリが呼んでいる。なおアオキはハッサクにそのことで詰められていた)。
幼女であるポピー、時折感情が爆発して号泣するハッサク、覇気がなくサボり癖のあるアオキに比べると四天王の中では常識人のツッコミ役で、本質的には常識人である。DLCの特殊会話を一通り読むと、寧ろ個性的な面々に振り回される苦労人であることが示唆されている。
しかし、グルーシャとの特殊会話を見る限り、全くふざけないわけでもなく、セイジ先生との特殊会話から、単にノリが良く仕事とプライベートを切り替えられる性格ともとれる。
面接時では一転して敬語口調どころか標準語かつ黒いメガネをかけ、プレイヤーに数々の質問を出す。
面接官としての彼女が初見だった場合、ストーリー内で改めて出会ったときにそのギャップに驚くことになるだろう。なお、合格すると笑顔で「おつかれさん」と述べた後、元のコガネ弁に戻る。
一方でバトルに入ると鋭い顔つきになり「せいぜい……気張りやぁ!」「ドオー!隆起せえ!」と叫ぶなど結構アツい部分も持ち合わせている。
さらに、「いてこます」と言うなど、口も悪くなり、その口の悪さに驚愕、若しくは平時とのギャップに悶絶したプレイヤーも多い(「いてこます」は関西圏でもなかなかに口が悪いワードとして有名)。バトルが日常茶飯事のポケモン世界ではこれくらいがデフォルトだったりするのだろうか…。
かなりの負けず嫌いでもあり、バトルに負けるとそっぽを向きながらムスッとした表情で嫌々とも取れる態度で拍手する。
主人公に対しては思うところがあるようで、藍の円盤のイベントではエリアゼロで危険を侵した主人公を叱る一幕もあった。リーグ部に特別講師として呼ばれた際のオモダカとの特殊会話では、主人公に特別な意識があることを見抜かれ特に機嫌を悪くしている。
もっとも、エリアゼロは本来立ち入りには許可がいる特級の危険地帯である。最初に入った時はペパーから事情を聞いたクラベル校長からの許可をもらい、同行者がいたからまだ良かったものの、(本編クリア後は扉が開けっ放しになっているとはいえ)何も言われないからと無許可で出入りを繰り返す主人公が全面的に悪いとも言える。そういう意味では、「責任ある大人」の立場からちゃんと叱ってくれる彼女は主人公にとってありがたい存在である。
手持ちポケモン
1戦目/チャンピオンロード終盤
チャンピオンロードを真っ直ぐ進んでいくと、最後に倒される想定をしてあるグルーシャからでも一気にレベルが10も跳ね上がる。道中のモブトレーナーをスルーしているとボコボコにされるので、ある程度鍛えてからきた方が良い。
最低限手持ちの平均が50台前半程度あれば、道中のレベルアップも加味して四天王とオモダカの連戦を勝ち抜くには十分だろう。
同じ四天王で地面タイプ使いのキクノに近い手持ちタイプ構成(タイプや特性で水で弱点が突かれない地面タイプが2体)だが、こちらは防御面よりも比較的攻撃面を優先した地面ポケモンが多い。ちなみにパルデアの地面ポケモンに岩、鋼の複合タイプを持つ地面ポケモンが特殊な立ち位置のテツノワダチしかいないため歴代地面タイプ使いのジムリーダー、四天王、しまキングなど名有キャラで初めてシナリオでそれらの複合タイプの地面タイプを使わないキャラになった(カバルドンが手持ちにいないのもそもそも必要無いからと言える)。
全体的に鈍足なポケモンが多く、先手を取って弱点をつければそこまで苦戦はしないだろう。
しかし、厄介なのはその弱点対策。4倍弱点をつけるポケモンも少なくないのだが、みずがついているナマズンや特性「ちょすい」でみずタイプ技を吸収するドオーなど、ウェーニバルなどのみずタイプアタッカーに頼ってきたプレイヤーは苦戦を強いられる。
また、四天王の3人に有利だからと言って氷タイプを先発させているとバクーダに焼かれてしまう。
他、ナマズンはくさが4倍弱点だがふぶきを備えており、ドンファンもどくづきを搭載しているなど、素直にタイプ一致技で攻めようとすると手痛い一撃が飛んでくることも。
不用意な交換はしない、相性不利で無いポケモンにサブウェポンで弱点わざを覚えさせるなど、一芸に特化しないことが勝負の鍵となるだろう。
特にドオーはテラスタルで高火力となりつつ、どくどく・まもるといったいやらしい戦法も使ってくるので注意。しかし、ミガルーサを育成しておけば、かたやぶりからの水技で倒せるので詰まったら利用すると良い。
またアーマーガアを使えばドオーを完封する事も出来るがやはりバクーダに注意。
余談だが、ポケモンを出す時は、投げた反動でそのままくるっと一回転する独特な投法を行う。
2戦目/ブルーベリー学園(藍の円盤)
- ダグトリオ Lv.82
- ドダイトス Lv.82
- ドンファン Lv.82
- ナマズン Lv.82
- バクーダ Lv.82
- ドオー Lv.83(テラスタル:じめん)
くさ・じめんタイプのドダイトスが加わったことで草・炎・水の3タイプ複合が揃い、タイプバランスのとれたパーティに仕上がっている。有利なポケモン1匹で突破するのはより難しくなっているが、個々の戦闘能力は高くない。等倍同士の打ち合いに勝てるポケモンを揃えて数の有利を取りたいところ。
アニメ版
アニポケ・第8シリーズ
cv:斎賀みつき
2024年4月より第3シーズンとなる『テラスタルデビュー』の第46話「ドキドキ!オレンジアカデミー」から登場する。
ネモにオレンジアカデミーを案内されているリコ達と遭遇し、ハッサクと話している途中のリコにセキエイ学園からの代表としてしっかり頑張るように激励した。
その後、第55話「対決!パルデア四天王」の終盤に数分登場し、リコとカエデの相手を務めること、使用ポケモンがドオーとダグトリオであることが判明する。
続く第56話「リコVSチリ!バトルの先に」では、ドオーとダグトリオとの連携でリコのニャローテを圧倒する。
しかし、ニャローテを庇って「どくづき」を受けたどく状態になりつつも特性「むしのしらせ」を発動させたエクスレッグによる反撃で「むしのていこう」によってドオーは攻撃力が下がり、エクスレッグはどくで戦闘不能になるもダグトリオが「とびはねる」による「まひ」でダウンしてしまう。
その後、ニャローテとドオーのテラスタル同士対決となり、強化した「だいちのちから」でニャローテを圧倒し勝利をおさめた。
他媒体
ポケモンカードゲームやろうぜ~っ!(スカーレット・バイオレット編)
チリをモデルとした、リッチなお姉さんが登場する。
ネクタイがチリーン型でサスペンダーはつけておらず、ピアスは四角いものを二つだけつけている。
ポケカクイズ大会を開催している。
ポケモンマスターズ
cv:白石涼子
4月26日に実装。
バディとなるポケモンは原作でも切り札として繰り出すドオー。テラスタルはないが、素の数値で優秀な防御力、スキルによって高くなる耐久力、味方の火力・耐久力共にサポートできるバフ技など幅広く使えるバディーズとなっている。
初登場イベントでは同じコガネ弁を扱うアカネやドオーの進化前のパルデアウパーの原種が進化したヌオーの使い手のカスミと交流を深める。カスミと戦った際にはハイダイの名を上げており、彼女の実力を彼と同等以上と評価している。その能力の高さからローズからも引き抜きを持ちかけられた。
ポケモンごっこともバトルを行い、君たちと同じくらいの年で四天王を勤めている子がいるから頑張れと発破をかけた(余談だが、なんの因果か女の子のポケモンごっこの中の人はアニポケの方でポピーを演じている)。
また、チリの実装と同時に、トレーナーズサロンでの招待も出来るようになった。
チーム編成時、チームの中にポピー、オモダカいずれかが編成されている場合やバトル勝利後は、特別な掛け合いボイスを聴くことが可能。
ポケマスでCVを務めた白石涼子氏は、過去にアニポケでハルカのアゲハントやアサヒを担当している。
『ポケモンカードゲーム』
2023年発売のレイジングサーフで登場。通常版ではメガネをかけており、SR、SAR版ではメガネをかけていない。
余談
- 四天王戦前の面接だがこれが結構難しく、ジムリーダーそれぞれが所在する街の名前を覚えておらず落とされるプレイヤーも少なくない(一応、入口前で「いままでのジム戦を思い出すといいですよ」と、それとなく助言してくれる人がいる)。特にポケモンに特殊な名前をつけたり、海外産メタモンを作るために英語版・中国語版などでプレイしているとゲーム中最難関ともいえる難易度になってしまう。
- 名前の由来はチリペッパーこと唐辛子と見られ、海外版でも唐辛子や辛さに関連した名前になっている。じめんタイプの使い手なのは「地理」とかかっているのかもしれない。
- 中性的な見た目から男女を問わず「一目惚れした」と言うプレイヤーが後を絶たず、pixivでも作品が数多く投稿されている。女性的な外見に反して男性であるグルーシャとは別の形で話題を呼んでいる人物である。そのあまりのイケメンさからお姫様願望を抱く男性も多数いる。お姫様は女の子だけの専売特許じゃねぇぜ!!
- ゲーム発売からわずか1ヶ月ほどで彼女のコスプレをする者が相次いだ。衣装にこれと言った特徴のある形や模様などが特にないため、何なら市販の服だけでも完結してしまうレベルで用意しやすいというのが大きいだろう。髪型もシンプルなので、ウィッグセットに慣れていれば作りやすく、中性的な容姿から普段から男装することが多いレイヤーにもやりやすいという事情もある。特筆すべきは事前発表されていないキャラであるにもかかわらず異例の速さで大量発生していることである。理由としては上述の通りだが、発売から僅か2、3ヶ月ほどでコスプレ販売店のモデル写真に使われていることからも、発売前発表されていないキャラクターにしてはどれだけ普及が早いかがお分かりいただけるだろう。
- そんな彼女だが、劇中での出番は一次試験の面接、ジム攻略中の顔合わせ、四天王戦のわずか3回のみであり、メインキャラの中でも出番の多さで言えば寧ろ下から数えた方が早い程。物語の本筋にもそこまで深く絡んでいる訳でもない。そんな少ない出番でもプレイヤーたちに絶大なインパクトを残したのだから、彼女のキャラ造形がいかに巧妙な者だったかがよくわかると言えるだろう。そのため、DLCで再戦したいと強く願うプレイヤーが後を絶たなかった。
- pixiv運営もこうした人気を受けてか、pixivisionでファンアートを特集した記事を掲載している。
- ニンテンドードリームで行われたSVキャラの人気投票では、総合3位(ハガキ投票2位、Web投票3位)に入賞した。
- 仕事に就ける年齢でないポピーを除くと、本作のジムリーダー・四天王・チャンピオンで唯一兼業についての情報がない。トレーナー1本、あるいは面接官をしている辺りアオキとは別部署のポケモンリーグ職員の可能性もあるが詳細は不明。二次創作では広報、人事部、事務職員、オモダカの補佐、トレーナー一筋のいずれかとする作品が多い。
- アニポケで彼女を演じる斎賀みつき氏は、過去のシリーズではシュウ、ポケモンマスターズではヨウ役などを担当している。
関連イラスト
関連タグ
他のじめんタイプの使い手
関西弁繋がり
主な特徴関連
- 顔面600族:元々はキバナに付けられた異名であったが、そのイケメンぶりに一部のプレイヤーからそう呼ばれるようになり、これ以降キバナ以外のトレーナーに対してもこの異名が使われるようになった。しかも、アニポケでの中の人である斎賀氏はイケボな上、リアルイケメン女子としても有名なため、「声帯も600族」と呼ばれる事態に…。
- だいちのプレート:じめんタイプ使いでおっぱいのないイケメン...というところから付けられるネタタグ。当然だが現実で他人にそのようなことを言ってはならない。あとこの人の迷言でもない。
中性的な見た目、男装(の麗人)、関西弁、緑髪、革手袋…と性癖のオンパレードに加え、一人称の「チリちゃん」、バトルにおける一つ一つの所作のカッコよさ等にドはまりした人間が男女問わず大量発生した結果、主人公のアバターを自分に重ね、彼女の隣で共に過ごしていくと言う二次創作が鬼の如く増えた。
なお、「夢女子が選ぶ2022年の100人」なる企画投票では数多の男性キャラを抑えて1位に輝いており、Twitterでは「チリちゃん」というワードが一時期トレンド一位を飾るほどの話題となった。それどころか、発売から約1年経った「夢女子が選ぶ2023年の100人」においても堂々の1位、連覇の快挙を達成している。何とも罪作りな女である…。ただし、この企画はあくまで個人が行っているものであり、公式の投票ではない点には注意。