概要
ロシアなど東欧の多くの国で多数派を形成している民族である。親記事が「白人」になっているが、「ゲルマン人」「ラテン人」などと同じく、あくまでも人種ではなく民族的区分と言える。
ただし、容姿の観点からは白人として分類されてもいる。など、文化や遺伝子・形質を語る上では少しズレが生まれるので注意が必要。
スラブ人の人種的形質や信仰する宗教(カトリック、正教会、イスラム教等々)などは多様であるため、一般的には「スラブ系の言語を話す人々」がスラブ人であると定義される。
スラブ人はロシアをはじめとした東スラブ人、ポーランド、チェコ、スロバキアが属する西スラブ人、バルカン半島諸国に居住する南スラブ人の3つに大別される。
19世紀にはスラブ人の一体性を強調する「汎スラヴ主義」なる考えも生まれたが、歴史上、スラブ人全体が宗教的・政治的にまとまった時期は一度もない。南スラブ人主体の国家であったユーゴスラビアは激しい民族紛争により瓦解、東スラブ人主体であったソビエト連邦の後継国家であるロシアとウクライナの間でも熾烈な戦争が起こっている。
ロシア人の記事に詳しいが、民族的なロシア人の多数派は茶髪や黒髪であり、生まれつきの金髪碧眼のロシア人も居ない訳ではないにしろ(少なくとも北欧人やオランダ人のような北方系のゲルマン人よりは)少ない。金髪の成人ロシア人女性の多くは染髪である。また、歴史的経緯から混血が激しく、東洋・コーカサス的な容貌の民族ロシア人も一定数いる。
西スラブ人であるポーランド人も、ドイツやリトアニアといった非スラブ人国家との歴史的関係が非常に深いカトリック教国である。加えて冷戦下においてソ連の抑圧に晒された経緯からロシアとは距離を置きたがる傾向が強い。実際冷戦後ポーランドでもっとも盛んに学ばれている言語は英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語と続き、ロシア語を学ぶ学生は全体の6%ほどに過ぎない。公共の案内板などで使われる主要言語も、ポーランド語、英語、そして歴史的経緯から一定数の話者がいるウクライナ語となっている。
さらに南スラブ人は、アルプスや地中海人種と交わった結果血統的にはディナール人種の血が濃く、濃色の髪と瞳を持つ傾向が強い。また、スラブ人は性別によって姓が若干変化する文化を持つが南スラブ人はそれを持たないなど文化的にも他のスラブ人と乖離が甚だしい。
表記揺れ
語源
スラブという言葉の起源は奴隷を意味するスレイブという言葉から…とよくいわれるがこれは誤り。
実際は逆で、スラブ人を奴隷にしたためにラテン語でスラブが奴隷の意味になったとされる。