概要
正式名称はリトアニア共和国。英語表記はRepublic of Lithuania。
リトアニア語ではLietuvos-Respublika、通称Lietuva(リエトゥバ)。
漢字表記は「立陶宛」となる。国名はネマン川上流域の古称「リエタ(流れ)」に由来する。
バルト海東岸に南北に並ぶバルト三国の一つで最南端に位置する。
北でラトビア、東でベラルーシ、南でポーランド、南西でロシアの飛び地であるカリーニングラード州と接する。
国土は東ヨーロッパの大河であるネマン川下流部に当たり、全体的に低地で約4,000ともされる湖や沼を有する。
1991年、エストニアとラトビアと共にソビエト連邦から完全独立。
ソ連時代はリトアニア・ソビエト社会主義共和国という名称であった。
バルト三国の中では比較的温暖な気候と豊かな土壌・森林に恵まれており、畜産と酪農を主軸とする農業が発達した。
その一方で化石資源や鉱物などに恵まれなかった事もあって、他の2ヶ国と比べて工業の発展が遅れていたとされる。
現在は輸入した資材による機械工業や、自国産の製紙業、食肉・水産加工業などが盛んである。
歴史
起源
リトアニアの名が初めて欧州地域の古文書に記されたのは11世紀の事である。
12世紀以降リトアニア人は進出するドイツ騎士団などとの紛争を続け、13世紀半ばにミンダウカス公が初めて統一しリトアニア大公国が成立。
14世紀には現在のベラルーシ、ウクライナ方面のスラブ人諸国を併合し、一時期欧州最大級の領土を有する。
その後ドイツ騎士団を始めとするキリスト教国やモンゴル帝国などの圧力を受けて、当時統一国家となったポーランド王国に接近しローマ・カトリック化の上で同君連合を組む(リトアニア・ポーランド同君連合)。
強国の干渉
しかしながら15世紀以降はポーランド王家の完全支配下に置かれる。
近代以降は戦争によってロシア帝国やスウェーデンの干渉を受けるようになり、18世紀にはプロイセンやオーストリアなども加わったポーランド分割によって同連合王国は消滅。
現在のリトアニアはロシア帝国に併合された。
第一次世界大戦後に共和国として独立するも、第二次世界大戦中にソ連に併合された上にドイツの軍事侵攻も受けた。
独立
ドイツがソ連に敗れて撤退すると、ソ連が再び占領軍を送ってきた。これに対しバルト三国それぞれに「森の兄弟たち」というレジスタンスが組織されて独立運動が起こる。独立国であった時代が長いリトアニアでは特に抵抗が激しく、数年にわたり農村部を完全な支配下に置き続けた。
10年以上に渡る悲惨な戦いの果てに森の兄弟たちは壊滅するが、残党狩りに移行する頃にはソ連の覇権は斜陽を迎えつつあった。1980年代末にソ連の弱体化と東欧全体での民主化運動が広まり、1991年に完全独立を果たす。
2004年にNATOと欧州連合に加盟。2015年にユーロ通貨を導入した。
渡航
査証免除取決めに基づき観光目的3ヶ月以内の短期滞在なら査証は不要だが、10年以内に発行された出国予定日から3ヶ月以上有効なパスポートが必要。また、シェンゲン協定に基づきあらゆる180日の期間で最大90日となる。
日本の外務省は危険情報はないがスリや置き引き、夜の店では違法薬物の取引が発生しているので注意してほしいとのこと。