概要
アラブ首長国連邦やクウェート、バーレーンなどで用いられる方言英語。
民族的には同じくアラブ人であるエジプト人も英語に堪能であるが、エジプト人はアラブ英語とはまた異なる独自の訛りの英語を話す。
背景
アラビア半島に位置するこれらの湾岸諸国においては、アラビア語が公用語である。
しかしながら、不足する成人男性の労働力を補うために、パキスタンやイラク、アフリカ諸国、イエメンなどから多数の出稼ぎ労働者を受け入れている事情や、企業活動目的で滞在している欧米人や中国人などの駐在員の存在もあり、そもそもアラビア語が理解できない、もしくは理解はできるものの、方言が強く通じにくいという事情もある。
特にドバイ首長国においては住民の過半数どころか、ほとんどを非UAE国籍の外国人が占めるレベルに達している。
そのため、公的な場では英語が経済言語として多用される。
特徴
rの音はスオミのそれに非常に近い、極度の巻き舌で舌を震わせて発音される。また、容認発音においては黙字化する母音の直後の語末のrもはっきり発音される。「car」「park」はそれぞれ「カッルル」「パルルク」のような音になる。
Bahrainのような黙字化・直前の母音の長母音化を示す「h」の音は、ドイツ語の「ch」のように息を強く吐き出す音となる。hの消失が著しいコックニーとは対照的である。
pとbの音が区別されず、どちらもbに近い音で読まれる。これは、アラビア語にはpに相当する音が存在しないため。
加えて、vの音はfと同音になり、「very」と「ferry」の区別がつかない。