概要
イギリス英語を構成する英語方言の一種で、国際的に英語の標準語とみなされている方言、すなわち基幹方言である。イギリス英語は方言が極めて多様な英語区分であり、その多様性は本項で解説する容認発音とアメリカ英語の差異をも大きく上回ることも多いため、イギリス英語がどのような英語かをはっきり定義づけることは困難であるが、一般に特にどこの訛りと言及せず単にイギリス英語と言った場合はこの容認発音を指す。
ただし、21世紀現在この英語を母語として用いる人間は英国内にもほとんどおらず、容認発音をベースにコックニーが折衷し、アイルランドなどの方言の影響を多分に受けた新方言(河口域英語)が広く話されている。
BBCの放送で用いられるため、BBC英語の別名でも呼ばれる。また、王族はこの英語で話すことが社会的に求められているため、長年クイーンズイングリッシュとも呼ばれていたが、2022年9月のエリザベス女王崩御に伴い、現在はキングスイングリッシュと呼ぶのが正しい。略称は「RP」。
評価
ハリウッドやディズニーといったサブカルチャーの台頭の影響もあって、国際的にアメリカ英語の話者が増大している今日この頃であるが、未だに敬語表現が乏しく、労働者階級の低俗な印象が残るアメリカ英語よりは、「正しい英語」「正しい発音」「美しい英語」としてこの容認発音、もしくはそれに近い発音の英語を話せる人間は、教養と品位のある証として好意的に受け取られる傾向がある。そのため、格式の高い学会などの場では必須スキルともなる。たとえアメリカ人であっても国際的かつ公式な場では容認発音風の発音を練習してから臨む場合があるほか、極めて訛りのきついオーストラリアでも、格式の高い場では容認発音とほとんど違いのない「Cultivated」という英語を使うのがマナーとされている。