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サタデーナイトスペシャルとは、低質粗悪で廉価な拳銃総じて呼ぶ俗称で、主にで用いられている言い回しである。

品質の悪さから「Junk Gun(ガラクタ銃)」とも。


概要編集

 拳銃は小型で普段から持ち歩いたり、或いは犯罪を目的として隠し持つ事が容易である。

また、刃物と違って相手を殺傷する事に関しては特に高度な技術は不要であり、相手に接近する必要もない。

 このため、拳銃は犯罪者に多く使用されるほか、その犯罪者から身を護るために広く用いられた。

 サタデーナイトスペシャルは、拳銃の中でも殊更に低コスト・低品質で濫造されたものを指す。

 「サタデーナイトスペシャル」の由来は、1960年代にこれらの廉価な拳銃による銃撃事件(チンピラの喧嘩)が土曜日夜間に多発したためであるとされる。

 一般的に合法、非合法(密造品や密輸品など)に関係無く使われる言葉である。

 

 この銃の立ち位置を日本にある物品で例えるのは難しいが、「文房具のハサミ」で例えれば、S&WSIGあたりの大手メーカーが手掛けた物が大手文具メーカー製のハサミ、サタデーナイトスペシャルは量販店やディスカウントストアの片隅の無名メーカー(或いはメーカー名すら判らない)のそれになるのだろうか? 前者は基本的に品質が安定し長ければ10年以上使えるのに対し、後者は前者の半値程で売られ「丈夫で切味がいい大当たり」があれば、新品でも用をなさなかったり購入後1週間ほどで壊れる粗悪品も混じっているのである。

品質編集

 一般的に安価に販売するために低質な材質を使用し、設計や加工、仕上げも最低限である。

 (一応)真っ当な鋼材を使うなど、価格の割に実用に堪えうる物があった一方で、中には本来銃の強度部品に使うべきではない亜鉛ダイカストを使ったため長期の使用に適さないどころか撃つだけで破損するような低質極まりないものも存在したという。

 最低ラインはなんと50ドル前後。当然品質や安全性などが担保された代物ではないが、このような価格相応の低品質なものでも、数発撃ってカツアゲする程度であれば用をなすので需要は事欠かない。むろん、長期の連続使用はまったく想定されておらず、暴発や銃本体の破裂事故の原因となる。

 当然、真っ当なガンショップに並ばないような非合法的なモノともなれば訴訟のリスクは考えなくとも良くなるのでさらなる粗悪品も考えられる訳である。

作動方式編集

 再三述べたとおりサタデーナイトスペシャルは「異常に廉価な拳銃の総称」であるため、使用弾薬や作動方式は多岐に渡る。

 コストカットを重視しているとは言え、流石にリベレーターほど簡略化すると実用的では無いため、一般的に自動式回転式、或いはレミントン・ダブルデリンジャーのように多連装としている。

 使用する弾薬は、.22口径や.32口径などの小型のものが一般的である。これは小型・低威力であれば銃自体の強度がそれほど要求されないため、高価な材料を使用したり、強度を上げる加工を省略出来るからである。しかしながら、中には.38スペシャル.44マグナムといった比較的威力がある弾が使用できるものもあったという。無論品質によっては発砲時の危険性が飛躍的に上がることは言うまでもない

製造編集

 製造は、町工場や個人経営の銃砲店などの零細企業が行う場合や、金策に困ったガンスミスがこっそり製造する、犯罪組織による密造などの多岐に渡る。

 有名メーカーや中堅メーカーのものは、仮に小型で普及品や実用品などの低グレードのものでも、サタデーナイトスペシャルの範疇には含まれない。当然、真っ当なものであれば品質や安全性などが価格に反映されているため、$100ないし$200程度~と、日本の銃雑誌に出るような有名モデルよりは安いがサタデーナイトスペシャルの価格帯よりは高くなる。

 一例では、スターム・ルガーの銃は品質の割にかなり安価とされるが、それでも自動式のベーシックモデルで$259程(公式サイト)。スターム・ルガーは品質に対する評価も良く中堅メーカーとされるためサタデーナイトスペシャルとは呼ばれない。

社会への悪影響編集

 粗悪ながらも誰もが銃を入手出来てしまうため、「銃を買う→銃で犯罪が起きる→被害者が銃を買う→それを犯罪に使う→…」負のループが構成されてしまい、銃社会アメリカの治安低下の一因となっている。しかしながら、違法な銃の取締は行われても銃そのものに対する規制は、銃器メーカーの利権保護や市民団体の活動が根強いために足取りが重いのが現状である。

 また、この手の銃に使われる比較的威力の弱い弾薬、例えば.22LR弾などは(一部銃規制に協力的な企業・店舗を除き)ディスカウントストアなどでカートン単位でたやすく購入可能であることも、この手の銃の拡散を助長している。

 

 犯罪を題材にしたクライムゲームなどでは、本来犯罪者が主に使うこれら粗悪な銃は登場することがなく「本来購買能力のないチンピラがブランド物の銃を使う」という、よく見ると奇妙な光景が画面で展開されることも。知名度が皆無な銃の場合はプレイヤーに威力などのイメージが湧きにくくなるので、有名どころの銃を使わざるを得ないのかも知れない。(ただ、ゲームへの銃火器がライセンスの関係で架空銃が増えてきたため、粗悪な拳銃が登場すようになる、かもしれない)



関連タグ編集

FP-45 デリンジャー

デッカードブラスター …サタデーナイトスペシャル扱いされる事もある銃がプロップガンの制作に使われた。

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武器 拳銃 犯罪

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