概要
IWS2000とはオーストリアのステアー社が開発していた新型の対物ライフル。IWSとはInfantry Weapon Systemの略で、名前の意味は「2000年式歩兵火器システム」である。
現在Pixivで本体のみを描いたイラストは皆無に等しく、このタグがつけられているのは「少女前線」に登場するIWS2000がモデルのキャラクターのイラストである。
本項では銃本体を解説する。
開発経緯
1980年代以降、米国で対テロ作戦用に口径12.7mmの大型の半自動狙撃銃M82A1が登場すると、その後の十数年間に、大口径の対物狙撃銃が世界各国で開発されるようになった。
なかでもステアー社は、80年代の中期以降、それまでの軍用小火器や携帯型ロケット兵器では不可能だった、遠距離における高精度で十分な威力を伴う狙撃能力を持つ火器の開発を独自に推し進めた。
その結果、同社では15.2mmという大口径で、1,000m余りの距離から軍用装甲車の装甲板を貫徹可能な半自動対物狙撃銃の開発をする事になり、IWS2000が開発された。
特徴
動作方式はプルバップ式。銃身長は1.2mで、弾丸の初速は1,450m/秒。有効射程は1,500m以上と言われ、試作された徹甲弾では距離1,000mで40mm厚の防弾鋼板を撃ち抜くことに成功している。弾薬の装填には5発入り箱型弾倉を用いる。
だが何より特徴的なのは弾丸と銃身の構造。
弾は15.2mmAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)。
もう一度言う。 APFSDS弾である。
この弾を採用するにあたって、銃身にはライフリングが彫られていない。
つまり、15.2mm滑腔砲からAPFSDS弾を発射......戦車砲と全く同じ構造である。
欠点
だが、この戦車砲の様な構造には欠点があった。
APFSDS弾は発射後、空気抵抗で装弾筒が外れるのだが、大口径とはいえ15.2mm程度の弾丸では戦車砲と比べて発射後の空気抵抗が小さすぎて装弾筒がうまく外れず、かえって弾道が不安定になる事があった。動作不良も続出したのだとか。
現在は開発は頓挫し、量産化は断念されたと伝えられている。