1957年より、南部麒次郎が創設した中央工業を改組した新中央工業において、国産拳銃の開発が再開された際に最初に開発された自動式拳銃である。
大型の軍用拳銃として自衛隊向けに開発された9mm口径「M57A」と、警察機関向けに開発された.32口径「M57B」があったが、何れも採用されなかった。
- M57A
9mmパラベラム弾を使用する自動式拳銃。シングルアクションで装弾数は8発。
全体的な設計はM1911を範として、細やかな改良が加えられている。
当時、アメリカから自衛隊に供与されていたM1911A1やM1911は、.45ACP弾を使用するため反動が強く、銃そのものが大きすぎて日本人には扱いづらかったことから開発された。
M1911の代替として自衛隊の採用審査に2回提出された。
1回目はアメリカ軍が使用していない弾薬を使うことが懸念され不採用。やや期間を開けて行われた2回目の採用審査には改良型のM57A1が提出されたもののSIG P220が採用された為に落選した。
- M57B
空港警察や国鉄向けに開発された.32ACP弾を使用するの自動式拳銃。シングルアクションで装弾数は8発。
日本で馴染みの深かったブローニングM1910をベースに、ストライカー式の撃発機構をハンマー式に変えている。
警察向けには回転式の「ニューナンブM60」が採用されたが、自動式のニューナンブは採用されなかった。
現在、一般人がM57A1を見られるほぼ唯一のチャンスは陸上自衛隊土浦駐屯地の武器学校の見学のみ。
一方で、M57Bの実物を見た人は……