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鉄道公安官

てつどうこうあんかん

旧国鉄(日本国有鉄道)時代、警察官と同等の職務を行うことができた職員の俗称。
目次 [非表示]

かつて日本国有鉄道国鉄)に存在した司法警察権を有する職員の俗称。正式には鉄道公安職員


鉄道公安職員の仕事を描いた同名のドラマも存在した。詳細は後述

概要編集

昭和22年(1947年)、敗戦による治安悪化に対応するため運輸省鉄道総局(昭和24年、公共企業体日本国有鉄道として独立)内に創設されたもので、国鉄が運行していた鉄道路線、バス連絡船と国鉄管理の敷地内において警察官と同等の職務を行うことができた。


一番多かった時期で総数40万人を数えた国鉄職員の中でも、公安職員は僅かに3000人程度と少世帯であったが、駅構内の巡回警備や案内業務、遺失物の捜索などを行っていたため利用者に接する機会が多く、認知度は高かった。

制服・業務編集

警察官類似の制服を着用し、制服着用時は警笛拳銃、伸縮式の特殊警棒手錠、無線機と、これらを腰に提げるための帯革を装備していた(実際に発砲した事案はなく、拳銃は要人利用時の警護や治安が劣悪だった頃以外は携帯しなかったようだ)。


主な業務は、駅構内や列車内の巡回警備の他に、スリや置き引き・不正乗車暴力行為といった鉄道施設や列車内で発生する犯罪の捜査や容疑者の逮捕、貨物・荷物のトラブル(逸失、汚損など)の防止、輸送障害(踏切事故、置き石や投石などの悪質な悪戯、過激派などによる鉄道施設への破壊工作)の予防や啓発活動、ラッシュ時や繁忙期の駅構内の整理誘導など非常に多岐にわたり、更には「撮ると金運に見放される」といわれた日本銀行所有の現金輸送専用車両マニ30の警乗も行った。


鉄道公安機動隊

昭和40年代の「スト権奪還スト」などに代表される労働運動に対抗するため、警察の機動隊とほぼ同じ装備の鉄道公安機動隊も存在していた。但し、乱闘服(出動服)やヘルメットは警察が濃紺に対して鉄道公安職員はコゲ茶色、帽章は警察が旭光章に対して鉄道公安職員は動輪と五七桐を葉が囲む意匠とそれぞれ差異あった。



ほとんどの鉄道公安職員は昭和62年(1987年)年に国鉄が分割民営化された際に各都道府県鉄道警察隊の隊員になったが、鉄道員でいたいとJRの一般職(駅務など)に転属する者もいた。

テレビドラマ「鉄道公安官」編集

1979年4月9日から1980年3月17日までテレビ朝日系フルネット局で放送されていた毎週月曜日の20時より放送していたテレビドラマ。全42話。

東京鉄道公安室内に創設された捜査部署「ゼロ課」に属する鉄道公安官の活躍を描いたドラマで、その性質上捜査範囲が全国に渡るため各地でロケが行われた。長らくDVDは発売されていなかったが、2016年11月・12月にようやくDVD-BOX全2巻がリリースされた。


登場人物/キャスト編集


オープニング・エンディング編集

  • 鉄道公安官のテーマ

作曲:前田六郎

インストのオープニングテーマ。


  • 「ホームタウン急行(エクスプレス)」

作詞:山川啓介 作曲:佐藤健 編曲:坂本龍一 歌:サーカス

アメリカン・フィーリング』のB面に収録。

エンディングテーマだが第1話から第12話まではオープニングにも使用されていた。


関連タグ編集

公安官 警察


鉄道公安官を題材にした作品

鉄道公安36号

新幹線公安官

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