曖昧さ回避
- 鉄道に関わる業務に従事する職員。
- 上記を題材として浅田次郎が1995年に発表した小説、及び同作品を原作として1999年に映画化された作品の題名。映画版主演は高倉健。
- 1956年にイタリアで公開された映画の題名。
1の概要
鉄道に関わる業務に関わる業務に従事する職員のことで、
pixivでは、旅客が目にすることが多い駅員や乗務員(運転士・車掌)のイラストが多い。
2の概要
メイン画像の作品。『ぽっぽや』と読む。
浅田次郎の短編小説で、『小説すばる』1995年11月号に掲載され、1997年4月に短編集として単行本が刊行された。
娘や妻が亡くなった日も、雪の日も駅に立ち続けた佐藤乙松駅長の物語。彼が務める北海道の幌舞駅は路線の廃止に伴う廃駅が決まっており、それと同時に彼も定年を迎えようとしていた。雪積もる正月、駅に女の子が現れ、人形を忘れて行った。それが彼に訪れた優しい奇蹟の始まりだった。
1999年6月に映画が公開された。監督は降旗康男、主演は高倉健。上映時間は112分。
配給収入は20億5000万円。
同時期には同じく北海道の駅を舞台にしたNHK連続テレビ小説『すずらん』が放送されており、両作とのタイアップを機にJR北海道で蒸気機関車の運行が復活した。
九州の筑豊から越してきた炭鉱夫役として、志村けんが出演していることでも知られる。
氏が2020年に逝去するまでの間、デビュー初期のドリフ映画シリーズを除いて俳優として出演した唯一の実写映画作品でもある。志村は出演に際し「ひとりで活動するようになってからシリアスな映画に出るのは初めて。お笑いしかやらないと決めていたけれど大好きな高倉さんからの指名と聞いて引き受けた」と語っていた。
キャスト
佐藤乙松:高倉健
佐藤静枝:大竹しのぶ
三姉妹の三女:山田さくや
三姉妹の次女:谷口紗耶香
三姉妹の長女:広末涼子
杉浦仙次:小林稔侍
杉浦明子:田中好子
杉浦秀男:吉岡秀隆
杉浦由美:大沢さやか
吉岡肇:志村けん
吉岡敏行(少年時代):松崎駿司
加藤敏行:安藤政信
加藤ムネ:奈良岡朋子
飯田:中本賢
スタッフ
監督:降旗康男
脚本:岩間芳樹、降旗康男
音楽:国吉良一
撮影:木村大作
主題歌
- 鉄道員(TETSUDOIN)
作詞:奥田民生
作曲:坂本龍一
歌:坂本美雨
撮影に使用された駅
撮影は根室本線の幾寅駅で行われた。撮影の木村大作が1998年夏にロケハンを開始し、イメージに合う駅を探した。
しかし『駅 STATION』の上砂川駅など有力視していた駅のほとんどが廃止となっており諦めかけていた中で幾寅駅を見つけたという。
駅舎をより古びた形に改装したほか、コンクリート製だった駅周辺の電柱を木製に変え、駅前に床屋とだるま食堂を建設。模擬の腕木式信号機や車止めを設置した。
本来の幾寅駅は途中駅のため、列車の運行の合間を縫って線路に雪を積み車止めを設置して終着駅に見せかけている。
撮影終了後もだるま食堂などのセットは残され、後述のぽっぽや号が運行終了してからは同車の前頭部も駅前に保存されている。
ターミナル駅という設定の美寄駅は実際の根室本線の起点である滝川駅で撮影された。
ぽっぽや号
撮影に使用された車両はJR北海道が所有するキハ40形気動車(キハ40 764)を、原作に登場するキハ12形気動車に似た外観に改造した車両。JR北海道はキハ12形に似たキハ22形を保有していたが制作前の1995年に全車廃車となっていたため新たにキハ40形を改造することとなった。
改造は苗穂工場で行われ、側面窓をバス窓風に、前面のパノラミックウィンドウを平面に、前照灯を1灯式に改造し塗装も首都圏色に変更した。
車輛番号は22両が製造されたキハ12形の続番「キハ12 23」表記となっていた。
撮影終了後は本来の「キハ40 764」の車番を併記した上で「ぽっぽや号」として運行していたが、改造により老朽化していたことと前方の視界が悪化していたことを理由に2005年6月に廃車。前頭部が幾寅駅前に保存されている。
余談
- 原作が直木賞を受賞したころから映画化の企画が始まったが、なんと15社もの映画会社が名乗りを上げ、東映と松竹が最後まで映画化を競い合ったという。
- 最終的に高倉健の出演を条件に東映での製作が決まった。
- 敗れた松竹も同じ短編集に収録されていた『ラブ・レター』を映画化している。
- 降旗監督は原作が短編であることと、新たに駅のセットを組む必要があることから制作費の増大を懸念しており、東映に「覚悟なさっているんですか」と尋ねたところ「当然です」と答えられたことから引き受けたという。
- ロケ地である幾寅駅を含む根室本線一部区間は、2016年の台風被害により営業を休止していたが、2022年1月28日に復旧を断念することが発表され、2024年4月1日に正式に廃止される。
- 映画では原作小説を大きく引き伸ばしているため、オリジナルのシーンや登場人物が多く登場する。先述の志村けんが演じた役もその一つである。
- 映画公開と同時期の1999年に「月刊アフタヌーン」でながやす巧によるコミカライズが掲載された。制作は映画版より早かったためキャラクターデザインは映画の出演者には似ていない。登場する気動車はキハ12形をモデルに描かれている。
- 2002年1月にはテレビ朝日系列でオリジナルのスピンオフドラマ『鉄道員/青春編』が放送された。主演は岸谷五朗。
3の概要
『てつどういん』と読む。原題は『Il Ferroviere』
1956年に公開されたイタリアのドラマ映画。
監督・主演はピエトロ・ジェルミ。
第二次世界大戦後のイタリアに生きる庶民を、ある初老の鉄道機関士とその息子の目を通して描いた映画史に残る作品。
上映時間は118分。