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概要編集

機関車専用の車両基地。



旅客列車も機関車牽引が当たり前だった国鉄時代には、全国に総勢156の機関区が存在し、それぞれが日本の人流と物流を支えた。

しかし、近代化で電車気動車への置き換えが進むと、機関車の必要性が大幅に縮小し、同時に機関区も削減。

多くは廃止されたり、電車や気動車を扱う車両基地に転用された。


主な設備編集

検修庫編集

機関車を「査」「繕」するから「検修庫」と呼ばれる。

多くの場合、線路周辺が掘り下げられるか、逆に線路部分が嵩上げされ、床下や車輪の間などの検査、修繕に便利なようになっている。

また、電気機関車も入線する場合は、屋根上の作業などに備え、架線の電源を切ることができるようになっている。


蒸気機関車時代から存在する古い機関区は、扇形車庫と呼ばれる扇子のような形をした車庫を持っていたのが特徴。

これは、転車台と組み合わせることによって、多くの機関車を省スペースで収容できるデザインで、日本以外にも世界各地で見ることができた設備であった。


現在でも各地の機関区跡地に現存するものがあり、主に観光名所として活用されている。


天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅では、現在でも遠江二股機関区時代の扇形車庫と転車台を実運用している。

また、京都鉄道博物館にある旧梅小路機関区の扇形庫と転車台は、博物館でありながら現役の検修設備として使用されているという珍しい例である。

運が良ければ、SLが整備されている様子を見れるだろう。


留置線編集

関車」を略して「機留線」と呼ばれることも多い。

こちらも、架線の電源を切り、屋根上で作業ができるようにしているものもある。


給油設備編集

ディーゼル、ハイブリッド機関車を管理している場合、当然ながらエンジンを動かすのに必要なディーゼル燃料が必要となる

多くの場合、ガソリンスタンドの給油機を軽油専用にしたようなものが設置されている場合が多い。

また、可燃物を取り扱う関係上、多くが屋外に設置されている。


給水設備編集

蒸気機関車全盛期には至る所で見られたものであるが、動力近代化の進展とともに姿を消し、現存するものは少ない。

主に給水塔と給水柱からなり、一度給水塔で高い所まで持ち上げた水を、重力を利用して一気に機関車に入れる設備となっている。

現在は、かつてのように大量の蒸気機関車を運用する場所が少なく、水道で事足りてしまう場合も多いため、使われている場所は少ない。


給炭設備編集

蒸気機関車全盛期には至る所で見られたものであるが、動力近代化の進展とともに姿を消し、現存するものは少ない。

大規模なものだと巨大な給炭ホッパーやガントリークレーン。小規模なものだとコンクリートや木でできた給炭台があった。

現在、SLを運用している場所でも、その役目はフォークリフトやブルドーザーなどの重機に取って代わられている


転車台編集

蒸気機関車など、鉄道車両の向きを変える装置。

動力近代化の後も、検査などの都合で車両の向きを変えるのに便利だからか、案外現存している。


蒸機が幅を利かせていた時代は、駅構内に3基もの転車台があり、それが日夜フル稼働していた時もあった。


現存する機関区編集

国鉄が分割民営化された後、多くのJR各社は設備の改称と改組を行った。

これにより、機関区の多くは「車両センター」に改組され、現在のJR旅客会社では、機関区という呼称の施設は存在しない

まあ、高崎車両センター高崎支所など、所属車両がほとんど機関車で「それ機関区じゃね?」と言いたくなるような場所もあるにはあるが。


現在、「機関区」の呼称が残る場所は、全てJR貨物の管轄となっている。


北海道/東日本地区編集

西日本/東海/九州地区編集


関連項目編集

機関車 車庫

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