概要
豊田巧著、バーニア600挿絵による鉄道系ボーイミーツガール小説。
正式なタイトルは『RAIL WARS! 日本國有鉄道公安隊』。
国鉄(本編内での表記は國鉄)が分割民営化されていないパラレルワールドの日本を舞台に、OJT研修として鉄道公安隊に配属された高山直人ら4人の高校生と公安隊メンバーの活躍を描くライトノベル。
この世界では国鉄は民営化されなかった一方、電電公社と郵政省は民営化されているらしい。
既刊13巻は創芸社クリア文庫より発売されているが、創芸社のライトノベル事業撤退により、実業之日本社Jライトノベル文庫に移籍して巻数はリセットされずに14巻として発売された。2020年12月に刊行された20巻をもって完結した。2015年5月時点で累計発行部数は60万部を突破している。
2021年4月からは続編(シリーズ)「RAIL WARS!A」が、引き続き実業之日本社Jライトノベル文庫から刊行されている。
当初13巻のアテラ国編は『RAIL WARS! B-SIDE(仮)』という別タイトルで刊行予定だったが、本編13巻という形で刊行された。
テレビアニメ化された事がある。詳細は後述。
あらすじ
「電車内で痴漢が逃走したらどうする?」「もちろん射殺する」
桜井あおいは即答し、俺は頭を抱えた。超巨大優良企業・國鉄に就職し、安定した将来を夢見る平凡な高校生、高山直人。そんな俺が研修で配属されたのは、男嫌いの桜井をはじめヤバい奴だらけの「鉄道公安隊」だった!しかも、國鉄の分割民営化を企む過激派「RJ」まで暗躍し……どうなる? 俺の人生設計!
國鉄が分割民営化されなかったもう一つの日本を舞台に、夢の鉄道パラダイス・エンタテイメント! 定刻通りに出発進行!?
引用元:創芸社クリア文庫より
登場人物
登場人物の苗字は各地の鉄道路線名に由来する。支線や路線愛称に由来する人物もいる。
RJ主要メンバーは国鉄民営化以前に廃止になった路線という共通点があるが、それ以外に特に法則性はない。
日本國有鉄道
東京中央鉄道公安室第四警戒班<警四>
高山直人(たかやまなおと)
声 - 福山潤
本作の主人公。桐生鉄道高校に通う2年生。幼いころから鉄道が好きで、将来は國鉄で運転士として生涯安泰の生活を送ることを夢見ている。
「学生鉄道OJT」と呼ばれる高校2年生から行われる研修制度で國鉄を希望し、校内で唯一選ばれるも、畑違いの鉄道公安隊に配属されてしまう。
現在は東京中央鉄道公安室第四警戒班(通称「警四」けいよん)班長代理を務める。
アニメでは埼玉県上尾市に住んでいる設定になっている。
名前の由来は高山本線。
桜井あおい(さくらい-)
声 - 沼倉愛美
本作のヒロイン。東京中央鉄道公安室第四警戒班所属。大の男嫌いで、配属前の短期研修で「痴漢を見つけたら即射殺する」と即答し男子たちを震え上がらせた。
警察官の父親がおり、彼女を警察官にさせようと度々海外に連れて射撃訓練をさせたり、合気道などの武術を習わせたため、銃器の扱いや格闘に長けており、短期研修では座学とともに成績はクラストップだった。
一方、父の教育方針によって「男は信用できない」と考えるようになり、反抗期に入ると父にも嫌悪感を持つようになり、警察と唯一戦うことが出来る鉄道公安隊に入隊を希望する。護身用に拳銃を持ち、大事件が起こることを常に願っており、平穏に研修を進めたい高山とはいつも対立している。
幼いころ、駅で電車とホームの隙間に落ちたことがあり、それがトラウマになって深い隙間が苦手になっている。
名前の由来は桜井線。
小海はるか(こうみ-)
声 - 内田真礼
本作のもう一人のヒロイン。東京中央鉄道公安室第四警戒班所属。短期研修では座学の成績はトップで、東京駅を発着する全ての列車の時刻を記憶しているが、かなりの運動音痴。
祖父はかつて多額の赤字を圧縮させた伝説の小海総裁だが、本人が周りに言っていないので、直人たちは知らない。
幼いころ、交通博物館で倉庫から出られなくなってしまった際、偶然来ていた直人に助けられたことがあり、以来思いを寄せるようになった。
名前の由来は小海線。
岩泉翔(いわいずみしょう)
声 - 日野聡
東京中央鉄道公安室第四警戒班所属。桜堤高校2年生。高山とは短期研修で最初に知り合う。運動神経は抜群だが、座学の成績は酷く追試の常連で、いわゆる「筋肉バカ」。常に防刃チョッキを着て、特殊警棒を2本常備している。
ちなみに父親はカタギの人間である。間違っても頭にヤの付く自由業ではない。
名前の由来は岩泉線(2014年廃止)。
飯田奈々(いいだなな)
声 - 堀江由衣
東京中央鉄道公安室第四警戒班班長。普段はのほほんとしているが、鋭い洞察力を持っている。
直人たちの保護者役を務め、彼らのよき理解者でもある。五能隊長とは同期で同じ部署にいた経緯から、仲がいい。
名前の由来は飯田線。
け〜よん
東京駅爆破予告事件の時に、爆弾が取り付けてあったペットのケージの中にいたロングコートチワワ。はるかがこの子犬を気に入ったため事件後は警四で飼うことになった。
ただし、直人や翔などの男性が近寄るとものすごい勢いで吠えるため、現在はあおい・はるか・飯田などの女性陣が世話をしている。
痴漢撲滅のポスターに起用されたため東京駅で働いている人にも人気があり、ペット用のシャンプーなどの差し入れもある。アニメにも登場するが、こちらでは事件解決後は飼い主に返されたのかその後は登場しない。
その他國鉄職員
五能瞳(ごのうひとみ)
声 - 中原麻衣
東京公安機動隊隊長。國鉄独自の機動隊である公安機動隊初の女性隊長で、暴動鎮圧の際には最前線に立つ。
短期研修の際には高山たちの教官を務め、彼らの警四配属後は陰ながら見守っている。
名前の由来は五能線。
貝塚 直樹(かいづか なおき)
東京公安機動隊副隊長。7巻でのRJ拠点攻撃の際には警四メンバーと氷見の参加した二個小隊を指揮している。
11巻の時点では瞳が謹慎処分となっているため代わりに隊長代理として公安機動隊を率いている。
大湊(おおみなと)
声 - 中博史
東京中央鉄道公安室長で、かなりの神経質。直人の名前を何度も間違える。
アニメ版で下の名前が「修(おさむ)」であることが判明。アイドルの鹿島乃亜の大ファン。
名前の由来は大湊線。
氷見 文絵(ひみ ふみえ)
身長154cm、血液型A型、9月15日生まれ(乙女座)。
直人らと同期で、横浜鉄道公安室・第二警戒班で学生鉄道OJT研修中。「OJT事前短期研修」時の格闘戦トーナメント決勝「アイアンガール血戦」の経緯もあり、あおいとは折り合いの悪い白銀の髪を持つクールビューティー。
当初は取っ付きにくい部分を見せていたが、直人たちと行動を共にするようになってからは奈々にRJの独自の調査結果を報告するために東京駅の警四を訪れることもある。
研修時は、筆記は常にトップクラス、運動系はあおいに次ぐ2位だった。
ナイフ投げの名手で普段は万が一に備え複数のナイフを隠し持っているが、訓練や実戦時には縮めたままの伸縮式警棒で代用している。実は高所恐怖症。
また、あおいに似て事件を深く捜査したがるため、同じ横浜中央鉄道公安室第二警戒班(警二)メンバーで平穏無事に研修を終わらせたい福塩や新湊に煙たがられている。このため単独または警四とともに行動することが多い。
また、細かい事件は福塩に揉み消されておりRJ絡みの事件に関わった場合のみ上層部に報告されるため、根岸副本部長や宇野部長にはRJの仲間ではないかと疑われていた。
前述の通り、あおいとは似た者同士であるため(RJ絡みなどで)よく衝突する。その反面、直人とは気が合う(直人による扱いがあおいに対してとは明らかに違い、配慮されることが多い)。
はるかには憧れもしくは畏怖されているところがあるが、翔とはあまり交流がない。ただし11巻では警四と行動を共にしていたことで翔と意気投合している。
アニメでは第1話の國鉄中央学園の教室内の場面でモブキャラとして登場しており、筆記テストの順位表にも4位に名前が掲載されている。
名前の由来は氷見線。
福塩 諸男(ふくえん もろお)
横浜鉄道公安室・第二警戒班で班長代理として学生鉄道OJT研修中の男子。父親が國鉄関係者であり、何事もなく研修を終わらせたチームから内定が決まると聞かされているため、氷見の持ち込んでくる厄介事をすべてもみ消している。
名前の由来は福塩線。
新湊 万葉(しんみなと まんよう)
横浜鉄道公安室・第二警戒班で学生鉄道OJT研修中の女子。福塩同様、氷見のことを疎ましく思っている。
名前の由来は新湊線(貨物線)。
成田 哲也(なりた てつや)
声 - 天田益男
榛名研修所での高度研修で、警四の教官をしていた。瞳や奈々の教官も務めたことがある。
14巻では瞳とともに直人たちの任務に同行している。
名前の由来は成田線。
和歌山 純一(わかやま じゅんいち)
声 - 斎藤寛仁
鉄道公安隊軽井沢分室の公安隊員。EB42形軌道自転車「アプト君」の管理を行っていた。
名前の由来は和歌山線と思われる。
片町 登(かたまち のぼる)
声 - 松山鷹志
東京駅駅長。はるかの祖父と知り合いであるため、はるかのことを「小海お嬢さん」と呼んでいる。
名前の由来は片町線。
七尾 美穂(ななお みほ)
声 - 加隈亜衣
片町駅長の秘書の一人。
名前の由来は七尾線と思われる。
山田(やまだ)
声 - 斎藤寛仁
小説第2巻で事件の発生した「北斗星3号」に車掌として乗務していた人物で、かなりのベテラン。仙台鉄道管理局所属。列車の2時間遅延を笑ってやりすごすなど温和な性格である。
名前の由来は山田線と思われる。
南武(なんぶ)
首都圏の鉄道公安隊を統括する、首都圏鉄道公安隊本部長。かつては運転士を務めていたが、上司の薦めで公安隊に応募し現在に至る。ある出来事で直人が運転士になろうと決めたきっかけとなった人。
アニメ版では、南武と言う役名での登場こそないものの、原作における南武の初登場に相当する場面で、「男」と言う役名で登場し、高山が気付くきっかけになった言葉を発している。(ただし、原作と違い、高山が気付く描写は無い)上記の運転手と同じ声優が声を当てている。
名前の由来は南武線。
根岸 勉(ねぎし つとむ)
首都圏公安隊副本部長。11巻では内部調査局局長も兼任しているがあまり内部調査局には顔を出していない。
18巻で本部長となる為に部下達に指示して士幌を射殺する際に誤射と見せかけて南武を暗殺しようとしたが、19巻で國鉄本社にて身柄を拘束された。
名前の由来は根岸線と思われる。
宇野(うの)
首都圏公安隊部長。9巻では内部調査局の暫定的な責任者となっている。11巻では人事異動で内部調査局の副局長(実質的責任者)となっている。
名前の由来は宇野線と思われる。
東金 成男(とうがね しげお)
本社総務本部・総務部部長。6巻で五能隊長・宇野部長とともに直人の面接の面接官を担当した。
直人の第一印象はフライドチキン屋の前に立っている人形。
名前の由来は東金線と思われる。
小浜(おばま)
東京中央鉄道公安室・第一捜査班班長。
名前の由来は小浜線と思われる。
奈良(なら)
東京中央鉄道公安室・第二捜査班班長。上京して20年以上になるが関西弁で話す。
名前の由来は奈良線と思われる。
長崎 賀男(ながさき よしお)
東京中央鉄道公安室・第三警備班班長。翔が大人になったような人物。
名前の由来は長崎本線と思われる。
大崎(おおさき)
倉賀野貨物駅総務課の職員。國鉄の金を横領してギャンブルや女遊びでつぎ込み、金に困っていたところを手宮に利用されRJに発券機を横流ししていた。
名前の由来は大崎駅と蛇窪信号場を結ぶ短絡線の通称「大崎支線」と思われる。
内子 秀秋(うちこ ひであき)
九州鉄道公安隊・延岡分室の公安隊員。高千穂線幽霊騒動の際に警四の案内を担当していた。
あおいよりもリボルバーを綺麗に磨いているが使用したことは一度もない。
一人娘がおり、私立高校に通っている。
名前の由来は内子線と思われる。
釜石 宮来(かまいし みやこ)
榛名研修所の食堂に勤めている女性。
名前の由来は釜石線と思われる。
石巻 亜美(いしのまき あみ)
直人たちの乗った「新特急谷川7号」の運転手。
名前の由来は石巻線と思われる。
太多(たいた)
直人たちの乗った「新特急谷川7号」の車掌。
名前の由来は太多線と思われる。
烏山(からすやま)
大阪局鉄道公安隊本部長。
名前の由来は烏山線と思われる。
米坂未遥(よねさか みはる)
福知山鉄道公安室・第二警備班に所属する公安隊員の女性。
名前の由来は米坂線と思われる。
伊東(いとう)
余部鉄橋を整備している「鉄橋守(てっきょうまもり)」と呼ばれる作業員の一人。
名前の由来は伊東線と思われる。
第七遊撃班
境 大輔(さかい だいすけ)
国鉄に入社して2年目(公安に配属されて2年目)の職員。小海総裁からの拝命を受けて、「第七遊撃班」の責任者となる。
名前の由来は境線と思われる。
RJ
士幌邦夫(しほろくにお)
RJのメンバー。警四最大の敵。
一見、物腰柔らかいが、目的を果たすためにはどんな手段も厭わない恐ろしい人物。
膨大な赤字を垂れ流す国鉄は、一度解体して民間で立て直すべきという強い信念を持つ。
「士幌」は偽名であり本名は日高。
名前の由来は士幌線(1987年廃止)。本名の日高は日高本線に由来。
手宮りえ(てみや-)
RJの女性メンバー。
士幌の右腕として行動を共にし、彼に絶大な信頼を寄せている。
名前の由来は手宮線(1985年廃止)。
木原 良男(きはら よしお)
元RJメンバーの男性。RJを抜けるため軽井沢で公安隊に保護を求めてきた。RJによる大規模テロ(関東火力発電所同時爆破事件)の情報を提供した。
肝臓移植を控えた優奈(ゆな)という妹がいる。
名前の由来は木原線(1988年にいすみ鉄道に継承)と思われる。
添田(そえだ)
RJメンバーの男性。4巻での関東火力発電所同時爆破事件の首謀者。
名前の由来は添田線(1985年廃止)と思われる。
千歳 健太郎(ちとせ けんたろう)
本社総務本部広報部宣伝課イベント係の係長。一週間鉄道公安隊長の広報部側担当者。
鹿島乃亜の警護を高山たち警四に依頼し南紀白浜にまで出張させたが、真のターゲットは民営化反対を訴える元国鉄総裁・小海の孫娘はるかで、乃亜や直人もろとも始末する予定だった(この一件で直人にのみはるかの素性が明かされた)。RJの内通者であることが明らかになり逃走し指名手配されたため、地下活動をすることになった。
8巻では國鉄会津線・湯野上駅近辺や会津あおい祭の会場である会津あおい鉄道神社に現れている。
9巻で警四に追い詰められ公安機動隊に逮捕されるも、10巻では取り調べ中に人質を取り「國鉄リニア総合指令所」を占拠している。ただし、計画が失敗したため、その後指令所に突入した特別強襲班により再び逮捕されている。
17巻で手宮と共に護送列車から脱走し、18巻でレールジャックした貨物列車で手宮と共に車掌になりすますが、直人と共に制圧しに来た翔と乱闘になり、貨物列車から川へ転落して翔と共に行方不明となる。
名前の由来は千歳線と思われる。
広尾 亮一(ひろお りょういち)
RJメンバーの男性。15巻で余部鉄橋をミサイルによって破壊しようとしていた。
名前の由来は広尾線(1987年廃止)と思われる。
桐生鉄道高校
札沼まり(さっしょう-)
声 - 五十嵐裕美
桐生鉄道高校に通う2年生で、高山のクラスメート。鉄道の音を録る音鉄で、ピンクのICレコーダー片手に鉄道の音を録りに全国を周る旅好きでもある。列車内で勤務するアテンダントになるべく、國鉄の子会社である「ジャパン食堂」のOJTに参加している。
寝台特急北斗星で食堂車のアテンダントをした際、ベルニナ王子襲撃未遂事件に巻き込まれたが、岩泉に助けてもらったのを機に想いを寄せるようになった。
名前の由来は札沼線。
吉備 香(きび かおり)
声 - 高野麻里佳
ファンブックの小説に登場する旅客輸送科の2年生で直人のクラスメイト。まりと同じく録り鉄で彼女とは親友。2人で青森の雪原まで寝台特急「北斗星」の走行音を録音しに行くほどの仲。
アニメ版では、鶴見線海芝浦駅で薬物取引の現場を目撃してしまったために誘拐されたが、まりと警四の活躍により救出されている。
名前の由来は吉備線と思われる。
福知山(ふくちやま)
高山の担任。薄毛ながら整髪料で七三分けにしていて、そのシンナー臭さと強力な接着力から「あれはボンドだ」と生徒から言われている。
名前の由来は福知山線。
紀勢 太一(きせい たいち)
直人が所属する蒸気機関車同好会の会長で、成績は直人より優秀だが國鉄OJTには応募していない。
国鉄公安隊研修を受け、女子と親しくなった直人に「リア充」だと嫉妬している。翔に対してはあまり興味がないらしい。
名前の由来は紀勢本線と思われる。
京葉 幸一(けいよう こういち)
桐生鉄道高校1年生で直人の後輩にあたる。暴徒鎮圧訓練の際には公安機動隊側の副官を担当している。
名前の由来は京葉線と思われる。
その他の関係者
北上佳奈(きたかみかな)
誠愛女子学園中等部の2年生。以前京浜東北線の車内で痴漢に遭った際、たまたま乗り合わせていたあおいに助けてもらい、以来彼女のことを「お姉さま」と呼んで尊敬している。
名前の由来は北上線。
アテラ国
ベルニナ(べるにな)
地中海の小国アテラ国の王子。はるかとはイギリス留学の時からの友人。かなりのイケメンで、金髪ショートヘアと青い瞳そして細長く伸びる真っ白な手足という抜群のルックスで女性ファンが多い。札幌で行われる姉妹都市調印式に参加するため来日し、警四が王子の警護を担当することになった。しかし彼には誰にも言えない秘密を持っている。
ブルアー(ぶるあー)
アテラ国の国務長官で、ベルニナ王子の随行員として共に来日した。
ベルゲン・ソフィ
ベルニナの身の回りの世話をしている、所謂お付のメイドで近衛隊隊長の女性。高千穂線廃線反対派の人たちを取り押さえるなど戦闘力も高い。
直人とベルニナが親しくなるのを警戒している節が強く、ベルニナが直人に何か言いかける度に下手な日本語で邪魔しに掛かったり、直人のスマホに盗聴アプリをインストールするなど、ベルニナのこととなると行動力溢れる一面も持つ。ただし、短い時間であれば直人とベルニナが会話することは許している。
夏休みに直人たちがアテラを来訪した時に彼らと共闘しているが、その際に本人の前で「直人が気に入らない」旨の発言をしている。
アレクセイ・コスイギン
アテラ国に別荘を持つ、ロシアの総合企業「ガスシペア」の会長。筋金入りの鉄道ファンであり、金に物を言わせて実物の鉄道車両を100両ほど所有している。
unoB
鹿島乃亜(かしまのあ)
声 - 茅原実里
4人組女性アイドルグループ「unoB(ユーノビー)」のメインボーカルを務め、作詞・作曲もこなす。
名前の由来は鹿島線。
篠ノ井 真帆(しののい まほ)
アイドルユニット「unoB」のメンバー。ユニット内での推しメンカラーはブルー。ステージ上でもほとんどしゃべらない、クールな性格。
名前の由来は篠ノ井線と思われる。
左沢 ゆりあ(あてらざわ ゆりあ)
アイドルユニット「unoB」のメンバー。ユニット内での推しメンカラーはイエロー。いつもニコニコしている、明るい性格。
名前の由来は左沢線と思われる。
相模 野々花(さがみ ののか)
アイドルユニット「unoB」のメンバー。ユニット内での推しメンカラーはピンク。メンバー内では最年少の15歳。
名前の由来は相模線と思われる。
砂原成美(さわら なるみ)
声 - 松井恵理子
unoBおよび乃亜担当の女性マネージャー。乃亜の熱狂的なファンの名前は記憶しており、何かあった時に渡すためのサイン入りの乃亜の生写真を持ち歩いている。
白浜でのイベントの際には、宿泊先の富良野社長の別荘で千歳たちに襲われて頭部に怪我を負っている。
名前の由来は函館本線の渡島砂原駅経由ルート砂原支線と思われる。
富良野(ふらの)
乃亜たちの所属する芸能事務所「ポーラスター」の社長。砂原によると、以前はファンに優しかったが最近はお金のことばかりになっているらしい。
白浜の山中に別荘を持っている。
名前の由来は富良野線と思われる。
乃亜のファン
肥薩 慎吾(ひさつ しんご)
声 - 斎藤寛仁(アニメでの役名は「犯人」)
乃亜のデビュー以来のファン。東京駅でのイベントの際にあおいに誤認逮捕された。その後、白浜でのイベントの際に乃亜のパンチラを盗撮していたところを再びあおいに取り押さえられ、東京駅のイベントでも盗撮していたことを自白した。
名前の由来は肥薩線と思われる。
仙崎 竜也(せんざき たつや)
声 - 西村太佑(クレジット無し)
乃亜のファン。元高校1年生で16歳だが、実年齢は26歳。東京駅でのイベントの際にスタッフに紛れて会場に入り、ステージ上で乃亜を襲おうとしたが直人に取り押さえられた。その後、罵倒された怒りで富良野社長を殴りかけた際にはるかに優しく諭されたことではるかのファンになり、白浜でのイベントにまで来てはるかに花束を渡している。現在では26歳の若さで刑務所へ拘束されている。
高千穂町の人びと
花咲 桃世(はなさき ももよ)
高千穂の旅館広末の娘。高校3年生。警四の高千穂線における幽霊調査に自動車の運転手として協力する。
8巻では、お見合いを断るため直人らに母親の実家で祖母が経営する湯野上温泉の旅館「本家・雪月華」への同行を依頼するがその結果、直人に好意を寄せることになる。
名前の由来は根室本線釧路駅~根室駅間の愛称「花咲線」と思われる。
三江 竹媛(さんこう たけひめ)
高千穂峡近くのお土産屋を切り盛りしているおばあさん。周囲が國鉄に対し敵対的な目を向ける中直人らに協力しようとするが、廃線反対デモに参加する。
名前の由来は三江線(2018年廃止)と思われる。
武豊 一馬(たけとよ かずま)
高千穂線の廃線に反対する地域住民団体「高千穂を守る会」(たかまる)の代表で、廃線反対デモの主導者。高千穂線を走っていた幽霊の正体である軌陸車を運転していたのは彼の息子だった。
工務店を営んでおり、直人らと和解したあと、あっさり駅舎を修理すると宣言する。
名前の由来は武豊線と思われる。
警察関係
桜井(さくらい)
警視庁警備部・部長、階級は警視長。あおいの父。
天草 みすみ(あまくさ みすみ)
警察庁警備局・外事情報部所属の女性捜査官。14巻でGTWの新型車両から密輸品を探していた。
天草市には鉄道は通っておらず、名前の由来は三角線の愛称「あまくさみすみ線」と思われる。
ゼネラル・トランスポート・ワークス (GTW)
エンパイア・ビルダー
アメリカの企業であるGTWの執行委員。17巻で國鉄を分割•民営化させて取引相手を変えるべくGTWの私有軍隊「GTWS」にかつて所属していた人々に國鉄の駅を襲撃して取扱収入金を強奪させる。
レイス・クロエ
GTWの女性社員。新型車両のシートの中に武器を隠して密輸しようとしていた。
ハンナ
GTWの私有軍隊「GTWS」に所属する女性の傭兵。12巻では「新特急谷川7号」の乗客として登場し、車いすに乗った老女に変装して「小野田 ハンナ」と名乗った。16巻で士幌を殺そうと仲間と共に東京から富山の岩瀬浜へと追い詰める。
用語
- 日本國有鉄道(通称:國鉄)
国内の公共企業体であり、公営の鉄道企業。モデルは言うまでもなく日本国有鉄道。この時点で、日本全土に路線網を持つ。
かつては黒字経営だったが、バブル崩壊に伴い一時20兆円の赤字を抱える。はるかの祖父である小海総裁が就任し汐留の貨物ターミナルをはじめ、多くの国鉄保有地を売却した結果、3兆円に圧縮することに成功するも、直後に解任。再び赤字が増え現在に至る。
政治に大きく影響を与えていて、20兆円の赤字を出した際には、國鉄寄りの議員全員が選挙で落選している。
史実のJRは勿論、国鉄とも異なる個所が多々見られる。以下はその例。
・整備新幹線だった九州(博多 - 鹿児島中央)・北陸(高崎 - 直江津)・東北(盛岡 - 新青森)・北海道(新青森 - 新函館北斗 - 札幌)の各新幹線が開業しており、鹿児島中央から札幌まで結ばれているが、並行在来線も経営分離化されずに存続している。
・また、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」及び山陽・九州新幹線の「みずほ」に相当する列車には「スーパーひかり」、長野新幹線の列車には、後に実際に北陸新幹線で運行される「はくたか」という愛称がつけられている。
・新在直通かは明言されていないが山形新幹線も開業しており、実車同様車両のドア部分に延長ステップが装備されている。
・東北・東海道両新幹線が東京駅で接続されており、北海道・山陽・九州の各新幹線を含めて直通運転できるようになっている。
・鹿児島中央駅の在来線部分の名称は西鹿児島駅として残されており、新山口駅は駅名が変更されず小郡駅のまま存続している。
・複数の寝台特急・寝台急行・急行などが廃止されずに存続している。もしくは、一度廃止されたものの観光列車として復活した列車もある。ただし新幹線開業時には特急が廃止されることもある。
・碓氷峠の旧線が新線と接続されている。
・ガスタービン動車が実用化されている(本作では営業用車両のキハ381系や國鉄リニアの救援用機関車として登場)。
なおガスタービン動車の断念理由はオイルショック(低速時の燃料効率の悪さ)と騒音問題の解決策が無かったためで、国鉄の経営とは一切関係が無い(諸外国でも同様の理由で断念している)。
・未成線だった路線が開通していたり、未開業部分のある路線が全線開業あるいは開業予定となっている。また廃線は全く行われていない。
高山直人が「赤字83線を廃止すべき」というレポートを書いて國鉄に応募したという描写がある。
・実際にはステンレスで登場した車両(国鉄末期に登場した205系を含む)が鋼製車として登場している。また、國鉄が製造した車両にはボルスタレス台車は採用されていない。
ただしE231系に相当する231系は試験的にステンレス車体を採用したとされている。
・民営化後に登場した車両や架空の車両の形式名や系列名が国鉄式の呼称で登場している。
アニメ版ではこのうち205系とE233系の鋼製車体仕様233系は登場せず、201系が登場している。
・KOKUKA(コクカ)というSuica(スイカ)等に相当する交通系ICカードが採用されており、私鉄との競合区間が多い関西などでは普及しているが、首都圏では自動改札機は人員削減に繋がるとの理由で有人改札が多いため、あまり普及していない。
・駅構内に様々な民間テナントが出店し総合モール化しており民営感覚が導入されている。
・駅長や一般職員の制服が国鉄時代の物ではなくJR東海に近いデザインに変更されている。
・北斗星の電源車「カニ24」の側面(実車のJRマークがある部分)に巨大なJNRマーク(国鉄時代のもの)が張られている。
・超電導磁気浮上方式の國鉄リニアが建設中で、10巻の試乗会時点でリニア甲府駅 - 橋本駅 - 東京駅までのリニア専用トンネル上下線が完成し、軌道の半分も完成、数年内に部分開業予定とされている。その後は約15年後に名古屋、30年後に奈良を経由して大阪まで延伸を予定。現実の中央新幹線とは異なり、都内は新宿付近の大深度地下を経て、東京駅の地下ホームへ至っている。
・ツバテッツ(声:古城門志帆)というツバメの姿をしたゆるキャラが設定されている。ツバメというよりはペンギンに似ているというのは所属団体が国鉄にゆかりのある誰かと共通する。
- 鉄道公安隊
戦後悪化した鉄道犯罪に対応するために組織された治安組織。全国の國鉄職員によって組織され、隊員には國鉄の管轄内(列車、駅、車両基地)での警察権・逮捕権が認められているうえ、拳銃の携行も許可されている。
- 東京中央鉄道公安室
首都圏鉄道公安隊所属で、一日40万人が利用する東京駅を中心としたエリアの安全を守っている。
- 東京中央鉄道公安室第四警戒班
学生鉄道OJT向けの研修専用部署。危険な業務は出来ないため、お茶くみや、受付、駅構内のパトロールが主な業務。研修生がいないときは、飯田班長一人だけになる。
- 國鉄公安機動隊
國鉄における警備を担当する部署。暴徒鎮圧も行っていて、最近ではRJによるテロ活動を受け、テロ対策部隊である國鉄特別強襲班(通称:NRSAT)を傘下に置く。NRSATの詳細は明らかにされていないが、専用列車で24時間以内に日本各地に出動できる体制がとられている。
- RJ
国鉄の分割民営化を主張する過激派。
以前は旅客軽視の運行方法や運賃の改定を求め、裁判や抗議デモで訴える平和的な組織だったが、國鉄が全く取り合わなかったため、テロ活動をするようになった。
組織は政治家を通じて分割民営化論争を繰り広げる穏健派と、テロによって一気に國鉄解体を目論む強硬派の二つに分かれている。
構成員は全員偽名を使っていて、組織の実態は公安隊も掴めておらず、國鉄や公安隊に内通者がいるとされ、そこから情報が漏れているといわれている。
また、分割民営化に賛成の議員からRJに活動資金が流れているといわれていて、摘発されないのはこのためだと噂されている。
漫画
2012年11月30日から2015年2月16日までマッグガーデン「ブレイドオンライン」で浅川圭司による漫画版『RAIL WARS! -日本國有鉄道公安隊- The Revolver』が掲載された。
後の2014年8月7日から2014年12月25日までポニーキャニオン「ぽにマガ」で丸新による漫画版『RAIL WARS!FN』が掲載された。
テレビアニメ
2014年夏アニメとしてサンテレビおよびBS-TBS、TBS、CBC、TBSチャンネル1で放送された。
アニメーション制作は『はいたい七葉』のアニメーション制作を担当したパッショーネ。3DCGはオレンジが担当している。
なおアニメ化の発表は時刻表で行われた。
原作の人気が高いこともあり、本作のアニメ化は、放送前はかなり話題になっていた。
ところが放送が始まってからというもの、
「原作のシナリオを中途半端に改変している」
「鉄道車両の効果音が現実と全然違う」
「作画が全く安定しない」
「原作以上にラブコメ志向が強い」
「高山のラッキースケベ演出が露骨」
などといった、クレームや苦情がネット内などで殺到、メインターゲットと思われた鉄道オタクたちから総スカンを受けた。
また鉄道オタクの若年層の中にはいわゆる「萌えアニメ」を好まない層もあり、彼らからは本作の失敗は当然と受け止められたようである。
また、作中のキーパーソンでもあるテロ組織・RJが登場しないため、作中で発生する事件はRJではない単独犯が起こすという改変がなされ、それ以外の改変も多く不評だった。
アニメには実在の国鉄車両や列車のヘッドマークも登場するが、それらの意匠権は国鉄を継承したJRグループ各社が保有しているため、いずれにせよJRの承認は避けて通れない。
それではなぜアニメ化の企画に至ったのかという話だが、当初は原作とは異なるオリジナルシナリオ、または原作のRJが関与しない回を抜粋した鉄道職員コメディとして制作する予定が変更になったという説もある。
また、アニメ放送前に作画スタッフの一人がtwitter上で、原作者の豊田氏と確執があるかのような投稿し炎上する事態が起きた。問題のツイートは削除され当該スタッフとされる人物もエンドクレジットから外されたが、関係者からの正式なコメントは出ておらず、真相は謎に包まれている。
このほかあるインタビューでバーニア600が本作の出来に不満が残ったことを示唆する発言をしたとされるが真偽は不明。
スタッフ
主題歌
オープニング「向かい風に打たれながら」
作詞 - 畑亜貴 / 作曲・編曲 - 菊田大介 / 歌 - 茅原実里
エンディング「OVERDRIVER」
作詞・作曲・編曲・歌 - ZAQ
挿入歌
「Borderless Journey」(第4話)
作詞 - 畑亜貴 / 作曲・編曲 - 齋藤真也 / 歌 - 鹿島乃亜(茅原実里)
原作9巻で國鉄中央学園コンサートで乃亜が歌った新曲として逆輸入されている。
「独りじゃない可能性」(第4話)
作詞 - 畑亜貴 / 作曲・編曲 - 下川佳代 / 歌 - 鹿島乃亜(茅原実里)
幻のゲーム化
MAGES(5pb.)から、PlayStation Vita用ソフト『RAILWARS!-軽井沢より殺意を乗せて-』が2014年11月27日に発売される予定だったが、同年10月24日にゲーム公式サイト上で発売日未定と発表された。その後、2016年1月28日になって制作進行の遅れなどの理由により、発売中止になった。中止の理由についてゲーム公式サイト上では、「制作サイドの事情」と説明している。
関連タグ
バーニア600 鉄道 電車 EF68 ブルートレイン 2014年夏アニメ
烈車戦隊トッキュウジャー:本作のアニメ版が放送された年のスーパー戦隊で同じく鉄道がテーマ。