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ニューナンブM60

にゅーなんぶえむろくじゅう

ニューナンブM60とは、ミネベア社が開発した回転式拳銃。正式名称は「ニューナンブM60回転式けん銃」
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昭和35年(1960年)から現在までに、日本警察等で制式採用されている国産の小型リボルバー
38口径で、装弾数は5発。
警察のほか海上保安庁皇宮警察など広く使われている銃である。

前史

本銃の採用以前はアメリカから貸与された.45口径のM1911M1917リボルバーなどが使用されていたが、.45ACPを使用する拳銃は日本人の手にはあまるサイズであった。
他に、.38口径回転式S&W ミリタリー&ポリス、コルト コマンド、.32口径自動式FN M1910… 等々の極めて雑多な種類の銃を装備していた。
.45口径は言うに及ばず、.38口径回転式も軍用拳銃で標準的な4インチバレルは射撃の際には良くても、普段携行する際には(日本人の体格では)負担に感じるという意見が出された。
また、アメリカから提供された銃はどれも製造から長期間が経過していたため安全性や性能の低下が問題となった。
警察官以外の特別司法警察職員も同じく「雑多な種類」「体格に合わない」「けん銃の老朽化」に悩まされており、これらの改善が課題となったため国産けん銃の開発が行われることとなった。

開発

「南部銃製作所」から端を発する「新中央工業株式会社(※)」で設計、製造された。
朝鮮戦争の勃発により警察予備隊が発足し、日本での武器製造が解禁された事から昭和31年(1956年)に通産省は新中央工業株式会社に国産公用拳銃の開発を指示した。
昭和32年(1957年)に、自動式の自衛隊向け大型拳銃「M57A」と警察機関向け小型拳銃「M57B」の2種が開発されたがどちらも採用されなかった。

新けん銃『ニューナンブM60』
自動式と並行して回転式の開発も進められていた。その結果開発された新しい回転式拳銃は、昭和35年(1960年)に警察庁に「ニューナンブ M60」として採用、調達が始められた。
開発にあたってS&W社のM36を参考にした言われている。実包は.38口径スペシャル弾を使用し、シリンダーには5発装填できる。
全体的にS&Wの影響が強く見られるが戦後に製造されたモデルを参考としているため、引き金を引いた時以外での暴発を防ぐ「ハンマーブロック機構」が備わっている。このため、旧来の回転式けん銃のように一番上のシリンダーを空にしておく必要はなく、すべてのシリンダーに装填した状態で携行できる。(つまり、ニューナンブを使用する警察官の場合は手持ちは5発となる。)
シリンダーの回転方向や、スイングアウト機構もすべてS&Wと同様である。

また、グリップが握りやすい形状・大きさへと改良され、身体に括り付ける「けん銃つりひも(ランヤード)」を固定するためのリングが付いている等、「日本警察向け」に工夫されている。
グリップの形状や銃身の長さ(2インチ/3インチ)の違いから主に3種類あるが、年毎に微妙な差異があるため、正確なバリエーションの種類は不明。

1999年ごろに製造終了した模様。
製造終了後は、S&W M37”エアウェイト”やS&W M360J"SAKURA"、S&W M3913SIG SAUER P230JPなどに交替しつつある。

  • (※)新中央工業株式会社は昭和50年(1975年)に日本ミニチュアベアリング株式会社に買収され、昭和56年(1981年)に「ミネベア株式会社」に社名を変更している。2017年にミツミ電機を完全子会社化したので現在の社名は「ミネベアミツミ株式会社」。

基本データ

(右が2インチモデル、左が3インチモデル)

全長172mm/198mm
重量665g/685g
使用弾薬.38スペシャル
装弾数5発
ライフリング右回転

付属品など

  • けん銃入れ

けん銃入れ(ホルスター)は、最も初期のものはアメリカで一般的な回転式向けのホルスターと同様の、ふたが無く差し込んだ銃をストラップだけで留めるものであった。
やがて、銃が強奪されやすい、銃が雨水で濡れやすく錆びて故障を誘発しうると報告されたことから、旧日本軍の『拳銃嚢』のようにグリップ全体を覆う大型のふたが付くようになった。
現在使用されているものは、ふたの部分が簡略化されているもので、グリップの底部が見える形である。
同時に、「けん銃つりひも」は金剛打ちのただのひもから、邪魔になりにくいカールコードへと替えられた。

上記の中にも、自動車警ら隊向けに回転金具が付いている物や、2インチ用、3インチ用、交通機動隊向けの白色など細かいバリエーションが多数存在する。

  • たま入れ
戦後、全警察官にけん銃を携帯させるようになってからは、革帯左前面に予備の銃弾を収めるたま入れを支給した。これは、携行するけん銃のフルロード2回分を収めることができるもので、規定では6連発の銃の場合はたま入れに12発、ニューナンブM60の場合は5連発なので10発となっていた。
昭和の中頃になると、終戦直後のような銃の出番となる程に過激で大規模な騒乱はごく稀にしか発生しなくなったために、使用されなくなった。
  • 安全ゴム
昭和の後半になってから登場した、引金の後ろ側にはめ込むゴム板。
これがはめ込まれた状態では、引金を引くことも、撃鉄を起こすことも出来ないため、射撃する前には取り外す必要がある。日本警察独自の一種の安全装置である。
ダブルアクションのけん銃には使用出来るが、引き金の後ろ側に隙間がないシングルアクション自動式のM1910やM1911はこれが使用できない為に早々に引退したと考える人も。

余談

「ニューナンブ」は商標登録されており、エアソフトガンなどには使用されていない。
このため、本銃をモデルにしたマルシン工業製のエアソフトガンの名前は「ポリスリボルバー」である。
また、私服警官等はけん銃入れは官給品ではなく自費で購入した私物を使うものもおり、使うものは国産のエアソフトガン用として売られているもので(拳銃の所持が出来ない日本では民間市場で売られているもののほぼすべてはエアソフトガン向けとなる)、海外製の実銃用のものだけでなく国産のエアソフトガン用も使われる事があるとの事。

日本警察制式として親しまれたため、刑事ものから、コメディ、アングラ的エロアニメまで幅広い数多くの作品に登場するが、古い作品では装弾数や威力などが過大に描かれてしまうこともある。(そもそも日本の1970年代までのドラマ・映画のプロップガンはいい加減極まりないものであった)

関連タグ

拳銃 リボルバー 警察

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