概要
SIG社がP220をダブルカラム化したものである。これにより弾数が9発から15発に増えている。
作動方式はダブルアクションを採用している。使用弾は9mmルガー弾と.40S&W、.357SIGである。
スライドデザインは大雑把に4種類ある。
前期型と呼ばれるモデルは、エキストラクターが内蔵されており、スライドのセレーションは12本でグリップ前部のアングルと同じ角度となっている。
中期型と呼ばれるモデルは、小型の露出式エキストラクターとなり、スライドのセレーションは11本でグリップ前部のアングルより少し前傾となっている。
現行型と呼ばれるモデルは、大型の露出式エキストラクターとなり、スライドのセレーションは10本でグリップ前部のアングルより少し前傾となっている。
オプティックマウントが可能なスライドはリアサイト前にマウントスペースがあり、プレートカバーがネジ止めされているが外してアダプタを介してダットサイトが取り付け可能。デザインは基本現行型。
長時間水や泥の中に浸けた後でも確実に作動するほど堅牢で耐久性と信頼性は非常に高いが、本体価格が1,000ドル、マガジンは新品で50ドルとかなり高額である。(普通の拳銃はおおよそ本体が6、700ドルでマガジンは一本2、30ドル程度である。)
米軍のM9トライアルでは価格やマニュアルセイフティを備えないこと等から92Fに負け、採用されなかったがトライアル自体は92Fより優秀な成績を残しており、のちにMk24としてアメリカ海軍に採用されている。
その後耐腐食加工などの改良が施されたMk25がNavySEALsによって使用されている。
当初はプレス成型のスライドが使用されていたが、現在のモデルではステンレス切削となっている。
日本では海上自衛隊の特殊部隊「特別警備隊」がP226Rを採用している。
現行モデルでは改良が施されたP226 E2が通常モデルのP226として発売されている。
主なバリエーション
・P226 Xシリーズ - スポーツ向きに開発されたもの。シングルアクションオンリーで全長が通常(銃身長4.4インチ)より長い。
・P226R - (ピカティニーレール規格ではない)20mm幅のアンダーマウントレールをフレームに備えたモデル。
・P226 DAK - ダブルアクションオンリーモデル。デコッキングレバーがない。
・P226 TACOPS - SCTの仕様にビーバーテイル、サプレッサー用ネジ、マグウェル機能付き大型グリップを追加した最高級モデル。
・P227 - .45ACP仕様。P220とあまり差が無かった故か2019年にカタログ落ちとなった。
・P228 - P226のショートモデル。アメリカ軍にM11として採用されている。
・P229 - P228を強装弾や様々な弾薬に対応できるように改良したモデル。主にシークレットサービスなどが使用している。
登場作品
- ハートブルー
主人公であるジョニー・ユタ(キアヌ・リーブス)が主に使用する拳銃として初期型のモデルが登場。仲間であったボーディを撃つことができず、空に向かって全弾を無駄撃ちするシーンは非常に有名。
- フェイス/オフ
主人公であるショーン・アーチャー(ジョン・トラヴォルタ)が初期型のハーフシルバーモデルを使用する。白と黒が一体となったデザインは犯罪者側の主人公であるキャスターとアーチャーが整形手術で入れ替わる時に善と悪を表す視覚的な対比として効果的に使われている。
- ミッション・インポッシブルシリーズ
主人公、イーサン・ハント(トム・クルーズ)がゴーストプロトコル以降毎作使用している。
- バッドボーイズシリーズ
マイク・ラーリー(ウィル・スミス)が一作目でシルバーモデルの初期型を使用する。また、プロップのミスなのかそれともサイドアームとしてもう一丁持っていたのかシルバーのP228を使用するシーンがある。二作目ではハーフシルバーのグロック17に変更された代わりにマーカス・バーネット(マーティン・ローレンス)がハーフシルバーの初期型P226を使用する。三作目のフォーライフでは逆にハーフシルバーのP226初期型をマイクが使用する。
- ターミナル・リスト
主人公のジェームズ・リース少佐とその部下全員がスライド左側面にL.L.T.B.、右側面に階級名と名前が刻印されたMk25を使用しており、これが序盤の軸になっている。
主人公の御神苗優が常にサイドアームとして初期型を携帯している。
Netflix版ではP226 TACOPSに変更され、彼以外のアーカム職員のサイドアームとして通常のP226が登場している。優の使用しているものは視聴者が銃口を見やすくするためという都合か、フロントサイトのみ全方向から視認可能な発光サイトとなっている。
入江省三と彼の部下が使用。連載初期や[LOWMAN]]ではP220を使用していたが、P226へと変更され、以降は別作品で登場した際もP226を使用している。トリガーガード前にレーザーサイトを搭載。
「センチネルナイン」という名前で登場している。
主人公の1人であるレオン・S・ケネディがCG映画『バイオハザード ヴェンデッタ』、『バイオハザード：デスアイランド』および2023年発売の『バイオハザードRE:4』で使用している。(ただし、DLCを購入することで使用可能になるうえ、ゲーム内設定で2013年にDSOにより製作された物となっているが、今作の時代設定は2004年であるため、本来であれば存在はしない。)
