概要
CV:森久保祥太郎 (劇場版アニメ/ルナヴァース) / 小林千晃(Netflix版)
超古代文明の遺跡を守護する事を目的とする民間学術機関「アーカム財団」のうち、危険な遺跡の封印殲滅や遺跡を狙う勢力の排除を目的とする特務戦闘セクション「スプリガン」に所属しているトップクラスエージェント。その一方でアーカム財団の子組織である私立高校に通う高校生である。
高校生でありながら日本ではただ一人のエージェントのため、頻繁に舞い込む任務に振り回され慢性的に出席日数が足りておらず、また出席出来たとして激務の後なのでたいてい居眠りしており、何も知らない教員たちからは劣等生扱いされる事も少なくない。
そんな状況ながら学業や学校行事には人一倍真面目に取り組んでおり、学校の成績は悪くはないものの留年の危機にある。
なおアーカムのエージェントとして世界中を飛び回っているため英語の成績は抜群。また任務に関係するため考古学の知識は学者顔負けとなっている。
コールサインは原作及び劇場版では「妖精」、Netflix版では「Siera19」となっている。
経歴
6歳の頃にアーカムの発掘調査に参加した際に遺跡を巡る紛争で両親を亡くし孤児となった。この時、一時的に身寄り(引き取り先)が定まらなかった事から養護施設に入ることとなり、この時に山菱理恵と出会い幼馴染となる。のちに理恵はアメリカの親族に引き取られていったが、優もそれと同時期に叔父である冒険者・御神苗隆と連絡がつき彼のもとへと引き取られ、従姉の秋葉によって養育されていた。
しかし紛争の裏側で糸を引いていたアメリカ軍によって、プランを邪魔したアーカムに対する見せしめとして拉致され、極秘プロジェクト「C.O.S.M.O.S.(Children Of Soldier Machine Organic System)」の兵士 No.43として徹底した洗脳、特殊教育訓練を施される。だが、とあるCOSMOSの任務でアーカムの発掘現場を襲撃した際、殺傷した二人の調査員の遺体を目撃した事で、両親の死を思い出し自我を取り戻して暴走。COSMOSを壊滅させ、放心状態となっていたところを朧に発見されて傷を負わすも無力化されて保護される。
その後は再び隆と秋葉の元で暮らすものの機械のようなままであったが、強盗に対処した際に起きた出来事をきっかけにして徐々に人間らしさを取り戻し、スプリガンに志願した。(のちに秋葉はアーカム財団の会長秘書室の一員となったため、現在は優の上司のひとりでもあり、優にとっては決して頭の上がらない人物のひとりとなっている)
志願後は事実上の義父となった隆や、師匠である朧らとの兼ね合いからかアーカムにおける実力者たちとの交流(コネ)ができ、特にメイゼル博士からは真っ先に(正式配備前の)新装備を供与してもらえるほど期待をかけられる事に。
スプリガンとしての初任務で染井芳乃とバッティングしてからは長らく彼女とのケンカップルのごとき腐れ縁が続く羽目になる。
殺人機械としての自分を忌避している事と、スプリガンの任務は遺跡の封印や保護であって殺しではないと思っている為か急所を避けるなど可能な限り殺しは避けている。敵対する勢力であっても多くの場合は詳しいこと知らずに巻き込まれているため、オーパーツや怪異に襲われていると助けに入る事もある。
しかし所謂不殺主義ではない為、必要となれば殺しを行う。致命傷を負った仲間を介錯したこともある。
最終的に高校はなんとか卒業。大学に進学しているが、まだまだ任務は忙しく、講義中に居眠りするのは相変わらずの模様。
ゲーム「ルナヴァース」では主人公大槻達樹の支援をする形で登場する。
2周目以降では条件を満たすことで使用可能となり、一部シーンが変化して裏でどのように動いていたかが明らかとなる。
能力
6年もの間COSMOSで訓練されたこともあって戦闘能力は常人を遥かに凌駕するが、危機の際には洗脳により刷り込まれた殺人機械として優れた能力を発揮する。(しかしそれを恐怖と嫌悪により抑え込んでいるので自身の持つ本来の能力を発揮しきれていない)
あらゆる銃器を使いこなし、徒手空拳やナイフでの格闘能力も優れている。
任務では、切れ味に特化したオリハルコン製ナイフを使用することが多い。
同じくオリハルコン製の人工筋肉を搭載した最新鋭強化スーツ「A・M(Armored・Muscle)スーツ」を装備することにより、通常の30倍の身体能力を誇るようになる。オリハルコンの強靱な繊維により対弾性にも優れており、アサルトライフルの銃弾程度なら弾き返すほどの防御力を備えている。だが、古代の遺産であるオーパーツや競争相手である各国諜報員の上位陣を相手にするにはこれでも力不足である。最終的にモノを言うのはA・Mスーツではなく、他ならぬ優自身の人間力である。
物語が進むにつれ、敵側にA・Mスーツを無視して攻撃を通す技能を持つ者がいたり、技術流用によってA・Mスーツが模倣製造されたり、対オリハルコン装備を有してくるようになったことで、次第に優位性が失われていった。
ちなみにヘッドギアは基本的に無線用(多少の防弾性能があるかは不明)。劇場版ではナイトビジョンゴーグルが後付けでマウントされ、Netflix版アニメではそれらを一つに統合した多目的バイザーとしての機能が追加されたアレンジがされている。
ヘッドギアの形状そのものはボクシング用の頭部保護ヘッドギアに近いデザインである。
また、スーツには「サイコブロー」と呼ばれる装着者の精神波を増幅して掌から撃ち出す機能を有しており、怨霊といった実態を持たない相手も対処可能。
A・Mスーツの上から胴体はM1955風のボディアーマーを、腕や脛等にはプロテクターを装着している。
ノアの箱舟編ではアームパッドに登攀用の爪とワイヤーアンカーが内蔵されたものを支給され、以降は標準装備となっている。
物語終盤には暴走を始めたアーカム上層部への不信感から、スプリガンとしての仕事に距離を置くようになり、アーカム上層部とは半ば縁を切る形となった。そして優の成長のためにあえてスプリガンを裏切った朧との戦いの末に、殺人機械である自分を人として乗り越え、A・Mスーツを脱ぎ、大気や大地の震動、そして敵の殺気を肌で読み取る技法を体得し、あらゆる攻撃を先読みして回避するまでに至った。
以降はA・Mスーツを使わなくなったため、防御力などは低下したが、この先読みにより総合的な戦闘能力は向上している。
劇場版では当初はA・Mスーツを装備しておらず、原作では新型ナイフを支給されたアララト山の発掘現場で一緒に支給される。
オリハルコンナイフは各媒体によって配色が異なり、原作版は序盤のものは銀一色でノアの箱舟編以降は新型のファイティングナイフはグリップ部は銀と黒の2色となっている。Netflix版は持ち手のみカーボンファイバーパネルの黒、劇場版はグローブの配色と合わせた紅白となっている。すべてナックルガード付きとなっており、ナイフを握ったままガード部で殴りつける事も度々行われている。Netflix版のみナックルガード部まで一体となったフルタングとなっており、オリハルコン部が発光する際にはナックルガード部まで発光する。
ダガータイプのスローイングナイフも携行しており、牽制等に使用している。
ファイティングナイフの鞘は原作及び劇場版ではM9バヨネットの鞘をモチーフとしているが、特別な機構は無い鞘となっている。Netflix版では最中状に開くギミックにより完全に引き抜かなくとも抜くことが可能となっている。
銃器は原作と劇場版ではメインアームにH&KG3A3かA4、サイドアームには初期型のP226を使用しており、合わせてルナヴァースでも標準装備となっている。
基本的に同じモデルを使用することが多いが、紛失や破損するシーンも少なくない。
原作版の「仮面伝説」ではP226を溶かされたことや、アイアン・アーム相手に9mmは威力不足だったことで.44口径のデザートイーグルにウィンチェスター対軽装甲弾を装填して使用した場合もある。(下記のNetflix版では話の順序が改変されている為、現状は登場していない。)
なお7.62mmの小銃を使用していることに関してはオーパーツに関連した怪異や機械化小隊といった相手に5.56mmでは火力不足である為である。
物語後半ではほとんどの相手が銃火器が通用しない為、徒手格闘とオリハルコンナイフのみで戦うことの方が多い。
P226ではアーカム製硬質セラミック高速徹甲弾(原作版)、アーカム開発部特製アモルファスタングステン弾芯高速徹甲弾(Netflix版)といった特殊な弾も使用している。
ルナヴァースは原作終了後の話となっているが、イベントシーンではA・Mスーツ無しで登場。操作時にはゲームシステムの都合でミッションによってはサイコブローが使えないと詰む為、A・Mスーツ有り無し、どちらでも出撃する事が可能となっている(怨霊といった一部の敵にはナイフは一部を除き通用せず、銃火器も同様でサイコブローが必須となる)。
Netflix版アニメではA・Mスーツは現在の流行に合わせてタイトフィットなデザインに変更され、上下セパレートではなく足先から首まで一体となっている。アームガードに内蔵されたワイヤーアンカーも使い捨てとなっており、一度使用するとカートリッジを交換するまで再使用できないようになった。アームガードの登攀用の爪は劇中で使用される描写が無かったためか、省略されている。
A・Mスーツだけでなく装備等も現在に合わせて更新されており、G3はG36Kに変更、P226はP226 TACOPSとなり構えもC.A.R.システムとなっている。
P226 TACOPSはアイアンサイトは前後共にドットが発光するナイトサイトとなっているが、照星側のみ集光ファイバーとトリチウムチューブを併用したものがモデルとなった大型のものとなっている。シーンによっては黒系統の服装や暗闇に溶け込んで向きなどが判り辛くなるためか、集光ファイバー部全体が発光している表現がされている。
なお原作の迷いの森編では染井芳乃のFA-MASに対して「5.56mmは豆鉄砲」と言及するセリフがあるにもかかわらず、5.56mmのG36Kに変更されたのは現実においてG3からG36に更新されたのに合わせてというのもあるが、G3のHKスラップといった独特の動作が銃器に造詣が深くないアニメーターの混乱招くことが懸念された為である。
そのためこちらでは芳乃が持っている銃を9mmのRONIグロックピストルカービンに変更するという形で対応している。
余談
劇場アニメ版等で優の声優を担当した森久保祥太郎はNetFlix版では優と因縁のあるCOSMOSのリーダー金谷唱を担当している。
関連タグ
V-MAX:愛車。Netfrix版ではV-MAX1700がモデルとなっている。