概要
フロム・ソフトウェアが製作したゲーム作品に登場する武器の名称。
「ムーンライトソード」として「キングスフィールド」で初登場して以降、「スプリガン・ルナヴァース」、「O・TO・GI ~御伽~」、「エヴァーグレイス」等、他の作品でもフロム製ゲームの象徴として頻繁に登場するようになった(全ての作品で登場しているわけではない)。
多くの場合は蒼く輝く刀身から魔力の光(通称:光波)を放つ聖剣である。
当初は原典のキングスフィールド準拠の一般的な片手で扱う剣のサイズだったのだが、2009年発表の「NINJA BLADE」以降両手持ち前提の「大剣」へクラスチェンジしている。
キングスフィールドシリーズ
迷宮の奥に眠る聖剣「ムーンライトソード」。シリーズのキーアイテムにあたる。
- キングスフィールド
ムーンライトソードの初登場作品。
透き通ったクリスタルと思しき剣身を持った光の聖剣。
かつてヴァーダイト王国を救った「森の竜」が携える「魔導器」とも言われている。
その正体は王家墓所に眠る「ドラゴンソード」が妖精の力を借りて真の姿を取り戻した状態。
高い攻撃力を持つうえに重量も金属製の一般剣と異なり軽く、最強の性能を誇る。
魔力を消費し刃を振るって放たれる魔法剣はあらゆる敵を粉砕する威力を持つ。
加えて、装備しているだけでHPが回復し続けていく特性も有している。
主人公のジャン・アルフレッド・フォレスターはこの剣を手にして事件の黒幕・ラインハルト3世を打倒し、ヴァーダイト王国の新たな王となった。
なお強化前の「ドラゴンソード」は打撃攻撃力だけ月光よりも強くゲーム中最強という特性がある。ただし、その他の性能は普通に月光に劣る上に振りも極端に遅い。
- キングスフィールドⅡ
教王と呼ばれる謎の人物によって盗まれてしまう。アルフレッドは王として国から動けないため、親友であるアレフ・ガルーシャ・レグナスがムーンライトソード奪還の使命を託され、教王の根拠地であるメラナット島へと旅立つというのがプロローグ。
本作では光の黒竜ギーラが自らを復活させるエネルギーを持った戦士を呼び寄せる為に造ったことが発覚。アレフは闇の白竜シースから黒き聖剣ダークスレイヤーを託され、ギーラの野望を打ち砕く事になる。
なお、ギーラを倒してムーンライトソードを奪還するのが本来のストーリーなのだが、ギーラの横を通り抜けてムーンライトソードを入手し、そのまま武器として使う事も可能(EDムービーも多少変化する)。ただし、産みの親たるギーラに対してムーンライトソードはあまり有効ではない。
聖剣というには曰く付きの逸品であったが、「民が聖剣と信じて疑わぬ限り聖剣であり続ける」という言葉で締めくくられる。
- キングスフィールドⅢ
三部作完結編の本作では、何者かによって2つに折られてしまっている。更にアレフが狂気に陥ったアルフレッド王を自らの命と聖剣の力を使って城ごと封印したため、力を完全に失ってしまう。
入手当初は折れていて使えない為、王家墓所にてギーラの残留思念に修復させる必要がある。
本作では修復して元の状態に戻さなければグッドエンドにたどり着けないようになっている。
(ムーンライトソードを手に入れずに狂気に陥ったアルフレッド王を倒すとバッドエンドになる)
更に正気を取り戻したアルフレッド王から託された力で強化(攻撃力が上昇するほか、柄などの装飾も変化する)が施され、全ての黒幕たる闇の白竜シースを滅ぼす使命を果たすことになる。
シースが倒された後、役目を終えたムーンライトソード、ダークスレイヤーは共に魔力を失うが、エルフが造り、人と共に成長した第三の聖剣エクセレクターを大地に突き刺す事で、闇に覆われていたヴァーダイト全土に再び命と光が満ち、三部作はハッピーエンドを迎える。
- キングスフィールドⅣ
世界観が一新されたため、王の証となる聖剣として登場する。
「ローフルブレード」が光を取り戻した姿。
(ラストボスはムーンライトソードでトドメを刺さないとバッドエンドになる)
尚、この作品ではギーラやシースなどとの関わりは語られていない。
アーマード・コアシリーズ
レーザーブレード「MOONLIGHT」。
SF的な世界観に準じ、剣というよりは腕に装備されるレーザー発振機関のようなデザインとなった。シリーズを通して重量は重いが、攻撃力が高くリーチも長めに設定されることが多い。作品によってはコマンド入力で光波を飛ばす事も可能。ACMOAに登場するフロム・ソフトウェアの初代社長(現:相談役)の「神直利」氏が製作した戦車型AC「総監督マシーン改」にも装備されており、同機のエンブレムには二振りのムーンライトソードが描かれている。PS2最終作のACLRではエヴァンジェが装備しているため、一部のファンから「ドミナントソード」と呼ばれることもある。
AC4では、レイレナード所属のリンクスであるアンジェのために開発された専用ブレード「07-MOONLIGHT」として登場。
その経緯の通り、レイレナード社製となっている。
彼女と交戦するミッション「GARDEN OF CHEVALIER」では、このブレードでシャッターを切り裂き、そのまま突撃するという演出、そして倉庫内という機動力が制限される空間内でのアンジェの強敵ぶりが印象に残っているプレイヤーも多いであろう。
続編であるACfAでも引き続き登場。
前作にもシミュレーションおよびとあるミッションのブリーフィングでのみ登場した元レイレナードの真改というORCA旅団所属のリンクスが使用しており、盟友であったアンジェの専用パーツをすべて引き継いだという設定となっている。
彼は企業連ルートのラスボスの一人であり、障害物の多いステージであることも重なってアンジェに負けず劣らずの強敵となっている。
総じて、4系においては一貫してレイレナード系リンクスの専用品のひとつという設定が強調されており、その点ではACシリーズにおいてはもっとも特別性の強いMOONLIGHTといっても過言ではないだろう。
なお、ここまで専用品であることを強調されている設定の07-MOONLIGHTであるが、あくまでも設定上の話であり、ゲーム上では従来通り条件を満たせば入手できる武器となっている。
ACVでは「LB-66 MOONLIGHT」、およびその続編であるACVDでは「X100 MOONLIGHT」として登場。
本作のブレードが腕部ハードポイント装着式から手持ち式となったことでデザインが大幅に変更(月光的には原点回帰)されており、グリップに取り付けられた半月状の発振機関からビーム刃を形成するようになった。
また、「ACLRP」の早期購入特典として入手可能であった「ANOTHER MOON」という同性能のバリエーションが存在しており、こちらは黒みがかったカラーリングであることに加え、青黒い禍々しいエフェクトを放つことから「黒月光」、あるいはKFを知るプレイヤーからはズバリ「ダークスレイヤー」という通称で呼ばれている。
ちなみに、このANOTHER MOONも「VD」への引継ぎが可能であり、「VD」での名称は「X099 ANOTHER MOON」となっている。
10年越しの新作となるACVIでも「IA-CO1W2:MOONLIGHT」として登場。
メーカーはルビコン調査技研。三日月の様な発振機が特徴的。
今回は光波のみを撃ち出す「光波ブレード」のカテゴリとなった。
過去作の月光とは違い、近接攻撃を行う事はない。そのため、使い勝手は過去作とはかなり異なり、言うなれば「光波ランチャー」と言ったところ。
消費エネルギーは大きく、クールタイムも長めだが、チャージ攻撃はかなり広範囲の斬撃となり、避ける事も難しい。また、障害物を貫通するという特性を持っていたが、後にこの挙動は仕様ではなくバグと判明。後のレギュレーションパッチで修正された。
また、発振する光波をコーラルレーザーに変更した、同じく技研製のマイナーチェンジ版の「IA-C01W7:ML-REDSHIFT」も存在する。
こちらはコーラルを纏ったことにより光波の色が真っ赤になっており、ユーザーの間では「赤月光」の通称で呼ばれることも多い。
コーラル兵器となった事で燃費は悪化したが、敵に与える衝撃力が強めとなっている。
ダークソウル三部作
「ダークソウル>無印」
ウロコのない古竜・白竜シースの尾から生まれた武器「月光の大剣」。
魔術の租たるシースの魔力の結晶である為か大剣でありながら物理的な攻撃力を持たず、その力を月光の波として開放することができる。
なお、本作にも黒竜が登場するが、ギーラではない。
「2」
月光のように輝く剣身を持つ大剣「月光の大剣」。大いなる白き姿から生まれたという。
やはり物理的な攻撃力を持たず、その魔力を月の光の波として放つことができる。
一方、遥か東方から来たという武人、ウーゴのバンホルトが愛用している一族伝来の蒼月の剣「蒼の大剣」も存在している。魔を祓う月光が形を成したものだとされているが、その実態は……
「3」
本作では、ムーンライトソードに該当する刀剣及び魔法が計三種類登場する。従来の光波を纏う大剣に加え、魔術により大剣を召喚するものと形状は特殊だが光波による斬撃を飛ばすという点が共通する。そのため、今回は三種類全てをここに記述する。
「月光の大剣」。
白竜シースの名で伝わる伝説のドラゴンウェポン
妖王オスロエスは妄執の先に白竜シースの歪んだ信仰へと繋がった。
奔流を生むこの剣は、月光を追い、しかしそれに見えることすらできなかった、彼の王のソウルによって錬成される。
前作までのものとは異なり、魔法攻撃力だけではなく物理攻撃力を備えるようになった点が特徴。
また、光波と共に強烈な突きを繰り出す戦技「月光の奔流」が使用可能。
「古き月光」
DLC『THE RINGED CITY』にて追加された魔術。
「ソウルの大剣」のように、触媒にソウルを纏わせ月光の大剣を形作り、剣撃と共に光波が射出される。
ボタンを長押しして最大に溜めてから放つと、光波の威力・スピードが増す。
闇喰らいのミディールのソウルから錬成される、ミディールの深層にあった古い剣の記憶。
形成される剣は白竜シースのものとは少し姿が異なり、よりはじまりに近いものだという。
「欠け月の刃」
薬指のレオナールが振るう曲剣。
鍔の先が名前のように三日月の如き反り返った意匠であり、月の魔力を帯びているため他の月光と似た様に緑がかった発光をしている。
戦技「欠け月の刃」は構えの後に剣を大きく振り、光波を飛ばすというもの。
火力を上げるのに技量と理力が必要だが、使い勝手が良くまた燃費も良いため一部で愛用されている。
デザインこそ特殊だがやはり月光らしい能力を持ち合わせていると言える。
フロム開発単発ソウルライク作品
つながりがおそらくはない単発作品、かつ開発はフロムであっても発売元が別の作品も含まれるが
上記のソウルライクの元祖オブ元祖であるデモンズソウルを始めソウルライクの本家本元とも言える作品たちなのでここに記載する。
Demon's Souls
月明かりを映す伝説の大剣「月明かりの大剣」。月光の騎士ビトーの名と供に広く知られる。
剣身の青いクリスタルは実体を持たない為、盾などで防ぐことはできない。
また通常の刀剣とは異なり、その攻撃力は筋力や技量ではなく信仰力に依存する。
Bloodborne
かつてルドウイークが見出した神秘の剣「月光の聖剣」。
青い月の光を纏い宇宙の深淵を宿すとき、大刃は暗い光波を迸らせる。
贋作か原点かは不明だが、類似品に「ルドウイークの聖剣」が存在する。
ELDEN RING
上述したダークソウル3に複数の種類が存在した様に本作では、月の名前を持つ刀剣が二種類登場する。その中の一つは、意匠と性能を鑑みるに直系的ななムーンライトソードに当たる。
一方で、伝統的なムーンライトソードに連なるとは言い難いものの、特殊効果が「光波を飛ばす斬撃」という、従来のそれといった特徴を残している。その為、あえてここでは二種類とも列挙する。
「暗月の大剣」
歴代のカーリア女王たちがその伴侶に贈るという月の大剣。「伝説の武器」のひとつ。
暗く冷たい満月を象徴とするラニのイベントにより入手できるり
従来のそれと比較して冷気属性を備えている他、戦技「月光剣」を発動して初めて光波を飛ばすことが可能になるという特徴を持つ。
既存のムーンライトソードに加え、ダークソウル1の暗月の剣からといった二重のセルフオマージュが含まれる。
「名刀月隠」
魔術都市サリアの刀匠により、輝石を使って鍛えられたとされる刀。
固有戦技「束の間の月影」を持ち、居合の構えから光波を繰り出すことができる。
ムーンライトソードといえば入手タイミングが後半になりがちだが、こちらはゲーム開始直後(かなり厳しいが)に手にすることも可能。
様々な点で従来のそれよりイレギュラーな一本と言える。
SEKIRO
敵専用。というか、そもそも月や月光の名を持った刀剣自体が登場しない。
ギミックボスである桜竜が振るう七支刀がムーンライトソードと同色の剣である上に、斬撃による衝撃波を放つという効果を持って振るわれている。
桜竜の立ち位置が白竜シースに類似していることもあって、これが本作におけるムーンライトソードに当たるのではないかと言われている。
ちなみに、月に関する名前だけは月隠(がちいん)の飴や月隠の御霊降ろしと言うアイテムとして登場しているが、これらは敵から姿を隠す透明化の能力の発動するアイテムとなっている。
非ACのロボゲー
クラウドブレイカー05の両前腕部に装着された高周波振動ブレード「Clair de Luna」として登場。フランス語で「月光」の意である。刀身を振る事でブレード光波を射出する武装だが、敵に接近すれば直接斬りつけることも可能。また本作の物は一般的な実体金属剣身であり青いクリスタル剣身ではない。
デザインはキングスフィールドのものとほぼ同じだが、剣として振り回す事はなく、長射程高威力の光波を発射するバズーカ砲として扱われている。
その他作品
- スプリガン・ルナヴァース
MISSION15にてスケルトン撃破後に入手。本作の他の刃物武装である各種ナイフと比べサイズの大きい普通の剣である為攻撃範囲が広く、また対霊体用の精神攻撃力が最も高い。がオブジェクトの破壊は出来ない。AMスーツ着用時に使用可能なゼロバースト発動時にあるコマンドを入力することで光波を射出できるようになる。
隠しエリアでイベントを見ることで強化が解放される、大剣の最終強化態。ムービー中ことあるごとにQTEが挟まれることで有名な本作だが、剣を拾うだけのイベントでもやっぱりスタイリッシュなQTEが入る。一応ほぼ周回前提の隠し要素ではあるのだが、後にマルホンから出たパチンコ版では件のイベントがリーチ演出に採用されている。
- 『O・TO・GI』シリーズ
一作目、二作目ともに主人公ライコウの武器としてムーンライトソードの名前で登場する。
また、二作目『O・TO・GI ~百鬼討伐絵巻~』ではそれに加えてサブキャラクターの安倍晴明の武器として「月光扇」という名の扇状の武器が登場する。「同時にムーンライトソードも存在する」「名前、形、使い方のどこにも剣の要素が無い」「さほど強くない(晴明の武器の中では最大の攻撃力を持つが、ただの攻撃力重視装備の範囲を出ない)」など、月光を冠した名の武器の中では例外的な存在。
- 『エヴァーグレイス』
隠しダンジョン「シャドウタワー」をクリアする事でムーンライトソードを入手出来るのだが後述の通り『シャドウタワー』シリーズにムーンライトソードは登場していない。
非登場作品
- 「シャドウタワー」シリーズ
- 「九怨」
- 「サウザンドアイランド
陣取り合戦SLGで直接攻撃武装がそもそも無い。
- 「RUNE」シリーズ
攻撃方法がカードに封じたモンスターの召喚であるため武器が存在しない。
- 「エコーナイト」シリ-ズ
霊の心残りを晴らす事が目的であり武器の類がほとんど無い。