暗い場所で視界を得るためには、ライトを照らす事が一番手っ取り早い方法である。
しかしながら、兵士、治安機関の捜査員、野生動物を観察する学者、カメラマン、スパイ、犯罪者等の特殊な仕事の場合はライトを照らす事ができない場合がある。
そこで、暗所でもライトを照らさずに視界を得るための方法が様々なアプローチで研究され始めた。
分類
アクティブ式
先ずはじめに、「肉眼では見えない光で照らしてはどうか?」という事になった。
「肉眼で見えない光」には赤外線が使用され、専用のフィルターが付いたスコープを通して覗くことで目標が判別できるというものであった。
画期的な装置ではあったものの、各装置は技術力の不足から大きく嵩張るものとなり、歩兵用の装備としては現実的ではなかった。更に、敵が同じ装置を持っていた場合はこちらが逆に標的になる可能性を含んでいるなど、あまり実用的ではなかったため軍需品としての活用は限定的であった。
第二次世界大戦において初めて実戦に投入されたとされている。
パッシブ式
特殊な電子部品で、微弱な光を増幅させる。即ち、自然に存在する月や星の光や、或いは遥か遠くに見える街の明かりなどを光源として利用して視界を得る方式である。現在、主流の方式である。
世代によって性能差が大きい。
例えば、「どれだけ微弱な光で使用できるか」「解像度」「遠距離における見え方の差」などである。
しかしながら、この形式の暗視スコープを通じてであっても「見える」と言うことは可視光線、不可視光線いずれかが僅かにでも照射されていると言うことであり、光源が全く存在しないトンネルや地下施設内ではどれだけ高性能な暗視スコープを用いても実用は厳しく、上記のアクティブ式同様に赤外線を照射する装置を用いたり、下記のサーマル式と併用する事で互いの欠点を補い合うものもある。
サーモグラフィ
物体から出る熱赤外線を画像として見られるようにしたもの。
光源が無い場所でも使用でき、煙や薄い葉などの光を遮るものであっても透過した熱赤外線を捉えることが出来事もある。