プレートキャリア
ぷれーときゃりあ
防護プレートを前後に入れたボディーアーマーの一種。
これが登場する前は、防護機能のある現代個人装具といえばケブラーなどの耐弾繊維をパッケージしたソフトアーマーを収納するボディーアーマーであったが、何分重く、兵士の負担が大きかった。そこで最低限の保護ができる軽量な装備として2000年代に開発されたのがプレートキャリアである。
SAPIやMBAVと言った防弾プレートをキャリアー内に入れることにより肺や心臓などの重要な臓器部分という最低限の胴部保護ができるものである。
目的により防護能力は異なるが、最低限前側の胸を防護するプレートを一枚(単独使用するプレートでない場合は更に衝撃吸収用にプレートサイズのソフトアーマーを一枚)入れることが可能。
加えて背中側に一枚、更に両脇に2枚のプレートを入れることが出来るものもあり、防御力を重視したものではボディアーマー同様に胴体の殆どを覆うソフトアーマーを入れることが出来るものもあり、ボディアーマーと同様の機能(と重量)とする事もできるものもある。
当たり前であるが、アーマーを挿入可能な部分にしか防護能力を持てないため、上限を超えた防御能力を持ちたい場合はオプションのキャリアを追加する等してプレート挿入可能箇所を増やすか、ボディアーマーを重ね着をするしかない。
一部の製品では川など水場に落下した際に重量により溺れる事を防ぐため、リリースタブを引っ張ることでプレートキャリアが分解、もしくは内部のプレートやアーマーのみが脱落する構造となっているものがある。
かつては特殊部隊での採用が多かったが、現在では軍の一般の部隊や警察などの法執行機関、PMSCsなどの警備会社だけでなく民間でも使われており、タクティカルシューティング等の射撃の為ではなく、ホームディフェンス用として購入する例もある。
プレートキャリアは大概の製品がプラットフォームとしての機能を備えており、マグポーチなどを付けたり、チェストリグ等と組み合わせて運用することが多い。
一部の製品ではプレートを挿入せず、パネルの一部を取り外すか折りたたむかすることでチェストリグとして使用できるものもある。
少ない例ではあるが、そのままの形状でプレートを挿入せずにプラットフォームとして使用する例もある。(例えばプレートの購入が規制されている、ボディアーマー等の上に重ねる為にプレートは不要、面積の広いチェストリグとして、等)
しかし、プレートキャリアのデザインや構造によってはプレートが入っていないと形がうまく保てず、マガジン等をポーチから取り出すのがうまくいかないなどが起きてしまい使い勝手が悪くなるため、防弾能力やフロート機能などを持たないダミープレートを挿入する必要があるものもある。(特に近年の軽量型プレートキャリアで起きやすい)
最近では犯罪のみならずテロへの遭遇への対処として荷物とは別にセラミックプレートを内蔵するコンパートメントを備えたリュックサックやビジネスバッグ等が登場しており、必要となれば胴体前面を保護するように身に着ける事で簡易的なプレートキャリアとして機能するようになっている。
ちなみにプレートキャリアを含め、防護装備を着けて犯罪を行なった場合は重罪化する可能性がある。