🔦概要
(エレクトリック)トーチとも呼ぶ。電源のないところでも使用が可能な携帯用照明器具の一種で、内蔵した電池などの電源により電球等の光源を点灯させる。
電源は電池のほか、発電所からの送電網を利用したものや、手回し発電機(ダイナモ)を搭載して使用者が随時発電して使用するものがある。
光源は白熱灯(蛍光管やHIDランプを光源に使用した機種も存在する)が長らく用いられていたが、青色発光ダイオード(LED)の実用化を経て、白色・電球色LEDが開発されてからは、消費電力が少なく寿命の長いLEDが主流になっている。白熱灯専用の懐中電灯に装着する、白熱電球互換形状のLEDも発売された。なお、白熱灯方式は構造も簡単で丈夫な照明になることや、排熱が多い分氷点下といった低温や雨・雪に強く、今日でも登山家や極地など極寒地で活動する団体向けに需要がある。軍用など限られた用途では非常に強力な光源を用いたものやストロボ機能を搭載したものもあり、目潰しやサーチライトなどにも使用する。市販品でも半導体の技術の進歩が進み、高度な電子制御で明るさ調整やSOSシグナルの発光機能、ヒトの肉眼の性質を利用した長寿命化などが施された、やや高級な製品も流通している。また、肉眼では見えない赤外線や紫外線を照射する機種もある。前者はナイトビジョン用、後者はアクリル樹脂の硬化や鉱石の観察、蛍光塗料の反射による紙幣の真贋検査などに用いられる。
光源の周囲には反射鏡やレンズを装着、光を一方向へと収束する事で、光源の明るさを強め過ぎることなく、充分な照度を得られる仕組みとなっている。構造によっては「ダークスポット」と呼ばれる円環状の暗い部分が生じる場合がある。
なお、現実では正当な理由なき場合、懐中電灯を公共の場へ持ち歩くことは認められないとされる。