概要
イタリアのタンフェリオ社がチェコのCz75を元に開発したTA90の技術提供を受けてIMI社(現・IWI社)が1990年に開発した銃。
名前の「941」は9mmパラベラム弾と.41AE弾を使用できることに由来する。
Cz75にデザートイーグルのような正面から見ると台形をしたスライドを載せたようなスタイル。
通称である「ベビーイーグル」は先に売れたデザートイーグルにあやかり、アメリカの輸入元のマグナム・リサーチ社が命名したもので、ものによっては「ベビーデザートイーグル」もしくは単に「デザートイーグル」であったり、同じIMI社のUZIにあやかって「ウージーイーグル」と名付けられた場合もある。
そのため、実際には同じ会社で作られたこと以外はデザートイーグルとはなんの関連性もない銃器である。
バレルを交換することで、9mm .40S&W、.41AE弾の三種類の口径に対応できる銃である。
Cz75に比べると、比較的耐久力が高い。
当初はスチール製モデルのみの販売だったが、後にポリマーフレームのバリエーションであるジェリコ941PLも登場している。
現在ではアンダーレールを追加したジェリコ941F9がメインのモデルとなっており、ポリマーフレーム等のモデルは生産が一旦停止している。
また、最近では2020年にジェリコエンハンスドと呼ばれる最新機種も登場している。
採用している国は製造国のイスラエルの他に変わったところでは韓国軍の特殊部隊に採用されている。
そこまで有名ではなくむしろマイナーめな銃ではあるが、日本のアニメ界ではカウボーイビバップの主人公、スパイク・スピーゲルの銃として有名で、レーザーサイト搭載のカスタムグリップを装備して登場。(なお劇中ではレーザーは一切使用していない。)
玩具銃について
ハドソン産業が9mmモデルをガスガン化、大日本技研がレジンキャスト製無可動モデルとして製品化している。
大日本技研版である「ジェリコ941改」はスパイクの所有するジェリコが口径不明な為、口径表記を変更できるほかにダミーレーザーサイトを取り付けないことで実銃に近い外見にする事が出来る。
また、ハドソン版を「スパイクの愛銃」の外見にカスタムするため、大日本技研がグリップ・レーザーサイト単体での販売も行った。しかし、現在は三品とも絶版。
ハドソン製ジェリコについて
現在、日本国内で、実銃に近いフィーリングのジェリコを手に入れるとなったら、ハドソン製ジェリコ941を入手するしかない。
しかし、中古でもプレ値がついているせいで平均4万円以上する価格に加えて、ガス漏れが多く、一度ガス漏れを起こしたまま放置すると、バルブまでおかしくなるので注意。
また、ガスを入れたまま保存しておかないと、これもバルブの故障につながる。
さらに初期ロットは、スライドの動きが鈍い、弾が装填されないなどの弱点がある。
可動状態で長期保存するためには、メーカーも倒産したこともありアフターサービスが受けれず、ハドソンの金型はCAWとタナカに受け継がれたがジェリコの製造はされていないため、補修部品の入手手段が限られるなどの問題があり、故障の際には自分で対処できないと維持は難しい。
ジェリコを買おうとする方も多いと思うので、参考までに。