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PMM

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PMMとは、マカロフPMを改良した軍用拳銃である。 治安機関や特殊部隊では採用されたが、連邦軍に採用されてマカロフPMを置き換えるには至らなかった。
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PMM(マカロフPMM)とは、従来ソビエト連邦警察、特務機関などで制式拳銃であったマカロフPMを改良した軍用拳銃である。


開発経緯編集

優秀な拳銃であったワルサーPPを基に開発されたマカロフPMもまたコンパクトかつ安全で合理性に富んだ優秀な拳銃であった。

しかしながら、これはあくまでも将校自衛拳銃としては優秀という意味であり、例えば閉所戦闘を行う特殊部隊のサブウェポンとして、攻撃的な用途で用いる拳銃としての性能は優れているとは言い難かった。装弾数は8+1発と少なく、また使用する弾薬の威力そのものも足りなかったのである。


概要編集

マカロフPMが使用する弾薬は、ごく単純な閉鎖機構であるストレートブローバックに対応する為に開発された9×18mmマカロフ弾であり、冷戦期に西側で使用されていた拳銃弾と比較しても威力を落とさざるを得なかった。(でも銃自体を安く大量に作ることが出来た)

そのため、ソ連末期に犯罪組織などに普及した防弾チョッキに対して充分に効力を発揮できないことが判明する。この問題は、特に拳銃を多用する治安機関や特殊部隊では死活問題であった。

マカロフPMより遥かに先に開発されたにもかかわらず、現在でも一線級の実力を持つM1911の人気は、信頼性の他に弾薬の威力にあると言っても過言ではないことからもこの問題の重要性が窺える。


改良点編集

マカロフPMMの外観は一見するとマカロフPMと比べてグリップが角張っているが、これは装弾数を8+1発から、12+1発に増やした為である。

また、強装弾を使用するため各部の強化が計られているほか、薬室の構造が少々異なる。


マガジンはダブルカラムマガジンとし装弾数が増やされたが、上部のみシングルカラムとなる独特な形となった。

マガジンキャッチはマカロフPMから変わらずグリップ底部にある。

このため、マカロフPMMには8発入りのマカロフPMのマガジンが使用できる。(逆の場合はそもそも入らないので使えない)


  • 強装弾

使用弾薬の威力不足の問題を解消するため、従来使われていた9x18mmマカロフ弾を改良して強装弾とし、初速を上げて必要な威力を確保することとした。

しかし、これまで使われていた通常の9×18mmマカロフ弾はストレートブローバック方式の銃で発砲できる最大級の威力の弾薬であり、更に強力な強装弾を通常のマカロフPMで発砲すると薬室の早期開放(※)が発生するため、危険極まりない代物となった。


(※)銃弾が銃口から出る前にスライドが開くこと。銃弾を発砲したときに出る高圧ガスが薬室の辺りから勢い良く吹き出るので銃が破損したり射手が大怪我を追うことになる。


  • 薬室リング遅延式

スライドの早期開放という重大問題に対処するため、薬室リング遅延式を採用した。

これは薬室に螺旋状の溝を設けることで薬莢が抜ける速度=スライド後退速度を微妙に落とし薬室の早期開放を防止するというものである。そのため、強装弾であっても安全に発砲することができ、なんとか実用に漕ぎ着けた。


弾薬の互換性編集

マカロフPMMで通常弾を発砲する場合は、腔圧(銃弾を発射する作用とともに薬莢を膨らませる作用を持つ圧力)が低いため薬莢が薬室の溝に張り付かず、通常のマカロフPMと同じように使用できる。

しかしながら、逆に強装弾であるマカロフPMM弾をマカロフPMで使用すると、薬室の早期開放や銃の破損などを招く為絶対に行ってはならない。

厄介なことに、通常弾、強装弾共に外寸がさほど変わらないという。


この管理の煩雑さが嫌われ、ロシア連邦軍では大々的に使用される事はなく、実際に使用している部隊は少数単位で確実な管理ができるロシア連邦保安庁等の特殊部隊に限られている。


使用状況編集

ロシア連邦軍によって行われた、マカロフPMの更新を目的とする新型拳銃の採用審査「グラッチ計画(ГРАЧ)」にも提出されたが、MP-443が採用されたため連邦軍の制式拳銃とはならなかった。

上記の通り使用する部隊は限られているが、民間人向けの非致死性火器として実弾が発砲できないよう改造を施したものが販売されている。

現在、ロシアで使用されている公用拳銃の製造を手掛けているイジェメック社のホームページを見ると、ロシア国外への民間市場向けには12発入りのPMMの外観をそのままに、使用弾薬をマカロフPM用或いはCal.38ACPとしたBaical-442がラインナップされている。

しかし、英語版のページでは軍用拳銃の項目にMP-443とマカロフPMの項目は見られるのだがPMMは発見できない…

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