概要
イタリアの銃器メーカーであるベレッタ社が開発したポリマーフレームの自動拳銃である。ベレッタ社は1985年に自社の製品であるM92Fが米軍正式採用サイドアームとなったことで一躍世界屈指のハンドガンメーカーに成長したが、なまじ正式採用期間が長かったために近代拳銃の主流となったポリマーフレームオート(グロック17のような樹脂製フレームで覆われた拳銃)の開発に乗り遅れてしまった。遅れを取り戻すべく開発されたM9000Sはデザインは優れていたものの、使い勝手がイマイチで売れ行きは芳しくなかった。そこで新たに開発され、2005年に世に送り出されたのがこのPx4である。
Px4は、バレルが約60度回転しながらロックを解く「ローテイティング・バレル(銃身回転)方式」をM8000クーガーから継承し、尚且つ全体をダウンサイジングした拳銃である。直線と曲線が合わさった個性的な外見も特徴であり、フォルムの美しさからマニアックな人気を博している。
フレームには特殊ポリマーを採用。 簡単な作業でグリップを3段階に変換でき、マガジンキャッチの左右入れ替えが可能。また「バレル」「マガジン」「スライド」の交換で9mm×19NATO、9mm×21 IMI、.40S&W及び.45ACP弾の4種の弾薬に対応できるというコンセプトを持つ。これがPx4という名の由来にもなっている。 ただし、45ACP弾のモデルについては新規フレームや強装弾薬に対応するため各部の強化を図り、フラッシュライトの保護、サイレンサーへの対応を考慮し半インチ(約12mm)長いバレルを採用した「Px4 Storm SD」という名前でラインナップされている。
レールはM1913ピカティニー・レールを採用しているため汎用性も高い。
本来は米軍の次世代拳銃トライアル向けに提出する予定だったが、結局トライアルが没になった。
また、本国イタリアで採用する機関は無い。
また、東京マルイがPx4のガスガンを販売している。