概要
主に重要事件の初動捜査を担当し、犯罪発生の初期段階での犯人逮捕を目的とした部署である。
元々警視庁捜査一課内に存在した「初動捜査班」という組織が独立した組織である。
警視庁の場合、発隊から数年後、捜査第一課より分離独立・増強され、現在では刑事部隷下の執行隊として編成されている。
第一機動捜査隊(一機捜)都区部の東部を管轄
第二機動捜査隊(二機捜)都区部の西部を管轄
第三機動捜査隊(三機捜)三多摩地域を管轄
いずれも隊長は警視が務める。数年前、一機捜には女性隊長(警視)が就任したこともあった。
活動内容
街頭を捜査車両で警ら(機捜隊の場合、密行ともいう)し、事件発生を覚知するや、初動捜査に即応できるよう備えている。
機捜隊員は、街に紛れるよう、私服を着て活動している。背広服や、カジュアルスタイルなど様々である。ナイフなどの刃物で切り付けられる対策として、耐刃防護衣(防刃チョッキ)や、白手袋のほかに耐刃グローブを着用することがある。
(なお、私服捜査員向けに、目立ちにくいものが配備されていることもある)
現場臨場後は、腕章(警視庁では臙脂色地。上段に警視庁、下段に○機捜と黄字で記される。階級により上下に黄色階級線も入る)や白手袋をはめたり、帽子(アポロキャップや略帽)やヘアキャップをつけたりして現場保全に努める。
また、事件性の有無の判定、目撃者や通報者への事情聴取など初動捜査を担うほか、捜査本部に応援として参加することもある。
MIU404の劇中に登場した、メロンパン号のように擬態している車両ではないが、現場における指揮車両も一部本部には配備されている。
(警視庁や愛知県警など。
警視庁の場合、路線バス型の多重無線車(捜査本部用車とも)を改造した車両「現場指揮官車」が配備されている)
機捜隊員の殉職、受傷事故
凶悪事件の現場に臨場することが多いことから、受傷率や殉職率も高く、伸縮式警棒のみならず、けん銃の携行が義務付けられている。
機捜隊員が殉職した例として、
東大名誉教授刺殺事件(警視庁二機捜、隊員1名が包丁で顔を切りつけられ、殉職)
町田市立てこもり事件(神奈川県警機捜隊、隊員1名が銃撃され殉職)
大曽根立てこもり放火事件(愛知県警機捜隊、隊員1名が爆発に巻き込まれ殉職)
などが挙げられる。
余談
現在の名前になったのは刑事ドラマ「特別機動捜査隊」をモデルにしたと言われている。また、当時の警視庁の警察官募集案内には「ドラマでお馴染みの機捜隊を保有しております」といったセールスポイントにしていた程である。
関連タグ
特別機動捜査隊:前身組織である初動捜査班をモデルとしているが、機動捜査隊の設立に影響を与えている。
警視庁機動捜査隊216:TBS系列の刑事ドラマシリーズ。第二機動捜査隊目黒分駐所管内での活躍がメインとして描かれる。
MIU404:2020年放送のTBS系列連続テレビドラマ。架空の組織「第4機動捜査隊」を題材としている。