概要
TBS系列の「金曜ドラマ」枠(夜10時~)で放送された連続テレビドラマ。綾野剛と星野源がW主演として『コウノドリ』以来の再共演を果たした。
また、2018年1月期に放送され大きな話題となった『アンナチュラル』のスタッフ(野木・新井・塚原)が再集結することで注目を集め、3話では同作の登場人物である西武蔵野署の毛利忠治(演:大倉孝二)・向島進(演:吉田ウーロン太)両刑事が、8話ではUDIラボの臨床検査技師・坂本誠(演:飯尾和樹)が登場。主題歌も同じく米津玄師が担当した。
当初は2020年4月10日から放送開始予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け1クール分延期となり、同年6月26日に第1話が放送された。
「MIU」は「Mobile Investigative Unit(=機動捜査隊)」の略称。
「404」は綾野・星野演じる機動捜査隊員2人を指すコールサインだが、「存在しない」ことを意味するエラー「404 Not Found」とのダブルミーニングである可能性も示唆されている。
登場人物
警視庁機動捜査隊
「機捜っていいなぁ」
本作の主人公。第4機動捜査隊隊員。階級は巡査部長。
イメージ犬種はドーベルマン(狂犬)。
俊足で、車両が横転するほどの衝撃を受けた直後でも全力疾走できる身体能力を持つが、考える前に身体が動いてしまう性質で、志摩曰く「野性のバカ」。
しばしば他人に「〇〇魔人」と渾名を付ける。
これまで多くの部署を転々とした挙句、赴任前は奥多摩の交番に8年近く勤務していた。
関わった警察関係者が皆「足が速い」こと以外に多くを語りたがらないほど評判は悪い。
実際犯人確保の際に過剰な暴力を振るったり、拳銃を発砲しようとした結果、奥多摩に飛ばされている。
だが、第4機捜では志摩と次第に相棒としての絆を築き、私的場面を含めて4機捜チームの一員として受け入れられてゆく。
初の機捜勤務ながら、機捜の業務を「誰かが最悪の事態になる前に止められる超いい仕事」と感じている。
密行時はパーカーにスウェットパンツとランニング用スニーカー、度の入っていない薄い色のサングラスが基本。自室には大量の服とスニーカーが整然と並べられている。
4機捜配属当初は、聞き込みの際にメモや音声記録を取る、分駐所出入りの際に鍵をかけるといった「刑事の基本」ができておらず、折々で志摩に注意されている。
また志摩によれば「動体視力・聴覚・嗅覚に優れているが、思考力と語彙力がない」ため、すべてを「なんとなく」「勘」で済ませる癖がある。
「俺は自分も他人も信用しない」
本作のもう一人の主人公。第4機動捜査隊隊員。
イメージ犬種はボーダーコリー(牧羊犬)。
以前は捜査一課に籍を置いていた優秀な刑事だが、後述の元相棒刑事・香坂をめぐる事情から異動。運転免許試験場を経て所轄にいたところを、4機捜設立検討時には桔梗専属の運転手に使われ、設立承認とともに隊員となる。
桔梗からは「伊吹に適性が無いなら機捜から外し奥多摩に返す。その判断を志摩に一任する」と伝えられている程に、桔梗、また陣馬からの信頼は厚い。
証拠や証言を地道に積み重ね、抜群の観察眼を持ち、社交力に長け、常に先回り思考で道理を見極めようとする理性派。
元々の気質もあるが、その手法の根底には香坂の事情からくる「自分も他人も信用しない」という思想がある。
- 九重世人(演:岡田健史)
第4機動捜査隊隊員。
イメージ犬種はジャーマンシェパード(警察犬)。
新米だがキャリア組のため階級は警部補。
父親は警察庁刑事局長で、九重をメンバーに加えることを条件に4機捜の発足が承認された。
現場経験のない中ベテランの陣馬と組むことになり、様々なことを学んでいく。
感情が高ぶった時、博多弁が出やすくなる。
『ラストマイル』では未登場。おそらく栄転した可能性が高い。
- 陣馬耕平(演:橋本じゅん)
第4機動捜査隊隊員。階級は警部補。
イメージ犬種はブルドッグ(闘犬)。
かつて志摩と組んだこともあるベテラン機捜隊員。「マウントを取られたら取り返せ」と言い放つ豪快な性格。
4機捜が発足した時には「なんで俺がキャリア組のボンボンと」と言うなど、不本意ながらもキャリア組の九重とコンビを組み、面倒を見ることに。
家族からは仕事柄邪険に扱われており、息子の縁談には本人から「どうせ仕事だから来なくていい」、妻からは「あなたみたいな暑苦しい人がいると破談になりかねない」、娘からは「お父さんが居ると事件が起こる」と言われ、来させて貰えなかった。
- 桔梗ゆづる(演:麻生久美子)
第1機動捜査隊・第4機動捜査隊両方の隊長を兼務。
階級は警視。イメージ犬種はボルゾイ(狩猟犬)。
警察署長を経て女性初の1機捜隊長となった実力者で、機捜4部制の立案者でもある。捜査一課時代に志摩と同じ班にいたことがあり、現在も強い信頼を寄せている。
男社会の警察組織において「女性であること」が頻繁に障壁として立ちはだかるが、それに抗う意志と能力を持っている。
『ラストマイル』では、西武蔵野署署長に就任している。
- 糸巻貴志(演:金井勇太)
第1機動捜査隊隊員で、スパイダー班班長。
階級は巡査部長。
SNSのリアルタイム監視の他、WEB分析・防犯カメラの映像解析などを担当し、伊吹らの捜査をサポートする。
警視庁上層部
- 我孫子豆治(演:生瀬勝久)
警視庁刑事部長。階級は警視監。
桔梗とは組織犯罪対策部時代からの犬猿の仲で、4機捜発足においても何かとやり合っていた。彼女から(というより4機捜の面々から)は陰で「マメジ」と呼ばれている。
『ラストマイル』では未登場。
警視庁捜査一課
- 刈谷貴教(演:酒向芳)
捜査一課の刑事で捜査一課時代の志摩の同僚。
四機捜のことを快く思っておらず、高圧的な態度でパシリ扱いしている。
『ラストマイル』でも登場。相変わらずの剣幕だが、今回は毛利とバディを組むことに。
- 田島雄介(演:永岡卓也)
捜査一課刑事。刈谷とコンビを組んでいる。
『ラストマイル』では、向島とバディを組むことに。
- 香坂義孝(演:村上虹郎)
捜査一課の刑事で嘗ての志摩の相棒。
ある事件を機に刑事を辞めることとなり、その直後原因不明の死を遂げた。
その他
- 特派員REC(演:渡邊圭祐)
動画投稿サイト「NOW TUBE」で「ナイトクローラーチャンネル」を配信しているナウチューバー。本名・児島弓快。
最初は所謂底辺ナウチューバーだったが、4機捜絡みの事件を扱うようになってから再生回数や登録者数も伸びている。
- 羽野麦(演:黒川智花)
3話から登場。元保育士。
桔梗母子、404コンビからは名字と名前から1文字ずつとって
「ハムちゃん」と呼ばれる。
2年前ピアノバーでアルバイトをしていたとき、警察に情報提供し裏カジノ摘発に貢献した。だが、警察がバーのオーナー・エトリを取り逃がしたため命を狙われるようになる。現在は桔梗の自宅に匿われており、彼女の息子・ゆたかの面倒を見ている。
- 桔梗ゆたか(演:番家天嵩)
桔梗の一人息子。志摩に懐いている。『ラストマイル』では未登場。
- 成川岳(演:鈴鹿央士)
3話から登場。私立バシリカ高校3年生で、元陸上部。
同話で発生した虚偽通報事件の主犯格の一人だが、犯人グループの中で唯一捕まらず逃亡し、そのまま行方不明となった。その後、久住と出会ったことで彼の運命は大きく変わっていく。
- 勝俣奏太(演:前田旺志郎)
3話に登場。私立バシリカ高校3年生で元陸上部。
同話で発生した虚偽通報事件の主犯格の一人で、成川を除く他のメンバー共々自首した。
『ラストマイル』では、機捜の一員として活動。階級は巡査長。
- 蒲郡慈生(演:小日向文世)
元茨城県警の刑事。伊吹からは「ガマさん」と呼ばれている。
素行の悪かった学生時代の伊吹を唯一信じてくれた人物で、伊吹を警察官の道へ導いた恩師でもある。
3話から登場する関西弁の若い男性。同話終盤、警察から逃れた成川と接触し、住む場所や仕事を提供した。
陽気に振る舞っているが、素性は一切不明。ドラッグ「ドーナツEP」らしきものを持っており、バシリカ高校陸上部の生徒による密売に関与していると思われる。伊吹には「メケメケフェレット(メフィストフェレスの言い間違い)」と呼ばれた。
ちなみに菅田はミスタードーナツのCMに出演し、話題をさらった。
- エトリ(演:水橋研二)
裏社会において大きな権力を持つ謎の男。過去に摘発された10億規模の違法カジノ経営者だが、ダミーを逮捕させて自身は逃げ切り、以後も暴力団辰井組のダンベ(スポンサー)として、ほとんど姿を現さないまま権力を握り、恐れられている。麦を気に入り自身の力を誇示していたが、警察に自身の情報を流した彼女に1,000万円の賞金を懸け、行方を追わせる。
余談
・第1話で陣馬が機捜うどんを茹でた時、仮分駐所である芝浦署3階会議室の窓から湯切りをしてしまう。そのせいで、第2話冒頭からは仮分駐所を使わせて貰えなくなり、芝浦署裏手の雑居ビル内にあった元飲食店を分駐所としてあてがわれた。
・第8話に登場する伊吹の部屋にディスプレイされた服や靴などは、演者である綾野剛自らが選び、飾っている。撮影前には靴の位置を入れ替えたりもしていた。
・4機捜メンバー5人のイメージ犬種は、MIU404公式メモリアルブックに掲載されたものである。
また、ドーベルマンとジャーマンシェパードは日本警察犬協会が警察犬選出種として定める「指定犬種」7種のうちの2種である。
・本編に登場する4機捜の捜査車両は、401号車がトヨタクラウン ロイヤルサルーン(JZS180系)。404号車は、第1話の時点はトヨタカローラアクシオ(E140系・前期型)だったが煽り運転の常習犯が乗る被疑車両(ホンダ オデッセイ)を追跡中、志摩が強制停止させようと被疑車両に突っ込んだ際に大破して、事故廃車となってしまった為、第2話以降は、代車として移動販売車に擬装した「まるごとメロンパン」号ことトヨタクイックデリバリー(3代目)に乗り換えている。最終話のワンシーンでは、トヨタマークX(GRX130系・前期型)、映画『ラストマイル』では、ホンダアコード(CU系)と通算3回の車両変更が行われている。
因みに、いずれの捜査車両もスポンサーの都合上、メーカー名がオリジナルのエンブレムやテープ等で伏せられている。
因みに、第1話のカースタントに用いられていたトヨタカローラアクシオは2台が用意されており、志摩一未役の星野源が当時、自動車免許が無かった為、2台のうち1台は、左ハンドルの海外仕様車のトヨタカローラで撮影が行われている。星野源が座る助手席にダミーのハンドルが取り付けてられており、カメラが写らない運転席側はスタントマンが運転をしている。一方、もう1台は純正のトヨタカローラアクシオで、前面ガラスをよく見てみると、車検切れになっている事から10年落ちの廃車予定の車両が用いられている。
また、伊吹は被疑車両(ホンダ オデッセイ)の事を「白のステーションワゴン」と呼んでいたが、実際のホンダ オデッセイのカテゴリーは、ミニバン扱いとなっている。
関連タグ
私の家政夫ナギサさん 半沢直樹(第2クール)…同時期に放送されたTBSのドラマ。いずれも高視聴率を獲得している。