曖昧さ回避
- 文字通りネズミを捕獲する道具・行為。
- 交通取り締まりの俗称。
ネズミを捕る器具・行為
ネズミは、古来より人間にとって身近な存在で、伝説や神話の中にも数多く登場する。
しかしながら、愛らしい容姿と裏腹に実生活では食品や生活雑貨を喰い荒らす厄介な害獣として忌み嫌われていた。特に中世ヨーロッパでは、伝染病を媒介する不吉な存在(実際にペスト等を媒介する)とされるなど、この傾向は古今東西変わることは無かった。
人間は有史以来、ネズミを捕るために野生生物を猫なるものに家畜化したり、工業がある程度発展すればネズミ捕り用の罠を量産し、化学工業が発展して薬品類を大量生産できるようになれば殺鼠剤を開発するなどして、小さな厄介者の撲滅に努めてきたのである。
捕鼠器
- スプリング式
板の上に仕掛けが載っており、ネズミが餌を引っ張るとフックが外れて、針金でできた四角いレバーがネズミを捕える。
アメリカ製のカートゥーンの影響か、こちらの知名度はかなり高い。
但し、スプリングの力が弱ければ逃げられたり、或いは強過ぎると捕らえたネズミが"介錯"されていたり、1個の罠に(ほぼ)1匹しか掛からないためカゴ状の罠のほうが使い勝手が良かった。
- カゴ状のもの
猪や猿などの猟に使う箱罠のように側面に入り口が開いた箱状で、ネズミが中の線に触れるとギロチン状のフタが閉まるものと、同じく小型の箱状で、上部に漏斗状の網が設けられていて一度そこから入ると二度と出られない構造のものの2種類、あるいはこれらを組み合わせたものがある。
- 粘着シート
ごきぶりホイホイなどと同様である。
粘着力はかなり強力で、子犬程度であれば問題なく捕らえられる。
余談
- 捕鼠器は、粘着式を除いてごく一部で本当に幸運なネズミが餌だけを持ち帰ることがある。
- 多くの船では、ネズミを捕らえるため、或いは信仰の一環で船内に猫を飼っていた。現在では、衛生上の観点から禁止している軍・組織・事業者もあるが、昔は普遍的な行為だった。特に、著名な探検家の船や戦争中の軍艦に乗り組んだ猫には、後世まで名前が残る有名な物も居た。日本では、第一次南極観測隊の一員となった雄の三毛猫「タケシ」が有名である。
- 大日本帝国海軍では、ネズミを捕らえた者に対して特別上陸が許された。閉鎖された環境である艦船の中ではそれほどに厄介な存在であった。
- イギリス ロンドンの首相官邸や外務・英連邦省にはネズミ捕りを「職務」として職制が与えられた猫がいる。ロシア サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館にもネズミを捕るために猫が放し飼いされている。
ともあれ、ネズミを捕る道具と行為は、歴史とエピソードを纏めれば本にできるほどである。
知略を駆使しながらターゲットに対して粘り強く望む姿勢は、次に述べる交通違反取り締まりにも共通点を見出すことができる。
「ネズミ捕り」が、取り締まりに対する俗称としても用いられているとしても自然なことと言えるかもしれない。
交通取り締まりの俗称
自動車・バイクを対象とした、公道における交通取り締まりの俗称。
由来は違反車両をネズミに例えたもの。
車を運転する人なら、一度は遭遇したことがあるはずである。
分類
主に下記の違反行為が対象となる。
方法
人目に付かない死角に警察官やパトカーがスタンバイし、違反車両が訪れるのを待っている。
ネズミ捕りを行うポイントは警察署によって決められており、一度遭遇した場所は頻繁に行われていると思って差し支えない。
速度超過の場合は、特に高速道路ではオービスの導入が進んでいる為、後になって発覚することも多い。
対策
- レーダー探知機を導入する。
- 警察無線やネズミ捕りのポイントを警告してくれるレーダー探知機を車に設置する。自動車用品店で購入可能。
- 見通しのいい場所に注意する。
- 見通しのいい道路や交差点は、速度超過や一時停止無視を見張る定番のポイントである。
- 心理的には油断しやすいが、実際には逆に注意を要するのである。
- 交通量の少ない道では速度を出さない。
- 速度超過や歩行者横断妨害を見張っている危険性が高いため。
- 同じ理由で、交通量が減る夜道にも要注意。
- 先頭を走らない。
- 速度の出やすい道で先頭を走ると狩られる危険性が高いため。
- 慣れない道に注意する。
- 初めて訪れる道は、道路標識をよく見ながら走る。流れが出来ている場合は他車に追従するのも手。
- 経験で覚える。
- 先述の通り、ネズミ捕りのポイントはおおまかに決まっている為、一度でも遭遇した場所は注意する事。
- そもそも違反を起こさない。
- これが一番有効なのだが、慣れない道で守るのは難しい実情がある。