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概要編集

警備部は、警察本部に必置の部のひとつである。機動隊セキュリティポリス(SP)などが置かれている。

また、警視庁以外の各警察本部においては、公安情勢を取り扱う課が、警備部内に公安課・外事課などとして設置されている。警察部内において、公安部門は警備公安と一括りにされるためこのような形となっている。

なお、小規模警察本部においては、公安課と外事課を一つの課とし、公安係・外事係で構成する本部も多かったが、近年の国際情勢の変化をめぐり、別個の課として独立させる本部も増えつつある。

警視庁では、後記するように、警備部自体が多忙のため、公安部として独立している。


一般の警察本部における編成編集

小規模警察本部においては、警備部長には各警察本部採用で、機動隊経験を持つ叩き上げ警視正が着任することが多い。

小規模警察本部ではあるものの、沖縄県警においては、国境離島警備隊や、南西諸島尖閣諸島などを抱える関係上、警察庁出向のキャリア警視正が着任している。


警察本部の規模によるが、一般に、各警察本部における警備部は、警備部長、参事官ないし管理官(本部により名称は異なる)以下、概ね次のような構成であることが多い。


  • 警備課
  • 公安課
  • 執行隊2隊
    • 機動隊1個中隊(およそ数十名程度)
    • 航空隊(ヘリ1機)

機動隊長は警視、副隊長は警部が勤めることが多い。常設の機動隊の規模としては、特記した例を除き、1個中隊規模であることがほとんどだ。


赤ダイヤの女武士(もののふ)


機動隊には、警察学校卒配後の若手警察官や、武道採用者などが採用されることが多い。一方、管区機動隊(管機)の隊員を指定し、常設機動隊を補う形をとっている本部がほとんどである。

管区機動隊は、管区警察局毎に編成される部隊であり、隊員は、所轄署に勤務する若手警察官らが指定される。大規模警備や災害発生時に招集され、活動にあたる。


成田空港警備隊編集

QKくん

千葉県警に編成される執行隊であり、機動隊に準ずる部隊の一つが成田空港警備隊である。その名の通り、成田空港の警備を担う専従部隊である。略称は『空警隊"くうけいたい"』


当初は新東京国際空港警備隊として設立。設立の経緯は成田空港開港をめぐり、地元農民によってなされた開港反対運動に、社会党極左暴力集団が介入したことによって激化した成田闘争への対策であった。

成田闘争においては、警察官3名がリンチの末に殉職した東峰十字路事件に代表されるような、過激な闘争が頻発。さらに、開港を目前とした昭和53年1978年)には、過激派により管制塔が占拠される事件が発生(成田空港管制塔占拠事件)。

開港後も、さまざまなゲリラ・テロ事案が発生することは必至であったため、同年7月に発隊した。


千葉県警出身者のみでは人員が不足するため、皇宮警察も含めた全国47警察本部から警察官を出向させて編成している。かつて千葉県警においては、採用された警察官は全員、交番ではなく空警隊に配属させていた時期もあったほどである(さらに言えば空警隊から転属後、今度は千葉県警機動隊〈県機〉として、再び成田空港の最前線に配属されることもしばしばであった)。


かつては隊員数1500名を抱える巨大組織だったが、成田闘争の沈静化に伴い、現在では半分となる750人程度への人員縮小とともに、よりテロ対策・銃器NBCテロ対策の能力を高めて専門化が図られている。

後述する『警視庁東京国際空港テロ対処部隊』と同様、飛行機内に警乗し、ハイジャック対策にあたる『スカイ・マーシャル』が編成されている。


原発特別警備隊編集

( ー )

原子力発電所などを抱える警察本部においては、原発特別警備隊(原子力関連施設警備隊)を編成している。

管区機動隊員らで構成され、銃器対策部隊と同等もしくはそれ以上の装備・資器材や、特型遊撃車などの防弾装甲車、放射線防護衣などが配備されている。

この他、福島県警には福島第一原子力発電所にて発生した原発事故に対応するため、鉛で防御された放射線防護車が配備され、実際にコレを用いたテロ対処訓練などを行なっている。


福井県警では、管内に『原発銀座』とも称されるほどに原子力関連施設が林立しているため、専従の原子力施設警備隊『福井県警察原子力施設警備隊』(旧称・嶺南機動隊)を設けている。


余談であるが、令和4年(2022年)3月14日の参議院予算委員会において、立憲民主党福山哲郎議員の質問、及び岸田文雄首相による答弁にて取り上げられたのも、福井県警の部隊である。


【答弁の要旨】

  • 福山議員「ウクライナ侵攻以降、原発の警備部隊を強化したか否か
  • 櫻澤参考人(警察庁警備局長)「警察において、原発特別警備隊等が対応にあたっている。ウクライナ情勢に関し、情報を収集し、警戒警備を徹底してまいる所存である
  • 福山議員「総理、福井県警同様、専従の警備体制をとる形について、前向きに検討するとお答え頂きたい
  • 岸田首相「福井での取組を横展開するのは重要である。検証した上で議論を展開するよう考えたい

時事通信社 「原発に専従警備隊」を議論 岸田首相、国連改革の必要性強調―参院予算委

参議院予算委員会における当該議事録

(発言番号069から075にかけてが当該部分)


課題編集

専従部隊を各警察本部毎に設置する場合、その人数分の執行力が不足することとなる。専従部隊の隊員は、機動隊から引き抜かれることとなろうが、警視庁機動隊(4000人規模)や、千葉県機(1000人規模)を除き、ほとんどの機動隊が数十人規模である中、現実的ではない。


比較的、人員規模に余裕がある管区機動隊の隊員を専従部隊所属とすることも考えられるが、この場合も平素、管区機動隊が担っている警備の人員の不足は避けられない。そもそも、管機隊員は各管区内の警察本部からの出向隊員で賄われているため、不足した管機隊員の穴埋めのため、さらに管機隊員を各警察本部から出向させることになる。

こうなると、各警察本部の人員が不足することになる。 あれ?どこかで聞いたような……


根本的な問題として、他にも挙げられるのが警察力の強化である。ウクライナ情勢において、この問題が取り上げられたのであれば、当然、想定されうるのは軍事組織による攻撃であろう。

かつて麻生幾が、潜水艦より北朝鮮工作員が原発周辺の浜辺に上陸した……との内容の小説『宣戦布告』を執筆したことがある。小説内において、政府は自衛隊の治安出動・防衛出動の議論を避けるため、警視庁特殊部隊SATの出動を命じた。

だが、RPG-7を装備した軍隊に対し、有効な装備を持たないことや、法令の不備が災いし、隊員に殉職者が出るという最悪の結末を迎えている。


治安出動

現状として、自衛隊と警察の共同警備訓練が実施されているものの、有事における即応体制や、自衛隊の出動に関する法体系、真っ先に対応する警察の装備・資器材面を懸念する声も上がっている。


琉球朝日放送 県警と陸自共同訓練


【結論として】

専従部隊を発足させるのであれば、不足する警察官分の人員増や予算増、法体系の整備など、様々な面での検討や強化が必要となる。専従部隊へ改編・増強とは、中々いかないのが実情である。


航空隊編集

警察用航空機(ヘリコプター)を用い、上空からの警察活動を行なう部隊である。


かつて、航空隊は全国警察本部の地域部あるいは生活安全部に編成されていた。

というのも昭和34年1959年)、全国ではじめて警察航空隊が警視庁警備部警ら課に発隊した当初は、現在のように空からの救難活動ではなく、上空からの警ら活動、つまりパトロールを主目的として編成されたためであった。

昭和42年1967年)に、警視庁警備部から、警ら部(のちの地域部)が分離独立した際、当時の警視庁航空隊は警ら部隷下へと配置換えされた。

以来、安田講堂事件あさま山荘事件日航機墜落事故の現場などで活躍したほか、平素においては、逃走車両を上空から追跡したり、山岳地帯における遭難者救出にあたったりしていた。


やがて、航空隊による活動の重点が、救難活動や警備現場への特殊部隊派遣、上空からの警戒など、警ら(地域警察)活動より警備警察活動へと、次第にシフトするようになる。


このため、警察庁では、令和2年2020年)を目処に、全国警察本部の航空隊を警備部に移管することを決定。現在では警備部隷下の執行隊となっている。


警視庁警備部編集

警視庁の場合、部長1名の下に2名の参事官。さらに、警備部付警視正(無任所警視正として数々の警備実施の指揮を執る)や、警備部理事官などが置かれ、都内における警備実施の指揮に当たっている。

警備第一課長のみはキャリア警視正が務め、他はノンキャリアの警視(警護課長のみ警視正)が務める。


かつて、警備部長には、キャリア警視長が着任し、参事官は両方とも、都採用のノンキャリア警視正が努めることが多かった。

(例)安田講堂事件当時における体制。

警備部長・下稲葉耕吉(キャリア警視長)

警備部参事官・末松実雄、津田武徳(ノンキャリア警視正)

警備第一課長・佐々淳行(キャリア警視正)


現在では、警備部長には、キャリア警視監が着任。

参事官は2名置かれ、片方は警視長、もう片方は警視正が務めることが慣例となっている。


  • 警備第一課
  • 機動隊および航空隊の運用、治安警備、警備情報収集を担当。
    • 危機管理室
    • 機動隊(詳細下記。)
    • 東京国際空港テロ対処部隊(詳細下記。)
    • 航空隊:警察用航空機(ヘリコプター)を用い、空から警察活動の支援を行なう。
  • 警備第二課
  • 訓練や警備犬、S-NBC(爆発物・化学防護)係など装備や後方支援を担当。

警視庁のレスキュー車


  • 災害対策課
  • 災害対策、およびレスキュー隊である『特殊救助隊"SRT"』の運用を担当。Twitter上で時折話題になるのもこの部署。
    • 特殊救助隊"SRT":高度な救助技能を持ち、機動救助隊員への技術指導や、要請に基づき、救助現場に出動する。
  • 警衛課
  • 上皇上皇后両陛下や、天皇皇后両陛下をはじめとされる皇族方御警衛を担当する。
  • 警護課
  • 首相閣僚、各政党党首、国賓や公賓の警護を担当する。いわゆる『セキュリティ・ポリス』(SP)はここの所属。
    • 総理大臣官邸警備部隊:警護課隷下の執行隊。機動隊観閲式においても行進するほか、装備や資器材、人員などから見ても機動隊に準ずる部隊といって差し支えない。官邸内、おより周辺における警備を行なう。

警視庁機動隊編集

GO 機動隊!!


警備第一課隷下の執行隊である。治安警備や災害警備など、集団警備力を発揮する場合に出動する。警視庁には、常設機動隊(第一機動隊と呼称する本部もある)が10個隊編成されている。10個機動隊のうち、1個大隊は当番隊として、本隊に待機し、突発的警備事案に対応する。


重大警備に際しては、臨時に所轄警察署の指定隊員から常設機動隊の第五・第六中隊に"特別機動隊(特機)"として組み込まれる。特別機動隊は「第二機動隊」と呼称する本部もある。

また、常設機動隊には組み込まれず、隊舎や警察施設、重防(重要防護)施設警戒、補給や負傷者救護、自動車検問などの後方支援にあたる"方面機動隊(方機)"がある。


隊長は、第一機動隊長のみ警視正が務め、その他各隊では警視が務める。このほか、キャリア警視が着任することもある。

(斉藤実警視総監〈第96代〉は、七機隊長を経験)

副隊長は警視、中隊長は警部、小隊長は警部補、分隊長は巡査部長


  • 第1機動隊『近衛の一機』『警視庁頭号連隊』『直参旗本』
  • 第2機動隊『かっぱの二機』
    • 水難救助隊が編成。あさま山荘事件においては、隊長・内田尚孝警視長が殉職された。
  • 第3機動隊『ほこりの三機』
    • 隊舎に舞う砂埃と"誇り"をかけ、現在の愛称に。
  • 第4機動隊『鬼の四機』
    • 学生運動鎮圧に際し、その精強さと厳しい姿勢より、マスコミや学生から"鬼・殺しの四機"と呼ばれたのがキッカケ。しかし、厳しい誹りにも負けず、粛々と任務を遂行したため、いつしか賞賛の意を込めて『鬼の四機』と呼ばれるようになった。
  • 第5機動隊『学の五機』『精強五機』
    • 学びの神湯島聖堂のすぐそばに位置している。勝利"Victory"のVに花弁をあしらった隊のシンボルマークは、ではなく日大封鎖解除警備において、西条秀雄警部が殉職された。
  • 第6機動隊『潮の六機』『若鹿の六機』
    • 臨海部に位置することから、この名前に。特殊部隊SATは当初、第六機動隊内に特科中隊(六機七中"ロッカチュウ")"SAP"として編成されたのち、分離独立したのである。
  • 第7機動隊『若獅子の七機』
    • 警視庁機動隊で唯一のレンジャー隊が編成されている。あさま山荘事件においても出動した。
      • 山岳救助レンジャー
      • 銃器対策レンジャー
  • 第8機動隊『忍びの八機』『蜂の八機』
    • 隠密行動を得意とするため"忍び"の愛称。かつては、"蜂"そのものをシンボルマークとしていたが、現在では、日輪をかたどったものである。
  • 第9機動隊『疾風の九機』『若鷲の九機』
    • 水難救助隊が編成。あさま山荘事件において、隊長が殉職した二機に代わり、人質救出、犯人5名全員生捕りという困難な任務を完遂した。
  • 特科車両隊『支援の特車』『技術の特車』
    • その名の通り、放水警備車や遊撃放水車、高所放水車など、各種特科車両により、隊員の援護・支援を目的として発隊した。シンボルマークもその現れ。現在では、他の機動隊との差が無くなりつつある。
    • あさま山荘事件においては、隊本部付中隊長・髙見繁光警視正が殉職された。

特殊技能部隊

機動隊内でも、特殊な技能を有する隊員で構成される部隊を「特殊技能部隊」と呼称する。

機動隊規模の小さい、ほとんどの警察本部では、特殊技能部隊として編成せず、隊員全員が何かしらの小隊を兼務する形も多いが、警視庁では機動隊員の人数が多いため、選抜された隊員が指定される形をとっている。


平素においては、一般の機動隊員同様、重防(重要防護)施設警備や、雑踏警備、デモ行進規制などにあたる。一方、各隊が持ち回りで指定される、当番隊指定日には隊舎に待機し、出動要請に即応する形となっている。

特殊技能部隊として、以下のような部隊が小隊規模で編成されている。


  • 爆発物処理・化学防護部隊(S-NBC班)
    • 爆発物(マル爆)や、不審物件(マルX)が発見された場合に出動。迅速な処理を行なう。発見された爆発物は爆発物処理筒車の格納容器に格納されたのち、冷却しながら搬送される。
    • ちなみに、かつて爆発物処理の危険手当は1件140円という非常識な低額であった。現在では、1件5,600円に増額されている。(それでも安すぎると思うが…)
  • 銃器対策部隊
    • 緊急時初動対応部隊"ERT"
    • 臨海部初動対応部隊"WRT"
      • 銃器を使用したテロ・立て篭り事件などに出動する。近年では、特殊部隊SATの到着まで、ある程度カバーできるよう、装備の拡充がなされている。警察用装甲車である特型警備車特型遊撃車、覆面装甲車の小型遊撃車などで急行する。
  • 騒音取締部隊
    • 街宣右翼などが発する、拡声器からの騒音の測定を行ない、必要であれば取締を行なう部隊。移動騒音測定車や、集音マイクなどを活用する。
  • 無人航空機対処部隊(IDT)
    • 首相官邸屋上にドローンが墜落した事件を契機に発足した。迎撃ドローンや、ドローン捕獲機などを配備している。かつて、オウム真理教が化学兵器の散布用にラジコン機を購入していたこともあるなど、ラジコン機やドローンといえど、疎かにはできない。
  • 広域緊急援助隊(P-REX)
    • 都道府県の枠を越えて活動し、被災者の救出・救助活動にあたる。
    • 機動隊カラーのレスキュー車である広域レスキュー車や、4WD型の災害活動用高床バン型車、後方支援用のキッチンカー災害対策車災害活動用拠点車などで出動する。出動服は、水色基調に黄色の色差しが入った意匠。

警視庁のレスキュー車 その2

広域レスキュー車


  • 国際警察緊急援助隊。
    • 被災国の要請に基づいて派遣され、警察・消防・自衛隊が混成される国際緊急援助隊内に組み込まれて活動する。国際警察緊急援助隊は、オレンジを基調に、胸より上部がブルーとなった、国際緊急援助隊(JDR)統一の意匠。
  • 機動救助隊(R110)
    • 山岳救助レンジャー隊(7機)
    • 水難救助隊(2機、9機)
      • 警視庁管内で発生した、救助事案や河川での遺留品捜索活動などに出動する。緑色のレスキュー車に、黒豹のシンボルマークが目印である。
      • 救助服は、緑色とオレンジ色、二色の蛍光色に反射剤を縫い付けた意匠。かつては、濃緑色であったが、東日本大震災後に更新された。
      • レスキュー車のほか、災害用給水車災害用ショベルカー災害用フォークリフトなど、様々な装備資器材が配置されている。

多角的運用部隊

各隊には、多角的運用部隊が編成されている。多角的運用部隊が編成されるキッカケとなったのは、警備情勢の変化であった。警視庁には機動隊が10個隊編成されているものの、学生運動極左暴力集団によるテロ行為が沈静化する中、機動隊が出動する機会が次第に減少することとなった。

一方、「空き交番」に代表されるような、警察官不足も目立ちつつあった。このため、警備事案が無い、手空きの部隊を「多角的運用部隊」として、各警察署へ派遣する形を取ることとなった。

ときに、平成13年(2001年)のことであった。現在、多角的運用部隊は、下記のような編成となっている。


  • 機動隊自動二輪部隊"MAP":交通指導取締を行なう、白バイ隊。
  • 遊撃捜査二輪部隊:ひったくり事件などの警戒を行なう、覆面バイク部隊。
  • 遊撃捜査部隊:路上強盗など重要事件の捜査を行なう、覆面パトカー部隊。
  • 遊撃警ら部隊:犯罪の予防・検挙、警らにあたる、白黒パトカー部隊。

参考:平成16年の警備情勢を顧みて〜回顧と展望〜 機動隊の活動概要


機動隊に準ずる部隊編集

正規の機動隊ではないものの、装備・資器材、編成等々で、機動隊同様の規模を持つ部隊である。いずれも、隊長や隊員は機動隊出身者で構成される。


  • 東京国際空港テロ対処部隊
    • 警備第一課隷下の執行隊。
    • 空の主要な玄関口である東京国際空港の警備、テロ事案、ハイジャック事案に対応する。規模は非公開であるが、飛行機内に警乗するスカイ・マーシャルが編成されており、機体に傷を付けない特殊弾を装填したけん銃を携行している。
    • そもそも、羽田空港の警備は、東京空港警察署(署長は警備畑の警視)と、機動隊の当番隊が合同で当たる形式であった。しかし、羽田空港の拡充等を受け、警備体制の強化が叫ばれるようになった。
    • このため、警視庁では、羽田空港にほど近い第六機動隊内に専従の『空港警備中隊』を発隊。平成24年(2012年)のことであった。隊員は主に、機動隊内でも先述の「特殊技能部隊員」が集められた。警備車や輸送車は、第六機動隊内でも、比較的、経年の経った、更新間近の車両を配置換えすることで対応していた。
    • 翌・平成25年(2013年)には、正式に「東京国際空港テロ対処部隊」として分離増強し、現在に至っている。変わったところでは、セグウェイを用いた警戒活動なども、その特色のひとつといえよう。
    • 部隊のシンボルマークは、黒地に蛍光黄色で、飛行機を図案化したもの。どことなく、分離元となった六機のそれと近しいものとなっている。

平成19年警察白書第4章 公安の維持と災害対策 188ページ


  • 総理大臣官邸警備部隊
    • 警護課隷下の執行隊。
    • 国政の中枢である総理大臣官邸内の警備。および官邸周辺における警備事案対策に従事する部隊。いわゆるSP(セキュリティポリス)と同じ警護課内に編成されている。
    • かつて、首相官邸内の警備は、内閣官房の職員である「官邸警務官」が担っていた。官邸外の警備に関しては、所轄・麹町警察署および、機動隊の当番隊が担う形であった。しかし、9.11アメリカ同時多発テロを受け、国政の中枢たる官邸内の警備の甘さを指摘する声が上がった。
    • 首相官邸は、これまでにも幾度となく脅威に晒されている。右翼の男がプロパンガスを積んだピックアップトラックに放火した状態で突入を試みた事件が発生したこともあったほか、過激派による迫撃砲攻撃など、決してテロと無縁ではなかった。
    • このため、平成14年(2002年)に「総理大臣官邸警備部隊」として発足。さらに、手荷物検査体制の強化などを経て、現在では、官邸周辺における警戒や警備事案に対応している。
    • 部隊のシンボルマークは、発足当時の旧官邸のシンボルであったミミズクと、SPロゴを組み合わせたもの。部隊員はこのシンボルマークが記されたバッジを、制服左下襟に装着している。

首相官邸バーチャルツアー

腕章およびエンブレムの画像


凡例編集

警衛"けいえい":察部内用語。警察部内では、皇族方の警備・警護のことを警衛という。通常の警備・警護とは、さまざまな点に違いがあるため区別している。

特に、上皇陛下や、今上陛下は、国民に寄り添いたいとのご意向をお示しになり、特別扱いを好まれず、過剰な警備をも敬遠なさっている。ご意向に出来るだけ添いつつ、目立たぬようなソフトな警備を実施する。


特殊救助隊"SRT":災害対策課に編成されるレスキュー隊。英称は"Special Rescue Team"。通常の機動隊内に編成されるレスキュー隊『機動救助隊"R110"』より、高度な技能を有している。


警備犬:警備第二課が運用する、警察犬の一種であるが、柿の区別をする。

  • 刑事部鑑識課が運用し、主として犯罪捜査の用に途するものを警察犬
  • 警備部警備第二課が運用し、爆発物の捜索や、犯人制圧などの用に途するものを警備犬

このため、係官の制服も、警察犬担当は、紺を基調とした現場鑑識活動服であるのに対し、警備犬担当のハンドラーは、緑を基調としたものと違いが見られる。


関連イラスト編集

特型警備車マル機スペちゃん


参考文献編集

『東大落城』『連合赤軍あさま山荘事件』著佐々淳行

文藝春秋刊

『あなたの知らない「東大安田講堂事件」』著 津田武徳

幻冬社刊

『宣戦布告 上・下』著麻生幾

講談社刊


関連タグ編集

警視庁 警察 あさま山荘事件

若本規夫(かつて、特別機動隊員として在職。)

機動隊 佐々淳行

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