概要
自動車警ら隊は、その名の通り、警ら用無線自動車(要するに警らパトカー)を用いて、警ら(パトロール)を行なう部隊である。
テレビの警察24時にて、職務質問の様子が取り上げられることも多い。
基本的に、都道府県警察の地域部ないし生活安全部隷下の執行隊として運用されるが、他部の執行隊である交通機動隊や機動捜査隊と異なり、設置されていない警察本部も数多い。
(なお、追記すれば、小規模警察本部では、地域部も設置されず、生活安全部地域課の形をとる本部も多い)
主として、高速道路やバイパスでの交通取締ではなく、市街地での警らを主とする警らパトカー(警ら用無線自動車・無線警ら車)の運用として、主に以下の2つが挙げられる。
- 所轄警察署の地域課が運用する場合
- 各警察本部が直接運用する場合
自動車警ら隊の場合、後者のように、本部直轄の部隊として、方面単位あるいは警察本部単位で活動し、所轄警察署の管轄の垣根を越えた広域的な運用が目的として設置される。
警らパトカー
パトカーは、赤色灯昇降機を装備した『警らパトカー』が配備されることが多い。
パトカーとひと言にいっても、交通部の交通機動隊や高速隊の、3,000CC級ではなく、市街地においての取り回しと排気量のバランスを考慮した2,500CC級の車両がほとんどだ。
国費導入分では、
- トヨタ:クラウン、マークii
- 日産:クルー、日産グロリア、スカイライン
- 三菱:シグマ、ギャランシグマ
- スバル:レガシィ
など、警らパトカーとして導入されたものが配備されることが多い。
活動
先述したように、所轄単位ではなく、方面・警察本部単位での活動を目的とした部隊ゆえ、活動は広範にわたる。
このため、所轄署の警らパトカーとは異なり、交通取締(一時停止やネズミ取りなど)には従事せず、管内を警らし、不審車両・不審人物の職務質問や、110番急訴に即応するような形を取る本部がほとんどである。
このため、自動車警ら隊に配属される自ら隊員は、通常の所轄署のパトカー乗務員よりも、必然的に高度な技術水準が求められる。
職務質問や、自動車(パトカー)の運転技術など、総じて、所轄署の警察官より高いレベルであるとされる。
警視庁においては、都内を10個に分けた方面本部を4個の自動車警ら隊が管轄する形をとっている。
この内、三多摩地区である第八・第九方面は、方面本部自体が広域であるため、1個隊が1個方面本部を管轄している。
- 第一自動車警ら隊(一自ら)
- 第二自動車警ら隊(二自ら)
- 第八方面自動車警ら隊(八自ら)
- 第九方面自動車警ら隊(九自ら)
無線にて、パトカー毎を識別するコールサインは「けいし◯◯◯号」となる。屋根上の対空表示や、窓に表記された3ケタの数字で識別できる。
このほか、都内全域を管轄する『遊撃特別警ら隊』や、地域指導課直轄の『職務質問指導班』なども活動している。
似た名前の部隊
自動車警ら隊と呼称する本部も多い中、機動パトロール隊(兵庫県警)や機動警ら隊(大阪府警、岡山県警)などと、独自の呼称をつける本部もあるが、おおよそ差異はない。
警視庁においては、警備部の機動隊のうち、治安警備や重防(重要防護施設)警備に当たらない部隊を『多角的運用部隊』として運用している。
この多角的運用部隊のうち遊撃警ら部隊"MAP"といった部隊がパトカーを運用し、警察署に派遣されたり、重防施設近辺での警ら、国賓の警護などにあたっているが、自ら隊の活動とはやや離れている。
(添付画像参考)