歴史
1968(昭和43)年、金嬉老事件という監禁籠城事件が発生した。この時、犯人はM1カービンのライセンス版である豊和M300とダイナマイトで武装していた。幸い、マスコミの要望による空への射撃以外は行われなかったが、この事件を契機に翌年より特殊銃(拳銃以外の銃の事で、この場合は狙撃銃)の整備と特殊銃を運用するための狙撃班の編成が開始された。この時は臨時編成の部隊で事件発生時に召集される部隊であった。それでも瀬戸内シージャック事件や、あのあさま山荘事件にも参加した。
1996年4月1日に臨時編成部隊であった特殊銃隊を、常設部隊として再編成し、銃器対策部隊に改称。銃器犯罪に対処するだけでなく、対テロ作戦も担当するようになり、けん銃、狙撃銃、防弾帽・防弾衣や防弾盾、特型警備車などの資器材の整備が図られた。2002年のサッカーW杯前には機関けん銃の配備も行われている。
2015年サミットの警備に備え、警視庁は銃器対策部隊から選抜した要員によって緊急時初動対応部隊(ERT)を設置。柔軟な運用を可能にした。2016年春にはパリ同時多発テロ事件を受けて、大阪府警も銃器対策部隊を3個小隊から4個小隊に増強して、ERTと同様の任務を担うARTを設置している。
配備銃器
※は退役装備
狙撃銃
- 豊和ゴールデンベア(※)
豊和工業製狩猟用ライフル。狙撃班時代から継承。日本警察が用いていたゴールデンベアは30-06弾仕様と言われている。瀬戸内シージャック事件で使われたのはこれ。
- 豊和M1500
サブマシンガン
2002年より配備開始。訓練では本銃のラバーガンや電動ガンを見かけることも多い。
自動小銃
犯人に手の内を明かさない為、詳細不明。89式小銃もしくは64式小銃と思われる。
拳銃
ミネベアミツミ(旧ミネベア)製のリボルバー。日本の警察の拳銃では最大の配備数を誇る。
- SIG SAUER P230JP
- S&W M3913
- H&K P2000
- ベレッタ92 Vertec