概要
日本の豊和工業がかつて開発し、生産していた民間向けカービン銃。同社がライセンス生産していたM1カービンをベースに狩猟用・スポーツ用として再設計した改良品である。愛称「ホーワカービン」。
M1カービンとの相違点として、日本の銃刀法の規制により装弾数を5発とした箱型弾倉に変更、民間向けに不要な銃剣用の着剣装置も排除されている。
初期型、中期型、後期型のモデルが主に存在しており、それぞれ照準器の照門の形状が山型照門、環状型のピープサイト、凹型のオープンサイトと異なっている。なお、中期型以降は「豊和・ニューモデル300」(豊和NM300)という名称で販売されていた。
軍用銃由来の頑丈さ、カービン銃故の軽量さ、そして威力も絶妙な.30カービン弾を使用する自動銃であることから、日本国内では鹿、猪、猿などの猟において獲物を追い込む勢子を中心に愛用された。一方、海外では第二次世界大戦で大量生産された本家本元のM1カービンが腐るほど民間市場に溢れていたため、輸出はうまくいっていない。それでもタイ王国に警察用として採用されており、約1万挺が納入されている。
しかし1950年代から70年代に掛けて凶悪犯罪事件で多用されたほか、M1カービン・M2カービンの部品を組み込んでフルオート射撃が出来るようにしたり、5発以上の脱着式の弾装を装着したり、といった違法改造が後を絶たなかった。
特に凶悪銃犯罪については、日本の銃刀法を改正するキッカケにもなってしまっている。