概要
コンピュータネットワークに接続されたサーバーやルーターやスイッチを集積した施設のこと。特にインターネット接続に特化したものをインターネットデータセンター(IDC)と呼ぶことがある。
内部にはコンピューターやネットワーク機器が詰め込まれたラックが並ぶ。莫大な電力を消費して熱を放出する装置が高密度に集積していることから、安定稼働を保つための大容量電源(配電盤や変電設備)、冷却装置が備えられている。停電に備えた装置(CVCFやUPSや自家発電機)、火災に備えた水を用いない消火設備なども設置されている。
しばしば「DC」と略されるが、コンピュータエンジニアの間では「DC」とは直流給電を指すことも多いので注意が必要。
データセンターの立地
トラブルがあってもすぐにユーザーが駆けつけられるように、大都市およびその周辺に設置されることが多く、日本では東京周辺に一極集中している。
ただし、クラウドコンピューティング事業者の利用を想定したデータセンターは必ずしもユーザーの近くになくてもよく、土地代が安い地方への立地も多い。近年の大規模データセンターは郊外に設けられる傾向が強まっているが、住宅地が近くにあるデータセンターは「得体の知れない施設」「迷惑施設」扱いされ、住民の反対で立地が頓挫することもあるという。
「ハイパースケールデータセンター(HSDC)」と呼ばれる巨大データセンターは、電力と冷却コストの安さが重視され、気候が冷涼で再生可能エネルギーが豊富なフィンランドやアイスランドに多く立地している。さくらインターネットなどは北海道に主力データセンターを置いている。