Not In My Back Yard(自分の裏庭{英語で近所を揶揄する単語}以外なら)の頭文字を取ってNIMBY、あるいは不動産用語で嫌悪施設とも表される。
主な迷惑施設
迷惑施設として扱われる条件として以下の様なものがある。
- 施設から直接または間接的に衛生・環境面や健康上の被害を受ける(例:火災が起きて延焼する恐れがある)
- 施設があることによって、地域に対するイメージが低下する
- 上と連動して資産価値が低下する
- 施設の影響で治安が悪化する(例:利用者が反社会勢力と繋がっている、または反社会勢力に属しており、犯罪やトラブルの温床となりやすい)
- 住宅地や学校の近くに建設されると児童の目につきやすくなるため、教育に悪影響を与える
個人の主観や感情も入りやすく、判断が分かれるが概ね以下のものが迷惑施設として扱われる。ただし経済効果や利便性の向上とデメリットを天秤にかけて、近隣の自治体や住民により誘致される場合も少なくない。
衛生面と環境への影響から反対される施設
- ゴミ処理場
- 下水処理場
- 食肉処理施設(屠殺場)
- 原子力発電所・核燃料再処理工場・放射性廃棄物処理場などの核関連施設
- 軍事施設(自衛隊関連施設も含む)
風紀や治安の悪化を理由に反対される施設
医療・福祉施設
- 精神科病院
- グループホーム
- ダルク
- 保育園・幼稚園(子供の声が騒音として嫌われる事が多い)
その他
迷惑施設に対する論点
これらの施設はいずれも「近くにあると、地域と住民に何ら利益を与えず、むしろ損害ばかり与える」と考えられがちである点が共通する。
例えば、発電所は遠方にあろうと近隣にあろうと電気の品質が変わるわけでもなければ、電力料金に差が出るわけでもない。これが根幹にあって遠くにあっても損失を被らない施設と考えられ、事故の危険性を孕んでいるからこそ、近隣への建設を積極的に容認する必要性に乏しく、反対の住民運動が起こる原因となる。
この反対運動に同調する形で建設事業主である政府や企業を非難する論調が強まるが、「『自分だけ損害を被らなければよい』とする『住民エゴ』である」と逆に反対運動側が批判の対象となることもある。
整備新幹線については在来線利用客に運賃面での実害だけでなく、クルマ社会絡みでも様々な実害(例:高齢者の自家用車運転増加等々)が及んでいる。
迷惑施設とその補償
迷惑施設を建設する場合、補償として設置自治体や住民個別に補償を行う。
その補償は金銭であったり、道路であったり、公園であったりなど多岐にわたる。
例えば佐久間ダム建設時は住民から「銀座の一等地並みの地価で補償しろ、そうでなければよそでダムを造れ」と難題を持ちかけられたが、事業主である電源開発は概ねその要求をのんでいる。そうしなければ交渉が進まず、建設に大幅な遅れが発生するからである。