概要
「大都市」とは、大きな都市のことである。大半の大都市は国の首都であったり、その地域の中枢となる都市である。
総務省は政令指定都市を大都市と定義している。日本においては市の人口が参考にされることが多いが、国によって地方自治のシステムが異なり、行政区画上の市の範囲が非常に広大(例:中国の重慶市)だったり、逆に非常に狭かったり(例:オーストラリアのシドニー市)、そもそも市が存在しなかったり(例:東京特別区)、必ずしも市の人口と都市規模が一致するわけではない。
21世紀に入り、途上国では高い出生率と労働力の集中により、メキシコシティやラゴスのように人口1,000万人を超える大都市(メガシティ)が多数誕生している。しかし貧困層が多い途上国の都市は、ニューヨークや東京のような先進国の大都市ほど繁栄しているわけではない。
三大都市・三大都市圏
1960年代以降は東京・大阪・名古屋が日本の三大都市とされている。市の人口で言えば実は名古屋市より横浜市が大きいのだが、横浜は首都圏に含まれ独立した都市圏とされていないことから三大都市からは外されている。
現代の大都市は衛星都市を形成するようになり、必ずしも市区人口=都市規模が成り立たなくなっている。都市をより広域な範囲で捉え、東京を中心とする首都圏、名古屋を中心とする中京圏、大阪を中心とする関西圏(京阪神)を三大都市圏としている。これは正式な行政用語・メディア用語として使われており、明確に定義されているものである。都市雇用圏に基づく人口は、東京都市圏が3,530万人、大阪都市圏が1,207万人、名古屋都市圏が687万人、福岡都市圏が256万人となっている。
福岡近辺では郷土愛の強い住民が多いため「福岡市が三大都市の一角」と主張されることがある。とはいえ実際のところ福岡市は名古屋市に人口も経済規模もはるかに及ばず、北九州を含めた「北九州・福岡大都市圏」としても中京都市圏よりずっと下である。よって行政関連の統計はもとより、研究書や辞書などで東京・大阪・福岡が三大都市圏とされることは無い。
六大都市・八大都市
大正~昭和初期の日本には六大都市なる枠組みを定めた法律(六大都市行政監督ニ関スル法律)があった。東から東京市・横浜市・名古屋市・京都市・大阪市・神戸市を指した。これらは当時の人口TOP6であり他都市とは別格的な地位であった。日本の近代化・工業化をリードしてきたため、現代でも大企業の本社は上記6都市に集中している。戦後特別区に再編された東京を除き、残りの5市は1956年に最初の政令指定都市のメンバーとなる。
同法は戦時中に廃止され、戦後は福岡市や札幌市の台頭により、八大都市と呼ばれることの方が多くなったが、「六大都市」も不動産業界で今も使われている。
世界都市
経済的、政治的、文化的な中枢機能が集積しており、世界的な観点による重要性や影響力の高い都市のことを「世界都市(グローバル都市)」という。
英米や日本の研究機関が世界都市ランキングなるものを発表しているが、それぞれ独自の評価基準や計算方法を設定しており、必ずしも都会ランキングというわけではない。また、英語の通じやすさ等を含め欧米中心的ではないか?という指摘もある。
主な世界都市は以下のとおり。